REACH 制限物質(その6):Entry65

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REACH 制限物質(その6)は、Entry65のInorganic ammonium saltsです。

いや無機のアンモニウム塩全部ですか?これって結構普通にある化合物なんですけどどういうこと?

Entry65 Inorganic ammonium saltsの基本情報と物理・化学的特性

Inorganic ammonium saltsは、無機のアンモニウム塩全体をさす言葉なので、色々な化合物が含まれます。

例えば、塩化アンモニウムとか、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等いろいろな化合物があります。

アンモニアは、アンモニア水中でNH4+として一価の陽イオンとして振舞うため、無機酸と反応させると無機のアンモニウム塩を生じます。

過去に試薬として使っていた印象では、水によく溶け潮解性を持つものも多いです(何十年も前の話だ、、、。遠い目)。

窒素肥料として使用されるものもあり、硫酸アンモニウムは、いわゆる硫安です。なのでごくごく一般的な化合物です。

Inorganic ammonium saltsの危険性(概略)

無機のアンモニウム塩全体として、危険性をどれかに固定するということはできないと思います。ECHAのページを見ても、無機のアンモニウム塩全体として何か書いてあるわけではありません。

どこに使われているか

これも、個々の化合物なら何に使われているなどの情報は存在しますが、無機のアンモニウム塩全体となると書きようがないのか存在しません。

いや、じゃあ何で制限物質なってんだよという疑問が出てきてしまします。では、無機のアンモニウム塩の制限条件を見てみましょう。

制限条件

Inorganic ammonium saltsの制限条件は、以下のように定められています(管理人の翻訳なのであまり当てにしないように)。

  1. セルロース断熱材の混合物またはセルロース断熱成形品は、第4項に記載されているテスト条件の下で、体積で3ppm(2,12 mg/m3)以下の濃度のアンモニアの放出になっていなければ、2018年7月14日以降、上市してはならず、セルロース断熱材の混合物もしくは成形品に使用してはならない。

    無機アンモニウム塩を含むセルロース断熱混合物の供給者は、受取りてもしくは消費者に厚さと密度で表されるセルロース断熱混合物の最大許容負荷率を知らせなければならない。

    無機アンモニウム塩を含むセルロース断熱混合物の下流の使用者は、供給者から通知された最大許容負荷率を超えないようにしなければならない。
  2. 第 1 項は、セルロース断熱材の成形品のみに使用することを意図したセルロース断熱材の混合物を市場に出すこと、又は セルロース断熱材の成形品の製造にそれらの混合物を使用することには適用されない。
  3. 2016年7月14日に、第129条(2)項(a)に基づき欧州委員会の承認を受けた国内暫定措置を実施している加盟国の場合、第1項及び第2項の規定は、その日から適用されるものとする。
  4. 第 1 項の最初のサブパラグラフで指定された排出規制値の遵守は、技術仕様書 CEN/TS 16516 に準拠しており、以下のように適用されます。
    (a) 試験期間は、28 日間に代えて少なくとも 14 日間でなければならない。
    (b) アンモニアガスの排出量は、試験期間中、1日1回以上測定しなければならない。
    (c) 試験中に行われる測定において、排出限界値に達したり、超過したりしてはならない。
    (d) 相対湿度が50%に代えて90%であること。
    (e) アンモニアガスの排出量を測定するための適切な方法を用いること。
    (f) 試験されるセルロース断熱材の混合物又は成形品のサンプリング中に、厚さ及び密度で表わされた装填率を記録しなければならない。

この制限物質はセルロース断熱材だけに適用される

上の説明で見てきたように、このEntry65のInorganic ammonium saltsは、セルロース断熱材にのみ適用されるものです。また、その理由は、アンモニアが放出されてしまうからというものです。

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