今回は、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(3)です。
3回も続くとシリーズ化しているように感じるかもしれませんが、第23次のSVHCは4物質ですので、次回でいったん終了状態のようになってしまいます。
その次に、記事を書くのは、次回のSVHCが追加されてからになるのでかなり先になってしまいます。
第23次SVHC Dibutylbis(pentane-2,4-dionato-O,O’)tin
REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(3)の化合物は、Dibutylbis(pentane-2,4-dionato-O,O’)tinです。なんだよそれって感じの名前ですね。
第23次SVHCで加えられた化合物は、REACH認可候補物質(第23次SVHC)が2020/6/25に公表されましたをご覧ください。
化学物質名:Dibutylbis(pentane-2,4-dionato-O,O’)tin (日本では、ジブチルビス(2,4-ペンタンジオナト)スズ(IV))
別名:Dibutylbis(2,4-pentanedionate)tin, Di-n-butyltinbis(acetylacetonate), ジブチル錫ビス(アセチルアセトネ-ト)など
化学式:C18H32O4Sn
分子量:431.16
構造式:
CAS RN:22673-19-4
EC No.:245-152-0
融点が26℃だそうですので、普段置いておくと結構微妙な状態になっているかもしれないですね。
何を理由にSVHCに入れられたかという点は Article 57c による生殖毒性が理由になっています。
2-methylimidazoleの危険性は何か
SDSで見ると、2-methylimidazoleの危険性に関しては、結構いろいろあるのだとわかります。
まず、可燃性、引火性があるとされています。
他には
臓器への障害
重度の皮膚火傷や目の損傷
生殖能または胎児への悪影響のおそれ
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
飲み込むと有害
遺伝性疾患のおそれの疑い
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
など、結構至れり尽くせりな危険性を持っています。
どんなところに使われるのか
ECHAのニュースリリースで使用例として挙げられているのは、プラスチック製造の触媒、添加物というものです。
またECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、接着剤やシール剤に含まれると書かれています。
その他にも、いろいろな材料や成形品を作る事業所で幅広く使われるとあります。
接着剤、シール剤、コーティング剤、製紙業、色素、ポリマー、ー、繊維処理などの製造や製造助剤として使われるとあります。また、他の化学品を製造するための中間体としても使われます。
その他にも建設業でも使用されるほか、革製品、コム製品、木製品、紙製品、プラスチック製品、電気電子製品、光学製品、機械製造、自動車製造の製造所でも使用されるとあります。
これだけ書かれてしまうとどこに使われているのかというより、少ないかもしれないけどどこにでも使われてるのねという感じになってしまいます。
この物質は、欧州域内には年100-1000t範囲の製造輸入となっています。あんまり多い量ではありませんね。
Dibutylbis(pentane-2,4-dionato-O,O’)tin含有の可能性
ここからは、管理人の主観が入っていますので、決して鵜呑みにしないでください。参考情報程度であり必ず自分で判断して下さい。プライバシーポリシーにも書いてある通り、管理人は一切の責任を負いません。SVHCの解説の際は、必ずこの注意書きが入ります。
この物質は、上のどんなところに使われているのかにあるように、かなり幅広い分野で使用されてきた物質です。他の物質に変化する中間体としての使用ならあまり問題にならないかもしれませんが、触媒や何らかの機能を付加する添加物として含まれている場合は、問題になります。
過去には、幅広い分野で使用されてきたので、注意した方が良い物質と思われます。
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