REACH 制限物質(その7):Entry64

REACH 制限物質(その7)は、Entry64の1,4-Dichlorobenzeneです。

この物質は、SVHCではありませんね。

Entry64 1,4-Dichlorobenzeneの基本情報と物理・化学的特性

この物質は、化学構造式的にはそれほど難しくなく書けますね。

化学物質名:1,4-Dichlorobenzene、1,4-ジクロロベンゼン
化学式:C6H4Cl2
分子量:147.0
別名:パラジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、p-Dichlorobenzene
CAS RN:106-46-7
EC No.: 203-400-5

融点 55℃くらい
沸点 173℃くらい
くらいって何だよって突っ込まないでくださいね。

1,4-Dichlorobenzeneの危険性(概略)

1,4-Dichlorobenzeneは、ECHAのInfocardによれば、水生生物に非常に強い毒性があり、長期的にも影響があると書かれています。また、眼に強い刺激があり、癌の原因となる可能性があるとされています。

日本の職場のあんぜんサイトのSDSによれば、アレルギー皮膚炎のおそれや生殖能や胎児への悪影響のおそれ、内臓への障害のおそれなど結構いろいろな懸念点が書かれています。

一方でこの物質は今のところ認可物質や認可候補物質(SVHC)ではありません。

どこに使われているか

1,4-Dichlorobenzeneの欧州域内の生産輸入は、10,000から100,000t/yであり、結構な量が使用されています。

どこに使われているかと言えば、ECHAのInfocardによれば、消費者向けのものというとエアケア製品とポリマーに使用されているとあります。ここで言うポリマーは、ポリフェニレンスルフィドの原料になっているから書かれているのだと思います。

更には、いろんな場所から見つかるとさていますが、その量は非常に少ないものだと書かれています。例えば、フローリング、家具、玩具、建築材料、カーテン、 足袋、皮革製品、紙・段ボール製品、電子機器などです。こう書かれてしまうとそこいらじゅうに使われているのかとさえ思ってしまいますが、まあ非常に少ない量だと思われます。

それに事業所においてもフィラー、パテ、プラスター、モデリングクレイ、金属表面処理製品、非金属表面処理製品、熱伝達流体などに使用されているとありますが、管理人には何のことやらさっぱりです。

また、他の材料を製造する際の中間体としても利用されるとあります。

一方、NITEのCHRIPによる検索結果における用途には、防虫・防臭剤(衣料用防虫剤,トイレの防臭剤),樹脂(ポリフェニレンスルフィド)合成原料,農薬・樹脂添加剤(紫外線吸収剤)中間体合成原料、有機合成原料,医薬・染料中間体と書かれています。

とはいえ、日本の一般消費者にとって1,4-Dichlorobenzeneのもっとも有名な使い道は、白元アースのパラゾールのはずです。有効成分がもろにパラジクロロベンゼンですからね。

制限条件

1,4-Dichlorobenzeneの制限条件は、以下のように定められています(管理人の翻訳なのであまり当てにしないように)。

物質または混合物が、トイレ、家庭、オフィス、その他の屋内公共エリアで芳香剤や脱臭剤として使用するために上市している場合、物質または混合物の構成成分として、重量比で1%以上の含まれている場合は上市してはならない。

この制限物質は制限範囲が狭い

上の制限条件からすると、欧州でパラゾールは絶対売ることができないんだろうな。これは、管理人の推測ですが、防虫剤だからいいだろうということにはならないだろうと思います。

さて、ポリフェニレンスルフィドのように反応して樹脂になってしまっている場合は、ほとんど残らないので問題ないと思いますが、EUのinfocardにはその他にもやたらといろんなものが書かれています。

管理人は、故意にこの物質を添加して作る材料(中間体としてではなく)は、あまり多くないのではないかと思いますが、良く知らないと言った方が良いでしょう。

どちらにしろ制限は、物質もしくは混合物で芳香剤や脱臭剤、かつ閉じられた空間なので範囲はごく限定的です。