グリーン調達基準の読み方(その19)内容編その7

今回の記事は、鉛もよび鉛化合物について各社のグリーン調達基準にどう書かれているかを解説する4弾です。そしてこれが最終回です。
書き方は、以前と同様ですの初回の記事を参考にしてください。今回はI社からになります。 それでは見ていきましょう。

I社

I社は、グリーン調達基準の中に環境管理物質のリストを表として提示しています。それらは、使用禁止物質・全廃目標物質、管理物質、管理物質(SVHC)の三つの表で構成されています。
鉛に関しては 使用禁止物質・全廃目標物質 に含まれています。I社の表には通し番号はふられておらず、A列は、物質群または物質名となっています。鉛に関しては、鉛/鉛化合物と書かれています。B列は、管理レベルとなっており、禁止となっています。
C列は、適用と書かれており、鉛 /鉛化合物 の部分は4行に分かれており、1行目には表〇に示す対象以外の全てと書かれており、表〇はRoHSの適用除外の表となっています。2行目は熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂で被覆された電線・ケーブルまたはコード、3行目は電池、4行目は包装材となっています。
C列以降の列は以下のようになっていて、ずっと4行のままです。
D列は閾値レベル(報告レベル)、E列は使用例、F列は適用日、G列は主な法令または工業基準/合意例となっています。
では、今回は全ての行を見ていきましょう。各行をC列からG列まで順番に記載します。
1行目
C列:表〇に示す対象以外の全て  D列:均質材料中の鉛の0.1wt%(1000ppm) E列:ゴム硬化剤、顔料、塗料、潤滑剤、プラスチック安定剤、快削合金、光学材料、CRTガラスのX線遮断、電気はんだ材料、メカはんだ材料、硬化剤、加硫剤、強誘電体材料、めっき、合金、樹脂添加剤 F列:即日 G列: 2011/65/EU指令;  REACH規則(EC)No1907/2006の付属書17; 中国 MII法;  韓国RoHS; 日本 J-MOSS; 米国/カリフォルニア州 SB-20/50
2行目
C列: 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂で被覆された電線・ケーブルまたはコード  D列:表層被覆中の鉛の0.03wt%(300ppm) E列:顔料、塗料、プラスチック安定剤、着色料 F列:即日 G列:米国/カリフォルニア州プロポジション65;判例法
3行目
C列:電池((〇)という上付き文字の注釈があります) D列:電池中の鉛の0.004wt%(40ppm) E列:電池 F列 :即日   G列: EU 電池指令 2006/66/EC; 中国規格 GB-24427-2009 アルカリ性および非アルカリ性亜鉛-二酸化マンガン電池中の水銀・カドミウム・鉛含有量の規制要件
4行目
C列:包装材 D列:カドミウム、六価クロム、鉛、水銀の合計量が包装材の0.01wt%(100ppm) E列:包装材  F列 :即日   G列: 米国包装材重金属規制
以上のように記載されています。

管理人の個人的感想
物質群と適用されるものの分類で書かれており、最後に根拠となる法令を持ってくる形になっています。基準を受け取る側からすると、わかりやすい形で一つの方法なのかなと思います。見やすいですし。注釈が三つの表の最後に書いてあるのでちょっと見にくいかなとも思いますが、許容範囲でしょう。

J社

J社は、調達基準の付属書で環境影響化学物質管理基準としてこの部分は別の文書となっています。J社は、化学物質管理システムを構築するように要求している会社なので結構いろいろな文書があります。
管理基準については、含有禁止物質、含有管理物質、製造工程使用禁止物質に分かれています。鉛関係は 含有禁止物質 にありますが、含有禁止物質については、まず含有禁止物質のリストの表があります。そして更に、物質ごとに管理レベルや用途、閾値、納入禁止時期などの管理基準を書いた表が存在しますが、全物質を一つの表でカバーしており個々の物質ごとの表にはなっていません。
鉛関係は、リスト上では鉛及びその化合物となっています。管理基準の表ではどう書かれているか見てみましょう。
A列には通し番号が振られています。B列は物質名となっており、鉛及びその化合物と書かれています。C列は管理レベルになっていて、鉛関係は禁止除外の2列に分かれています。ここで特徴的なのは除外のところにRoHSの除外規定が直接書かれていることです。普通は、別表になっている場合が多いのですが、個々の項目がD列に書かれています。D列は用途・使用例の項目で、禁止側が3行に除外側は11行(項目)に分かれています。
禁止の3行(項目)は、1行目・包装材、2行目・ポリ塩化ビニル電線被覆中の鉛、3行目は、
・塗料、インキ・樹脂(ゴムを含む)材料中の顔料、染料、安定剤等の添加剤
・鉛合金めっき処理された材料及び部品(すずめっきピアノ線等)
・潤滑剤としての鉛を含む部品(ドライベアリング等)
・鉛を含有する各種合金(但し、除外対象の合金は除く)
・はんだ材料(Pb=85%未満のはんだ)
・はんだ付けされた部品、ユニット(プリント基板、電源装置、モータ、クラッチ、センサー等)
・サーバー、ストレッジ(HDD)中の鉛
・FFCコネクタ接点部

となっています。
E列は含有閾値となっており、禁止側は、 1行目 表〇といわゆる4重金属規制が書かれている別表を指示しています。 2行目 300ppm、3行目 1000ppmとなっており、除外側はになっています。
F列は、納入禁止時期になっており、禁止側は即時、除外側はになっています。

管理人の個人的感想
J社は、RoHSの適用除外にあたる部分を各化学物質のところに直接書かかれています。通常は、別表になっている場合が多いと思うのですが、これはこれで便利だと思う人はいると思います。表も割と見やすい形をしています。ただ、化学物質管理基準は、グリーン調達基準の付属書になっているので、これを面倒と感じる人はいるかもしれません。それと鉛 及びその化合物のところには、電池に関する記述が全くありません。普通のマンガン電池は、使わないのかな。

K社

最後は、K社です。
K社も化学物質管理の実際の基準については、グリーン調達基準そのものではなく、別冊になっています。化学物質管理レベル分類表という名称で、管理基準等が書かれています。管理水準によってレベル1 使用禁止物質、レベル2 使用制限物質、レベル3 管理物質という三つの表が作られています。
最初に最近の改訂履歴が書かれています。どう変わったのか最初にわかってよいかもしれません。
鉛関係は、使用禁止物質の表中に存在します。K社の表は他の会社とはちょっと違っています。まず、ヘッダに番号化学物質の名称が書かれています。例えば、鉛ですと1-3. 鉛及びその化合物と書かれています。次に鉛及びその化合物の例示が表として書かれています。対象となる化学物質の代表例、CAS No.、使用用途となっているのですが、鉛の例ですと17行に渡って化合物名と CAS No. が書かれ、使用用途は全体として何に使われるか書かれています。I社やJ社で見たような使用用途です。その表の下に「対象範囲下記のいずれかに該当するものは使用禁止とします。」という文章があり、からまで項目が書かれているのですが、閾値(意図的添加、300ppm、1000ppmの3段階)で規制している場合と使用用途(包装材電池)で規制している場合が混在しています。更に、その下に除外対象項目としてRoHSの適用除外項目が記載されています。
そして罫線を分けてさらにその下に関連法規制等として、RoHS指令2011/65/EC、REACH規則No1907/2006と書かれています。

管理人の個人的感想
うん、読みにくい。鉛化合物も代表例だけだけで、すべてを網羅はしていませんし(まあ、網羅しても仕方ないと思いますが)、横に使用用途例が書かれているほか、その表の下に閾値と使用用途の分類が混在しています。これは、読む方が混乱すると思います。また関連法規も分類されているものをすべて網羅していないのでわかりにくいというか中途半端です。

今回で、11社のグリーン調達基準に鉛関係の物質がどう書かれているかは、すべて書いたことになります。ああ、しんどかった。
とはいえ、もう1回今までの内容を踏まえて、まとめの記事は書こうと思っています。それで、一連の鉛を例に実際にグリーン調達基準に管理基準等がどう書かれるかを終わりにしたいと思っています。

グリーン調達基準の読み方のシリーズは、いったんこれで一区切りです。ですが、これを書いてほしいという要望があればコメントでお寄せください。しばらくたったら、また別の切り口で書こうと思います。