今まで、用語の定義として、含有、不純物、意図的添加を説明してきましたが、各社の基準の用語の説明には、その他にも沢山の用語が解説されています。
似たような用語であっても、名称や内容が微妙に違うため個社個別になっておりなかなかまとめることができないのは以前書いた通りです。
これから、グリン調達基準に書いてある中身の話に移っていきたいところですがその前に、7社中3社に記載されている用語を列記しておきます。
- 成形品
- 閾値
- 均質材料
- 化学物質
- 混合物(調剤)
- JAMP
これらの中でJAMPは明らかに異質で、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP:Joint Article Management Promotion-consortium)の略称です。
それ以外は、化学物質や材料に関わる用語になります。化学物質管理を主な内容にしているグリーン調達基準において、”化学物質”の定義は大事そうなので見ておきます。3社において定義が書かれていますがそれぞれ、
・天然に存在するか、または任意の製造過程において得られる元素およびその化合物。
例:酸化鉛、塩化ニッケル、ベンゼン等
・ 元素単体及び化合物であって、天然に存在し、または生産工程から得られるもの。これらの安定性を維持するために必要な添加剤及び使用した工程から生じる不純物を含む。ただし、単一の化学物質の安定性または組成の変化に影響せずに分解することができる溶剤を除く。
例:酸化鉛、塩化ニッケル、ベンゼン
・化学元素及び化学元素の化合物。[例 鉛(化学元素)、酸化鉛(化合物)、ポリ塩化ビニル(化合物)]米国化学会の化学情報検索システムの登録番号(RN)(CAS番号)およびまたはEuropean Chemical(EC番号)がすべての元素とそれらのほとんどの化合物に付けられているので、識別に利用するとよい。
化学物質の定義は、3社三様ですね。最後のものは、CAS番号やEC番号の説明までしています。天然に存在するかどうかを明示的に書いているかどうかも違います。化学物質の定義は、一般的な概念にしてもいろいろあると思うのですが、こと法律においては、法律ごとに定義が違うといってもよいでしょう。日本においても、化審法と労働安全衛生法の化学物質の定義は異なります。このブログでもかなり前にちょっとだけ書きました。ですので、化学物質の定義は、書かれているグリーン調達基準の中ではこの定義だと思った方がいいと思います。
他にも一般の人が分かりにくいというかなじみのない用語として閾値や均質材料があると思うのですが、それらはまた別の機会に。次回からはグリーン調達基準に実際に何が書かれているのか見ていきたいと思います。
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