RoHS指令に追加されるフタル酸エステル(2)移行性についての情報源

2019年10月28日

フタル酸エステルの移行については以前もこのブログで多少は、言及させて頂きました。

RoHS指令による4種のフタル酸エステルに関する制限は、今年の7月22日から始まるので、ほとんどのメーカーさんは対応済みだと思います。と言うか、終わっていないとやばいのは前回の投稿で書いた通りです。

もちろん、フタル酸エステルがプロセス中に全くなければ問題はないのですが、フタル酸エステルには、移行というやっかいな問題が提起されています。これは、フタル酸エステルを含む材料に接触した成形品に、フタル酸エステルが移ってきて汚染される現象のことを言います。

例えば、成形品を置いておく台に敷いてあるマットや成形品が運ばれてくるときの容器にフタル酸エステルが含まれているとそれが移ってきてしまう可能性があると言うことです。

特にDEHPは、 前回の投稿で書いたように、日本ではまだそこら中にある状態ですので、そんなにあるに大丈夫なのと言うことになります。

製品を作る建物全体から、フタル酸エステルが完全になくなっているとはとうてい思えないし、そもそもどういう条件で、どんなときに移行するのかよくわかりませんでした。

顧客からは、フタル酸エステルを工程中からすべてなくせと言われたと言う話も聞きました。

しかし、最近では、この移行性の問題も色々情報が出たおかげなのか、それとも多分大丈夫と思っているのか、だいぶ落ち着いてきた気がします。

この移行性について、日本語でわかる情報源をまとめてみましたので参考にしてください。

・JEITA 環境部会の情報
JEITAは、正式名称は一般社団法人電子情報技術産業協会で、PCやTV、電子部品などを作っている会社からなる業界団体です。ここの環境部会のHPには、欧州RoHSに関するページがあります。https://home.jeita.or.jp/eps/euRoHS.html
ここの最下部に
「RoHS制限対象フタル酸エステルに関する注意点 第3版」(2016/12/1更新)

「RoHS制限対象フタル酸エステルに関する注意点 詳細版 第2版」(2016/12/1更新)
という文書があります。フタル酸エステルの移行に関する情報が載っている大元かもしれません。

・JAMP(アーティクルマネージメント推進協議会)の情報
JAMPはchemSHERPAの運営団体ですが、製品含有化学物質管理ガイドラインの維持も行っています。chemSHERPA HPの管理ガイドラインのページに行くと、ダウンロードできる資料が置いてありますが、その中に
接触による移行汚染管理ガイダンス-RoHS指令対象フタル酸エステル4物質への対応の着眼点-(第1.0版)
があり、フタル酸エステルの移行はどのように起こるのかと割と具体的な管理のやり方が載っています。

・J-net21(中小企業ビジネス支援サイト)の情報
このサイトは、中小企業を支援するために中小企業基盤支援機構が運営しているサイトです。この中で、経営課題を解決する→ものづくり・技術・開発と遷移するとこのページの下の方に、「ここが知りたいRoHS指令」というボタンがあります。
そこを押すと「ここが知りたいRoHS指令」のページにたどり着きます。
ここには、RoHS指令の基礎というページがあり、RoHS指令に関するQ&A、コラムなどが書かれており、フタル酸エステルの情報も多く書かれています。サイト内検索で「フタル酸エステル」と検索しても出てきますが、サイト内検索ですとREACHにおけるフタル酸エステルの話題もヒットします。

・可塑剤工業会の情報
可塑剤工業会は、主にフタル酸エステルなどの可塑剤を製造している企業の団体です。ここにも、移行性に関する情報があります。トップページにある「よくあるご質問」からよくあるご質問のページに飛ぶとQ11に「可塑剤は移行しますか?」という質問があり、クリックした先に回答があるのですが、回答には
条件と樹脂の種類によっては移行します。詳しくはこちらをご覧下さい。→可塑剤の移行性
となっています。リンク先で内容を確認してください。

から資料集の技術に可塑剤の移行性のファイルがあります。

各々の情報には、引用文献なども書いてる場合がありますので、必要に応じて確認してください。