製品化学物質の情報伝達について(その2)

2020年4月3日

JIS Z 7201だけでは、何が何やら

前回、製品化学物質の管理に関して「JIS Z 7201:2017 製品含有化学物質管理―原則及び指針」というのがあることを書きました。しかしながら、このJISを読んでもあまり具体的なことは書いていないので、実際にはどうすればいいのかわからない人が大部分だと思います。
ISO 9001やISO 14001のような品質や環境の管理をやったことがある方ならば、ある程度どのようなことをやるべきなのかわかるかもしれません。しかしながら、それでも化学物質管理に特有のこともあるので、現実にはこの規格書だけで運用を行うことは難しいでしょう。

製品含有化学物質管理ガイドラインというのがある

実は、JIS Z 7201は、既に一度見直しが行われており、最初に制定された版はJIS Z 7201:2012です。JIS Z 7201:2012はその大元になる文書が存在していました。それが、「製品含有化学物質ガイドライン」というものです。このガイドラインは、RoHS指令やREACH規則に対応するために、工業会や各種団体の代表の方々がどのように管理したらいいのだろうということを話し合って自主的に決めたものです。これを基にJISを作成する際は、「製品含有化学物質ガイドライン」は第2版でした。現在の最新版は、第4版です。このガイドラインは、JISよりはかなり具体的に書いてありますがそれでも読んだだけではわからない人がいるかもしれません(^^;。
それで、「製品含有化学物質ガイドライン」とやらはどこにあるのだということになります。実は、管理人が思うにかなり違和感のある場所にあります。
というのも、chemSHERPAのHP内の説明資料/管理ガイドラインというタグ内のページにあるからです。
いやいや、単なる情報伝達スキームであるchemSHERPAのページに「製品含有化学物質ガイドライン」があるって、おかしくないか?
実は、これも、歴史的な背景があって「製品含有化学物質ガイドライン」は、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が管理していたのですが、JAMP自体のHPはなくなってしまい、chemSHERPAのHPに統合されてしまったためにそうなっているのだというのが、管理人の理解です。

管理人は、chemSHERPAは、製品含有化学物質管理の中の情報伝達スキームの一つに過ぎないと考えていますので、違和感を感じるわけです。ただ、 管理人がどう思っているかなどは、実際ガイドラインを使う方にはどうでも良いことと思います。

ガイドラインは、日、英、中、ハングルで用意されている

ガイドラインのページに行ってみると、ガイドラインは日本語版の他、英語版、中国語版、ハングル語版があります。更には、 「製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 附属書E:チェックシート第4.01版」というのも、日、英、中、ハングルの4言語で置いてあります。これは、このガイドラインの要求項目を チェックして管理が正しく行われているかチェックするものです。
自社で自主的にチェックすることもできますが、顧客からこれでじこちぇっくして報告してねと言われることも多々あるようです。チェック項目を全て十分に満たしていれば社内の運用は問題ないと考えて良いかもしれません。
更に、そこには 「製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 附属書F:自己適合宣言書(様式例)」というのもこれは、日、英、中の3言語で置かれています。これは、自ら自社が 製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 の要求項目を満たしていると宣言するものですが、それを顧客が受け入れてくれるかどうかは別問題になります。顧客は実際に確認したいと思うのが普通だと思うので、この宣言書を出したからといって工数が減るかと言えば、そうでもない気がします。

製品含有化学物質管理ガイドラインは、一度目を通しておくと役に立つ

製品含有化学物質管理ガイドラインの要求項目は何十と言う数があるので、企業規模によっては額面通りに全て満たすことは難しい場合があるかもしれません。ですが、そのような会社であっても、自社の製造プロセスや購買のやり方をきちんと見てみれば、製品含有化学物質管理ガイドラインの項目はかなりの程度満たしているということはあり得ます。
このガイドラインとチェックシートにに一度目を通して自分の会社の強みと弱みを把握して少しずつ改善していくのが良いと管理人は思います。そういう意味でこのガイドラインは 一度目を通しておくと役に立つと思います。

情報伝達の話なのに製品含有化学物質管理の話ばかりなのはなぜ

本来、このシリーズは、製品化学物質の情報伝達の話なのですが、なぜか今のところ製品含有化学物質管理の話がメインになってしまっています。何でだと思う方もいると思います。ですが、今回まではお許し願いたいと思います。と言うのも、情報伝達は、本来製品含有化学物質管理がなければ正しく行われない場合が多いと管理人が思っているからです。ようは、購入先から得た化学物質含有情報のデータを何の検証もなしに正しいと判断することは、普通かなりリスクが高いと思われます。ではどのような手段でリスクを判断するかと言うことは、上記のガイドラインに考え方が示されているわけです。
次回からは、実際の情報伝達の話に近づいて行きます。

JEMAIには、製品含有化学物質管理ガイドラインとそのチェックシートをどう活用するかのセミナーがある

ここからは、多少宣伝が入りますが、管理人が技術顧問をしている一般社団法人山峡環境管理協会(JEMAI)では、製品含有化学物質管理ガイドラインとそのチェックシートをどう活用するかのセミナーが行われています。なかなか、そんなセミナーを受けようと思う人は少ないのか、多くても1回10数名の受講者なのですが、JEMAIが行っている製品化学物質に関するセミナーの中では受講後の評価は1位です。ちなみに講師は管理人ではありません(^^;(一度で良いからその先生のような評価を受けてみたいものです)。

ちなみにそのセミナー申し込みのページはここにあります。【管理体制Ⅰ】評価する側から見た化学物質管理のポイント ~ガイドラインに則った化学物質管理の仕組みづくり~というのがそのセミナーになります。
興味のある方は受けてみて下さい。