新たなシリーズchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうの6回目です。
今回は、このSCIP情報画面に何をどう入れるの続きですね。
前回までのSCIP情報画面の入力
Fig.1は、前々回のchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その4)で見た成分情報画面のSCIP情報画面です。
実は、前回のchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その5)で説明した部分の入力に関して言うと、今回のの例のスイッチの場合、既定値のままで何も変えなくてもよい状態になっています。
というのも、欧州連合内の製造(Production in European Union)は、no dataを選ぶことも許されているため、部品を直接欧州に輸出していない限り、no dataの可能性は多いわけです。
更に、Safe use instruction(安全な使用方法の説明)は、No need to provide safe use information beyond the identification of the Candidate List substanceという既定値でないものを入れなければならない場合は、少ないと思います。
とはいえ、前回のchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その5)の説明を見て確認してください。
そこで最後に残った、必須項目は成形品のカテゴリー(Article category)です。これは、前回も説明した通り欧州連合の統合関税(TARIC)リストに基づ いて記載しなければならないと書かれています。
成形品のカテゴリー(Article category)とTARIC
前回説明したRequirements for SCIP notificationsの文書には、P.18にTARICへのリンクが張ってあります。
これは、HSコードの欧州版になります。HSコードは、端的に言えば、世界共通で使われる輸出入する品目のための分類番号のことですが、管理人全く貿易手続きに関する知識はありません。ですが、ググっていただくとどういうものかは理解できると思います。HSコードは、上位6桁までは世界共通です。しかしそれより下位の4桁は国などで異なります。
以前に記事で紹介したchemSHERPAのHPにSCIP対応ガイドライン_v1.1 が公開されましたにあるSCIP対応ガイドラインにもこのカテゴリの決め方が紹介されています。
Fig.2は、一見単なるリストのように見えますが、各SECTIONは、クリックすることによって展開できます。例えば、SECTION II VEGETABLE PRODUCTSを展開するとFig.3のようになります。
沢山の分類に分かれています。それでは、SCIPに情報を入れなければならないような製造業の例を見てみましょう(Fig.4)
SECTION XVI MACHINERY AND MECHANICAL APPLIANCES; ELECTRICAL EQUIPMENT; PARTS THEREOF; SOUND RECORDERS AND REPRODUCERS, TELEVISION IMAGE AND SOUND RECORDERS AND REPRODUCERS, AND PARTS AND ACCESSORIES OF SUCH ARTICLES
とありますから機械系、電気系の機器はここに入りそうです。今回の例のスイッチもここかな。でもここには、2つのCHAPTERしかありません。原子炉ってなんだよ!?あとはメカと電気にしか分かれてないの?
さて、ここのCHAPTER 85をクリックすると次のような画面に変化します(Fig.5)。
ここで上位4桁の分類に変化しています。さらに、個々の4桁コードをクリックするとさらに細分化したコードが現れます。そのようにして、自分の製品がどの品目コードに当てはまるか見ていくわけです。
自分の会社が海外貿易をしている会社であれば、その担当の方に聞けば一発で教えてくれる内容のはずです。というか自社製品の品目コードも知っているでしょう。
今までの説明でもまだ上位4桁の分までの分類しか出てきません。海外のサイトでこれをやっていると大変です。SCIP対応ガイドライン_v1.1にも書いてありますが、HSコードは上位6桁までは世界中で共通なのですから、日本の税関のHPに行くとHSコードは載っています。
2020年版の輸出統計品目表は、ここにあります。一応、毎年変わるらしいです。TARICと同じ分類の
第85類 「電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品」のところを見てみましょう。
ここの品目表を押してリストを表示して自分の製品を探すことになるのですが、それでも品目表が長くて見つけるのが大変です。どんだけスクロールがあるんだという感じです(Fig.6)。
こうなるともう、WEBページの検索機能を使って探すしかなくなるのですが、それでもスクロールは必要です。今回の場合、スイッチをページ検索すると6か所出てきて、例えばFig.7のように示されます。
さて、ここで今回の例題にしたスイッチは、6桁までのコードが8536.50だろうということがわかります。
そこで、TARIC側へ戻り、Fig.5の分類をスクロールしていき8536のコード部分を展開していきます。
すると、Fig.8のような分類コードに展開されます。
8536 50にOther switchesがあり、8536 50 11にPush-button switchesがあり、航空機用じゃないと思えるので8536 50 11 90がTARICにおけるコードと思われます。
注意!管理人輸出入に関しては全くの素人です。この方法が正しいのかさえ実はわかりません。
ですので、単なる参考情報としてお取り扱いください。プライバシーポリシーにも書いてありますが、このページの情報をうのみにして問題が起こっても当方は一切関知しません。
次回も入力の続きです
次回も、このシリーズまだSCIP情報画面の入力の続きになります。ただ、他の仕事の関係上、このシリーズは、ちょっとだけ間が空くかもしれませんのでご承知おきください。
コメント
OFFICE KS様
chemSHERPAツールにおけるSCIP関連の記事を早速UPして頂き大変助かっております。
ありがとうございます。
早速ですがchemSHERPAの複合化におけるSCIP情報の表示について質問です。
1.部品A…SVHC aが0.1w%含有
2.部品B…SVHC bが0.1w%含有
上記の通り、SVHC物質 a,bが0.1w%含有している部品Aと部品Bを複合化し
成分情報におけるSCIP情報を確認してみますと、下記の様に表示されます。
部品A – SVHC物質 a – 含有率0.1w%
- SVHC物質 b – 含有率0.1w%
本来なら、代表の部品Aのみではなく、部品A,Bそれぞれに対し
SVHCが含有しているといった内容となりますので、下記の様に
表示されるべきだと思うのですが…。
※おそらく、SVHC物質が含有している部品の内、成分情報で最も上に
表示されている部品の名称のみが表示されるのだと思います。
部品A – SVHC物質 a – 含有率0.1w%
部品B – SVHC物質 b – 含有率0.1w%
私の使い方が間違っているのでしょうか…?
SVHCが複数含有していても、代表部品のみの報告で良い、という訳でも
ないと思うのですが。。。
(含有している部位それぞれに応じたHSコードを記載すべきだと思いますし、、)
分かりにくくて大変申し訳ございませんが、、、
解決方法等、何か情報がございましたら是非ご教示頂きたく存じます。
millseross様、ご質問ありがとうございます。管理人です。
残念ながら管理人は、まだそこまでの検証をしていません。いろいろと作業や検証しながらブログを書いている状態です。
もう少し時間を頂けますか。
それともしわかる方は、コメントお願いします。
millseross様、管理人です。
遅くなりましたが、複合化においてSCIP情報がどうなるか一応確認しました。
本日、記事化して投稿予定ですのでそちらをご覧ください。