新たなシリーズchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうの5回目です。
今回から、このSCIP情報画面に何をどう入れるのか見ていきたいと思います。
成分情報画面のSCIP情報画面の入力項目
Fig.1は、前回のchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その4)で見た成分情報画面のSCIP情報画面です。
この中の白い部分が記入できるわけですが、実際にSCIPに入力する項目に対応するものは、日本語で入力してはいけません(実際には日本語や中国語で入っているとエラーではじかれます)。英数記号の半角文字である必要があります。
現在、ECHAのSCIP supportのページに行くと、Requirements for SCIP Notificationsという届出に必要な情報の解説文書があります。これは以前にDetailed Information Requirements for the SCIP databaseとして出されていた文書の正式版(?)です。こちらについては、SCIPゆっくり解説(その14)をご覧ください。
では、これらのSCIPの届出に必要な情報において、必須項目(MもしくはRと区分されている)とchemSHERPAのSCIP情報画面を対比しながら見ていきましょう。
Requirements for SCIP NotificationsのTable2には、必須項目として成形品の名前(Name of the article)がまず書かれています。以前のDetailed Information Requirements for the SCIP databaseでは、Article nameとなっており、chemSHERPAは、こちらに準拠しています。開発時期を考えれば仕方ありません。
これは、届出者が自由につけて良いので、SCIP情報画面においては、Article nameには成形品の名前を適当に書けばよいことになります。しかし、細かい説明には、シンプルで明確かつ簡潔ではあるが、記述的であることが望ましいとあります。要は、一般に理解されている名称を付けるのが良いと考えられます。
次の必須項目は、成形品の基本識別子(Primary article identifier [type and value])が書かれています。chemSHERPAではPrimary Article Identifierとなっています。ここは、届出する成形品を一義的に決めるために必要な数値または英数字の識別子をつけることになります。SCIPゆっくり解説(その11)で解説しているように、いろいろな識別子を使えますが、カタログ番号や部品番号も可能ですので、chemSHERPAでは基本情報画面の製品品番の値がここに入っています。
製品品番に日本語を使っている場合はエラーとなります。届出物が一意に決まるなら製品品番でも構わないと思います。
次の必須項目は、成形品のカテゴリー(Article category*)が書かれています。chemSHERPAでもArticle Categoryです。これは、欧州連合の統合関税(TARIC)リストに基づ いて記載しなければならないと書かれています。
この成形品のカテゴリー(Article category*)をどうやって見つけるかは次回以降やっていきます。
次の必須項目は、欧州連合内の製造(Production in European Union)です。chemSHERPAでもProduction in European Unionです。この項目は、欧州連合内の製造なのか輸入されているものなのか、両方なのかを選ぶのですが、no dataを選ぶことも許されています。従って、chemSHERPAでもこの項目は選択式になっています。
ここまでで、Fig.1の入力可能項目5つのうち4つは出てきました。では、最後の入力必須項目であるSafe use instruction(安全な使用方法の説明)は、どこに書かれているかというと、Requirements for SCIP NotificationsのTable4に解説がしてあります。解説によれば、個々の分類項目は#Rとなっていて、#R = 必須(ただし、場合によっては候補リスト物質の同定で十分な場合もある)となっています。
しかも、候補リスト物質の同定で十分かどうかは、the SiA Guidanceの3.2.1と3.4.1に従って決めることのようなことが書いてあります。
いやそう言われてもさ、the SiA Guidanceって何?と思われた方も多いと思います。これは、Guidance on requirements for substances in articlesのことですね。これは、SCIP DatabaseのSuppliers of articlesのページの一番下にリンクが張ってあります。
これも読むんかいなあー、面倒!
というわけで、chemSHERPAでは、ここには、No need to provide safe use information beyond the identification of the Candidate List substanceという文章がデフォルトとして入っています。候補物質以外の安全な使用方法の説明は必要ないよということですね。
今回は、新しい届出に必要な情報の解説文書Requirements for SCIP Notificationsに沿って説明しましたが、以前の文書Detailed Information Requirements for the SCIP databaseでもさほど変わりませんので、そちらを参照していただいても大丈夫です。chemSHERPAの英語の用語は以前の文書に沿っています。
次回も入力の続きです
というわけで、管理人こういう面倒なことの解説になるとすぐ挫折します(^^;。
次回もこの入力に関する説明の続きをやっていきたいと思います。成形品のカテゴリー(Article category*)をどうやって入力するかちょっとややこしいかな。
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