GHSとSDS

今回は、以前の投稿「化学物質の情報入手に有用なサイト(その1:職場のあんぜんサイト 厚生労働省)」で書かなきゃなあと言っていたGHSとSDSのお話です。実は、これらは化学物質管理のすごく基本的な事柄なのですが、管理人はそちらのプロではありません。

GHSは、日本語では「 化学品の分類および表示に関する世界調和システム」と言われます

GHSは、The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略で、日本語では「 化学品の分類および表示に関する世界調和システム」と言われます。GHSの略の部分に化学物質がないから、他の世界調和システムと区別がつかなくならないのかというツッコミについては、管理人は何もわかりません。でも、化学物質を扱っている人たちの間では、GHSで通じます。
これは、2003年7月に国連の勧告として出されています。管理人のGHSに関する理解は、以下のようなものです。化学物質にはある種の危険性、有害性がある場合があります。これが国際的に流通するようになって、国によってその危険性や有害性に関する分類が異なると理解するのに不都合が起きたり、理解できなかったりするので、国際的に分類方法とそれを表す方法を同じにしましょうということになった。
危険性や有害性をどう分類するかということもルールになりますし、その危険有害性の強さの分類も決められています。そして、その表示方法も決められています。
こう書くと、世界中で同じ分類と表示がされていて統一されているのね、すごいねと思われる方がいるかもしれません。
しかしながら、化学の世界はそんなに甘くありません。現実には、同じ化学品に対して国によっては異なる表示や分類がなされる場合が存在します。
最も単純な違いは、SDSで必ず報告しなければならない物質は、国によって異なると言うことです。
この辺の話になるとかなり複雑で、管理人の拙い文章力ではきちんとお伝えするのが難しくなってきます。

国によって使っているGHSの版数は異なっている

実は、GHSは2003年の勧告時から版を重ねて(つまり少しずつ改定されて)、現在の最新版は第8版のはずです。日本の場合は、GHSの内容は、JIS規格に反映され取り扱われています。最新のGHSに関連するJIS規格は、今年(2019年)改定され以下の通りです。
JIS Z 7252:2019  GHS に基づく化学品の分類方法
JIS Z 7253:2019 GHS に基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)
上記の2つのJISが GHSに関連するものなのですが、このJIS作成時のGHSのベースは第6版になっています。
また、これらのJISは、今年改定されたばかりなので、以前のJISによる分類やラベル、SDSなどの作成は、3年間の移行期間があるはずです。
各国において、GHSに基づく規制や規格が作成されていますが、そのベースのGHSが第何版が使用されているかは、国によって異なります。
更に深い話は、ブログで紹介するサイトでご確認ください。

SDSは、日本語では「安全データシート」と言われます

上記のJIS Z 7253:2019 の題名にもありますが、SDSは、Safety Data Sheetの略で、 化学品の危険有害性情報を他の事業者に譲渡、提供販売する際に伝達するための文書です。
この文書の提供は、日本では毒劇法、安衛法、化管法の三つの法規で義務付けられていますが、詳細は各法規を参照してください。必ず伝達しなければならない化学物質も決まっています。
このSDSをGHSに基づいてどう書くか、ラベルはどのように記載し、表示するのかを標準化しているのが、 JIS Z 7253:2019 です。書くべき項目や順番などが決められています。そして、これに基づいて記載することが推奨されています。

SDSは、その国の言葉で書かなければならない

SDSは、化学品の危険有害性情報を他の事業者に譲渡、提供販売する際に伝達するための文書ですが、それだけで良いわけではありません。それを使う人(つまり作業者)に知らせるべきものです。ですので、安衛法では実際の作業をする人にラベルもしくはSDSの記載事項を周知しなければならないと条文に書いてあります(第101条の4) 。また、日本では日本人作業者がわかる日本語で記載されなければなりません。
この点は、他の国でも同じことで、その国の作業者がわかる言語(一般には公用語)で書かねばなりません。日本から化学品を海外に輸出するときは、現地語のSDSを要求されるでしょう(現地の輸入業者が翻訳してくれるのであればその限りではないかもしれません)。
例えば、もしあなたが化学品を買った際、英語のSDSを貰ったとしたら
「日本語のSDS持ってきてください」と言うのは、何ら不当な要求ではありません。この場合は、相手側が義務違反をしていることになります。

GHSやSDSは奥が深いのでここまで

GHSやSDSの詳細を書き続けると多分本ができます(管理人には、能力がなくてできません)。セミナーや講習もたくさんやられています。実務で本当に必要な方は、専門のところに行っていただいた方が良いです。
詳細な話になると管理人にはついていけない世界に入り込んでしまいます。