今年(2020年)の成形品化学物質管理に関して

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします

遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます(松の内だからまあいいだろ)。本年もブログ「化学物質管理の話」をよろしくお願いします。
始めたのが、2018年6月ですので年だけで言えば3年目に突入です。
こういう記事を書いてほしい、こんな内容も欲しいというリクエストは、随時受け付けておりますので、メール、コメント等でよろしくお願いいたします。
それでは、昨年もやりましたが、管理人が勝手に考える今年の成形品に関する化学物質管理における注目内容を記載したいと思います。昨年は、どちらかというとほぼ決まっているイベントを書いていたので、外れるということはなかったのですが、PFOAの件はこれほど盛り上がるとは予想外でした。

PFOAの件は、沈静化?

昨年の当ブログの記事で読まれたものは、昨年末の記事にも書きましたが、chemSHERPAを除けば、PFOAの件でした。
今年は、欧州のREACH規則においては7月から規制が実施されますし、日本の化審法においてもどういう対処を行うのか結論は出るでしょう(最終のものはまだ公表されていないはず)。REACH規則の対応をやっていれば、日本においては結論が出てから対応したとしても成形品を製造している方はそれほど問題にはならないと思います。もちろん、お客さんから調べてくれの要求は、BtoBの約束事なので話は別ですが。

RoHS指令の次の制限物質について

現在、RoHS指令の制限物質は、2019年7月22日追加された4つのフタル酸エステルを含めて10物質ですが、既に次の制限物質に関する議論は行われています。
“Study for the review of the list of restricted substances and to assess a new exemption request under Directive 2011/65/EU (RoHS 2) – Pack 15”.
というものですが、ちょいちょい情報が出てきています。実際の制限物質になるのはまだ先ですが、これらの情報が出てくるといろいろ不安をあおるような情報が出てくることも事実です。
管理人は、このような先々の情報については、オリジナルのところまで確認すべきだと思っています。

例えば、昨年RoHS指令の制限物質に追加された4つのフタル酸エステルについての官報がでたのは、2015年の6月です。実際には、制限されるまで4年もの猶予があったことになります。制限物質への検討されていたのは、更にその前からです。
ですが、 これらのフタル酸エステルについては、いろいろ問題が出て制限される直前までサプライチェーンの方は対応に追われたと思います。曰く、移行のリスクをどう回避するのか、アジア圏では大量に作られていて、本当に代替できているのか確認がうまくできない等々。

今は、むしろ規制に関する情報は、かなり前もってサプライチェーン上を流れる(対応してくれと顧客に言われる)時代です。むしろそれが分かった時、会社としてどう対応するかという仕組みをきちんと作ることが重要と管理人は考えます。
ですので、例えば上に述べたようなPack15の話などは、情報収集手段だけ確立しておけば、今のところ問題ないと考えます。

SCIP Database in WFD

これは、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。欧州化学品庁(ECHA)のHPに行って、LEGISLATIONのタグを開いてWFDをクリックしてください。
これは、廃棄物枠組み指令( Waste Framework Directive (WFD) )が昨年改正され、成形品というか製品中のSVHC(成形品中で0.1wt以上)を欧州化学品庁(ECHA)に報告するという義務が2021年の1月5日から発生します。
SCIPは、Substances of Concern In articles as such or in complex objects (Products) の略で、報告されたものを入れるDatabaseなのですが、当然、少なくともDatabaseに入れられる形での報告になるはずです 。
もう1年後じゃないかという話なのですが、実際どのように運用されるのかは管理人は全く分かっていません。情報収集に努めたいと思います。

この話を最初に聞いたとき、REACH規則の義務が何でWFD指令で義務になるんだと思いました。ということは、化学物質に直接関係はなくとも関連する法規すべてに目を光らせておかなければならないことになります。一般の日本の会社でそれを追うことはなかなか困難と思われます。
現時点で、欧州に輸出をしている会社でWFDのSCIPに対応できる運用管理ができている会社は、世界中で考えると一握りだけかと思われます。

今後ますます厳しくなる化学物質規制に対応する管理能力を

その他にも、REACH規則で衣服や靴などに関してホルムアルデヒドが制限物質として規制が今年開始されるとか RoHSのフタル酸エステルの制限はカテゴリー8、9は来年からであるとかいくつかあるとは思うのです。
ですが、上にも述べましたがむしろ新たに出てくる成形品に対する化学物質規制に対しては、2020年は自社の管理の弱い部分を洗い出して適切な運用ができるようにすべき年なのかもしれません。

今年はWSSD2020年目標の年

1992年に行われたリオの地球サミットから10年後のヨハネスブルグサミットで化学物質の管理ついて
「予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順と科学的根拠に基づくリスク管理手順を用いて、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを 2020 年までに達成することを目指す」(WSSD2020 年目標)
が定められましたが、その目標年が今年なわけです。

この目標を達成するための戦略が、「国際 的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)と言われ、国際化学物質管理会議(ICCM)で進捗確認とフォローアップが行われてきました。
管理人が知っているのは実はこの件に関してはこれくらいです。化学系の会社に勤めている方の方がよほど詳しいと思います。
ただ、現状が目標に対してどうなのかというと管理人は、課題はむしろ顕在化してきているのかなとも思ってしまいます。マイクロプラスチックの話やナノマテリアルの話など2002年当時は知られていなかった課題が上がってきています。

WSSD2020年目標については、何らかの形でけりをつけ、次のSDGsなのかわかりませんが、顕在化した課題について解決策を考えていくことになるのだというのが管理人の見方です。

管理人正月ボケか

管理人、正月三が日は酒飲んでコンサート行ってという仕事とは無縁の生活してましたので、まだ正月ボケかもしれません。なので、今回の記事はかなり主観が入っている形になってしまいました。お許しください。
次回からは、昨年お約束した記事を順次書いていく予定です。