chemSHERPAとは何ですか?

当ブログの記事へのアクセスを見てみると、
そもそもchemSHERPAって何ですか?
shaiという拡張子が付いたファイルが開けない:chemSHERPA Tool
shciという拡張子が付いたファイルが開けない:chemSHERPA Tool

がここ1ヶ月においてもTop3です。
ということは、まだまだchemSHERPAで情報を出して下さいと言われて、何ですかそれは?となっている方が多いのでは無いかと推察します。

そこで、繰り返し記事になってしまうのですが、chemSHERPAに関する基本についてこの記事では解説したいと思います。

chemSHERPAは、製品中の化学物質情報を伝達するためのスキームです

chemSHERPAを一言で言うと、製品中の化学物質情報を伝達するためのスキームです。

chemSHERPAについては、chemSHERPAのHPに非常に詳しく書いてあります。

とはいっても、いろんな事が書いてあってどこから見れば良いかわからないかもしれませんし、そもそもchemSHERPAとは何ぞや?と言う質問にはすぐに答えが書いてない気もします。

chemSHERPAは、サプライチェーン上で製品の化学物質に関する情報を伝達するためのスキームです。スキームと言うくらいですから、ある種の枠組みを持っています。

chemSHERPAの構成要素

それでは、chemSHERPAを構成するもの、つまり枠組みを作るものは何でしょうか?

利用ルールがある

chemSHERPAには利用ルールがあります。ようは、このルールを守って情報伝達してねと言うものです。そうしないと会社によって情報伝達に要求するレベルが異なってしまって収拾がつかなくなるからですね。もちろんいくつかの制限はあるのですが、割と一般的なルールであり、この通りにすると全く同じになるというような強い制限がかけられたものではありません。

情報伝達すべき化学物質のリストを持っている

chemSHERPAは、情報伝達すべき化学物質のリストを持っています。それは、日米欧の化学物質に関する規制や業界標準を元に作られています。ですので、全ての化学物質を情報伝達の対象にしているわけではありません。
そうはいっても、5000物質くらいはあると思います。また、一般の人はその物質をExcelのようなリストで見ることはできません。次にお話しする、情報伝達のためのツールに含まれているからです。

このリストが欲しい場合は、有料になります。外部リスト類利用サービスに行ってください。

情報伝達するためのデータ作成支援ツールがある

chemSHERPAは、情報伝達するためのフォーマットが決まっています。それは、IEC 62474という電気電子系の国際的な標準化団体が決めたフォーマットに準拠しています。

chemSHERPAには、そのフォーマットにあったデータを作成するための支援ツールが存在します。一般にchemSHERPAと言う場合は、このchemSHERPAデータ作成支援ツールとそれで作成されたデータを言っている場合も多いようです。

chemSHERPAを使う際は、自社の化学物質管理が求められる

chemSHERPAによって情報伝達をしようとすると当然、自社の製品にはどんな化学物質がどのくらい含まれているかを知りかつ管理する必要が出てきます。
それがどういうものかは、今までの先人がまとめてくれた、製品含有化学物質ガイドラインに書かれています。
過去のいきさつにより、このガイドラインはchemSHERPAのHPの中に存在します。

管理人は、chemSHERPAはこういった会社における化学物質管理全体の仕掛けの一部に過ぎないと考えています。
従って、ここに書きましたが製品含有化学物質ガイドラインは、chemSHERPAの構成要素とは考えておらず、むしろchemSHERPAは、製品含有化学物質ガイドラインの構成要素だと考えています。

chemSHERPAのデータ作成支援ツールは2種類ある

通常、chemSHERPAで製品化学物質の情報を下さいと顧客に言われたときは、データ作成支援ツールでデータを作って提出することになるのですが、それには二つの種類があります。

chemSHERPA-CIは化学品用で拡張子はshci

2種類のデータ作成支援ツールの一つは、chemSHERPA-CIです。これは、化学品、混合物に対するデータ作成支援ツールで拡張子はshciです。このツールで成形品のデータを作ることはできません。

chemSHERPA-AIは成形品用で拡張子はshai

データ作成支援ツールのもう一つは、chemSHERPA-AIです。これは、成形品に対するデータ作成支援ツールで拡張子は、shaiです。このツールで化学品のデータを作ることはできません。

この二つのツールにおいては、非常に重要なことがあります。
それは、各々のツールで作ったデータは、別のデータ作成支援ツールでは読むことができないと言うことです。

つまり、chemSHERPA-CIのデータXX.shciは、chemSHRPA-AIでは読めません。
また、chemSHERPA-AIのデータYY.shaiは、chemSHERPA-CIでは読めません。

また、WordやExcelのように、データファイルをダブルクリックするとソフトが立ち上がると言うこともありません。素直に対応したデータ作成支援ツールを立ち上げて読み込みましょう。

chemSHERPAデータ作成支援ツールは日英中がある

製品中の化学物質の情報は、昨今のコロナウイルスにより製造の国内回帰があるとは言うものの、海外から情報を得る必要がある場合も多々あります。というか、そう言う場合がほとんどだと思います。

ですので、chemSHERPAデータ作成支援ツールは、日英中の3言語に対応したツールが作られており、それに付属した説明用文書も3言語で存在します。
ですので、海外メーカーにchemSHERPAでデータを貰うときは、対応した言語のものを送りましょう。

chemSHERPAは主に電気電子系のサプライチェーンで多く使われている

chemSHERPAは、もともと電気電子系で使用されていたツールであるJAMP-AIS、MSDS Plus、JGPSSIをまとめる形である程度国の予算も使って開発されています。

それ以外にも、各社各様であった情報伝達のやり方を可能な限り1本化して化学物質の情報伝達の効率化を図るために作られました。
この辺りの背景は、経済産業省のHPに書かれています。かなり分かりにくい所にあります。
ただし、現在は完全に民間に移行されており、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)によって運営されています。

従って、その成り立ちからchemSHERPAは電気電子産業のサプライチェーンで多く使われますが、結局それを作る素材産業にまで影響が及ぶため、一般工業製品と呼ばれるものの多くをカバーすることになります。

chemSHERPA HPから必要な情報を手に入れよう

ここまで、chemSHERPAとは何ですか?と言うことについて非常に初歩的な解説をしてきました。

いや、お客さんからデータくれって言われてるんだよ!とか、どっから手を付けりゃ良いんだよという質問については、

chemSHERPA HPのchemSHERPAについてと言うタブをクリックして書いてある内容と置いてあるファイルを見て自分に必要なことをやりましょう。

また当ブログのHOMEボタンの右横にchemSHERPAのボタンがあります。それをクリックして頂くとchemSHERPAに関する記事だけが表示されるようになりますので、読んでみてください。初めての方は古い方の記事から読んで頂くと良いかもしれません。

最後にお願い

この記事で説明したようにchemSHERPAは製品中の化学物質を情報伝達するスキームです。サプライチェーン全体で使わないと効率化にはつながりません。ですので、自社だけがしゃかりきになってがんばってもどうにもならない部分があります。

ですので、自分が原材料を買うメーカーさんにも更には情報伝達を要求してきた顧客にも正しく理解して貰う必要があります。
ですので、このブログが少しでも役に立つと思ったら御社のサプライチェーンの皆様に拡散して頂けるようよろしくお願いいたします。