REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説ですが、2021年7月8日に新たな物質(物質群)が8個足されたので少しずつやっています。
というわけで、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(14)は、新たに足された物質のうち、Medium-chain chlorinated paraffins (MCCP)です。
第25次SVHC Medium-chain chlorinated paraffins (MCCP)の基本情報
では、まずいつものように、の基本情報から行きましょう。
そういいたいところですが、今回の物質 Medium-chain chlorinated paraffins (MCCP) は日本語に訳すと中鎖塩素化パラフィンのようになり、CAS RNやEC No.があっても、混合物になります。
ですので、展開された実際の名前などを見ていきましょう。
また今回は、個々の物質についてどこに使用されているかなどの情報もある場合は、個々の物質に紐づけて書くことにしますので、今までのSVHCに対する書き方と異なりますのでご注意ください。
化学物質名:di-, tri- and tetrachlorotetradecane
CAS RN:-
EC No.:950-299-5
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、水生生物に対して非常に有毒であり、水生生物に長期的な影響を与える非常に有毒性があります。
REACHに登録されている物質であり、欧州域内で1~10t/y製造もしくは輸入されています。
使用用途としては、潤滑剤、グリースです。機械用や自動車用のものとしても使用されます。
化学物質名:Alkanes, C14-16, chloro
CAS RN:1372804-76-6
EC No.:-
化学物質名:Alkanes, C14-17, chloro
和名:クロロアルカン(C=14~17)
CAS RN:85535-85-9
EC No.:287-477-0
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、水生生物に対して非常に有毒であり、水生生物に長期的な影響を与える非常に有毒性があります。そして母乳で育った子供に害を及ぼす可能性があります。
REACHに登録されている物質であり、欧州域内で10000~100000t/y製造もしくは輸入されています。
一般消費者向けとしては、吸着剤に使われています。
業務用や工場などでは、ポリマー、接着剤・シーラント、コーティング剤、フィラー、パテ、プラスター、モデリングクレイ、金属加工するときの液体、繊維の処理剤・染料などとして使用されます。
なので、プラスチック製品、ゴム製品、織物、皮革または毛皮、金属加工品、パルプ、紙および紙製品、家具などを作るときに使用されます。
また、建設や鉱業分野でも使用されるとあります。
日本のNITEのCHRIPでは、用途として難燃性樹脂原料が挙げられています。
化学物質名:Tetradecane, chloro derivs.
CAS RN:198840-65-2
EC No.:-
化学物質名:Chlorinated paraffins with carbon chain lengths in the range C14-17 and chlorination levels at or exceeding 45 per cent chlorine by weight
CAS RN:-
EC No.:-
この物質は、CASもECもないので、調べようがありません。というか、 Medium-chain chlorinated paraffins (MCCP) の定義(考え方)から抜けがないようにという感じで無理やり感が半端ないですね。
Medium-chain chlorinated paraffins (MCCP) の危険性は何か
これらの物質が、SVHCに入れられた理由は、
PBT (Article 57d) (難分解性、生物蓄積性、毒性)
vPvB (Article 57e) (高難分解性・高生体蓄積性)
です。
既に、個々の物質関してわかるものは上に書きました。
コメント