chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その4)

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新たなシリーズchemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうの4回目です。

前回はSCIP情報画面の項目を見ていきました。今回は、その項目は何なのかというか何を意味しているのかということを見ていきたいと思います。

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SCIP情報画面の項目

Fig.1と2は、前回chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その3)で見た成分情報画面とそのSCIP情報画面です。ただし、成分情報画面のArticleフラグ表示をしています。

Fig.1 スイッチの成分情報画面(Articleフラグ表示)
Fig.2 スイッチの成分情報のSCIP情報画面

なぜ、SCIP情報画面は2行ある?

今回のchemSHERPAのデータ例であるスイッチは、SVHCは部品Terminalに入っている鉛だけです。しかしながら、SCIP情報画面は2行になっています。これはどうしてでしょう。

1行目には製品名の項目にSwitchが書いてあり、階層名には今回階層を使っていないのでなにも書かれていません。行も個数にも何も書かれていません。それ以降の5つの項目は入力必須項目なので一旦おいておきましょう。それ以降の4項目にも何も入力されていません。

次に2行目ですが、こちらは行の項目に3と書かれています。成分情報の行3を見るとここには、部品Terminalに含まれている鉛、つまりSVHCである物質が書かれている行を示しています。その次の5つの必須項目の何も書かれていませんが、Material Category、材料名称、物質名称、材料当たりの最大含有率が自動的に入力されています。

というわけで、階層構造を使わないchemSHERPA-AIのデータにおいて、最初の行は製品とそれに付随する情報となっており2行目(SVHCが2種類以上入っていたらその行も追加される)は、SVHCとそれが入っている材料カテゴリーに関するデータが書かれていることがわかります。

しかし、SCIPの情報画面項目を見てみると製品名はあるのに部品名の項目はありません。上の例でいえば部品Terminalの情報が抜け落ちています。

これは、以前の記事で紹介したchemSHERPAのHPにSCIP対応ガイドライン_v1.1 が公開されましたにある、ガイドラインに理由が書いてあります。著作権の問題があるので、あまり長々と引用はできませんが、

「chemSHERPAでは、SCIPに登録するアーティクルの最小単位『Article as such』をchemSHERPAにおける『原部品』と捉えてデータ作成を行います。」

というのがそれです。
で、原部品の定義なのですが、これは、以前紹介したchemSHERPA製品含有化学物質情報利用ルールが Ver.1.4になりました。に書かれています。

chemSHERPAのHPにSCIP対応ガイドライン_v1.1によれば、chemSHERPAにおけるこのような考え方は、IEC62474との整合性は取られているようです。
ですが、ECHAやSCIPのルールとの整合性は、普通に考えると取られていません。なぜなら、SCIPのルール上は上の例の場合、Article as suchの最小単位はTerminalになるはで、Switchではないはずだからです。
ですので、今回の例の場合、スイッチを原部品(Article as such)ととらえると、SVHCの分母はSW全体の重量となり、Terminalを分母とする判断とは異なることになります。

IEC62474とECHAのSCIP担当者で合意が取られているのかは、管理人はわかりません。ですが、あまりに小さい単位で登録するのは複雑すぎて「あんまり意味無いよねー。」はそうだろうなと管理人も思います。

ただ、原部品の定義は、わからなくもないですがある意味グレーです。というか、一義的に決められるような定義になっていないことも事実です。この辺は、運用に任せられている判断せざるを得ないと思います。

だれか、この件に携わった方でこういう意味なんだという追加をしてもらえると管理人非常に助かります。

遵法判断情報のSCIP情報画面も同様

Fig.3には、遵法判断情報のSCIP情報画面を示しています。

Fig.3 スイッチの遵法判断情報のSCIP情報画面

こちらも、製品そのものとそれに含まれるSVHCの情報の2行に分かれています。この意味においては、成分情報のSCIP情報画面と同じです。他のSVHCが含まれていたら行が足されるのも同じです。

次回から何をどう入れるのかに入ります

ここまでで、chemSHERPAのSCIP情報画面についてある程度見てきました。えっ?SCIP対応ガイドライン_v1.1にみんな書いてあるって?
それはそうなんですが、何故そうなんだろうというと思う方も比較的多いと思って、Step by stepの記事にしています。需要があるかどうかわかりませんけど。
次回からは、いよいよSCIP情報画面の項目は、何をどう入れるのかというところに入る予定です。これも、数回はかかると思います。

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chemSHERPA
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コメント

  1. panda より:

    OFFICE KS様
    サンプルにされている成分情報が
    階層名がブランクで統合されており、その下の部品名称がHousing、Terminal・・・etc,になっているため、SCIP情報でSwitchに対し鉛の含有に対して情報入力を求められておりますが

    川上側サプライヤからHousing、Terminal・・・etc,を購入し
    アセンブリ化してSwitchとして販売している場合
    HousingのSHERPA、TerminalのSHERPAを入手し、自社で複合化する事になります

    複合化で作成したSwitchの成分情報は
    階層名:Housing / 部品名:Housing
    階層名:Terminal / 部品名:Terminalとなり

    SCIP情報は階層ごとに入力するため、Terminalの情報が抜け落ちなくなるのではないでしょうか?

    私も自分でデータを作っていますが
    1から自作すると階層名を統合してしまうのですが
    SCIPの目的からすると階層名は部品毎に分けるべきなのか?
    だとすると階層名=部品名となり、ならそもそも部品名って何の意味があるの?と混乱しています

    • OFFICE KS より:

      panda様、コメント、ご意見ありがとうございます。管理人です。
      お返事が遅くなってすみませんでした。出張したり、別の仕事があったりでブログに時間を費やせませんでした。

      panda様がおっしゃる状況であれば、そのようになると管理人も思います。
      ただ、「chemSHERPAでは、SCIPに登録するアーティクルの最小単位『Article as such』をchemSHERPAにおける『原部品』と捉えてデータ作成を行います。」とあります。
      従って、このような材質レベルの部品の場合、その情報が抜け落ちても仕方がないと割り切っているように見えます。

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