chemSHERPA-AI Ver2でデータを作ってみよう(その9)

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遵法判断のやり方、事前準備

さて今回は、遵法判断の要、遵法判断のやり方です。前回は、成分→遵法判断変換を行った後、Yのみ表示にチェックを入れて図1のようになったところまででした。

図1 スイッチの遵法判断画面、Yのみ表示結果

遵法判断は、対象物質、報告用途、報告閾値の3ポイントで判断

遵法判断は、対象物質、報告用途、報告閾値と実際の含有率を比較することにより行われます。実際には、対象物質に関しては成分→遵法判断変換でフィルタリングされている(Entry Yとなっている)ので、用途と閾値を含有率と比較します。内容に関しては今回は、IDの番号順にみていきます。

ID00021
用途:以下を除く全製品。1.電池、2.熱硬化性または熱可塑性のプラスチックで被覆されているケーブル/コードの表面被覆材、3.おもちゃやその他の子供向け製品の塗装または同類の表面被覆
閾値:均質材料中の鉛の0.1重量%(1000ppm) [報告レベル:材料]
含有率:20000ppm
判定:Y
理由:含有率は閾値をはるかに超えている。用途は、以下を除く全製品とあるので、今回の鉛含有部位はターミナルの銅合金の中であり、以下にある1.2.3.のどれにも該当しないから。

ID00022
用途:主として12歳以下の子供向けの消費者製品
閾値:製品中の鉛の0.01重量%(100ppm) [報告レベル:製品]
含有率:5428.6714ppm
判定:Y
理由:含有率は、閾値をはるかに超えている。このスイッチが主として12歳以下の子供向けの消費者製品に使用されるかどうかは、当スイッチの製造者は基本知りえない。従って、使用される可能性を否定できない。この場合は、安全側の判断を行いYとする。

ID00023
用途:子供向けの玩具及び製品の塗料又は表面塗装
閾値:表面塗装中の鉛の0.009重量%(90ppm) [報告レベル:材料]
含有率:20000ppm
判定:N
理由:含有率は、はるかに閾値を超えるが、使用用途が塗料や表面塗装ではない。

ID00024
用途:熱硬化性/熱可塑性樹脂で被覆された電線・ケーブル又はコード
閾値:表面被覆材中の鉛の0.03重量%(300ppm) [報告レベル:材料]
含有率:20000ppm
判定:N
理由:含有率は、はるかに閾値を超えるが、鉛は電線・ケーブル又はコードに使用されているわけではない。

ID00025
用途:電池
閾値:電池中の鉛の0.004重量%(40ppm) [報告レベル:部品]
含有率:19905.1283ppm
判定:N
理由:使用用途は、電池ではない。

ID00031
用途:長期間皮膚に接触する可能性のある製品
閾値:意図的添加 [報告レベル:製品]
含有率:8671.3287ppm
判定:N
理由:スイッチのターミナルは、 長期間皮膚に接触する可能性はない。

ID00154
用途:全製品
閾値:0.1重量%(1000ppm) [報告レベル:成形品]
含有率:20000ppm
判定:Y
理由:含有率は、閾値を超えている。

判定をNにすると含有率、含有量などが消える

遵法判断で判定をNにしようとすると図2のような警告が促されます。

図2 含有判定N選択時の警告

含有率、含有量、単位、用途コードなどの値がクリアされて何もなくなるということです。そこで、OKを押すと、その部分のセルは空欄になってしまいます。すべての、遵法判断を入力した結果は、図3のようになります。

図3 含有判定入力結果

しかしながら図3では、まだID00022の用途コードのところに、赤文字で入力してくださいという文字が残っています。上のところの説明に※セルダブルクリックで入力とあります。 そこで、赤文字のあるセルをダブルクリックすると図4のようになります。

図4 用途コード選択画面

今回の場合、ID00022の用途でこのスイッチが使われるかどうかはわからないわけですから、選択するのは上の行の「報告用途」に該当するか不明を選択します。このようにして、すべての遵法判断情報を入力した結果が図5となります。

図5 遵法判断情報の入力を終えた画面

遵法判断には知識が必要

このようにして、遵法判断を行うのですが、結構な知識が必要なんだなと思った方もいらっしゃると思います。実際に、遵法判断するのは、その製品を製造している会社の方なので、自分の製品の関係する遵法基準は判っているでしょうというのが基本の考え方なのだと思います。
しかしながら、必ずしもすべてがわかるわけでもなく(玩具用途に使われるのかなど)、用途コードの選択のような仕掛けが用意されています。
それでも、かなり難解だと思われる方もいるとは思います。特に直接自分の会社の製品でないものに対して遵法判断しなければならない羽目になると大変だと思います(そういう人がいるのか管理人にはよくわかりませんが)。
この遵法判断後の操作に関しては、次回になります。

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