Q&Aの3回目は、chemSHERPA-CIでデータをもらい自社からはchemSHERPA-AIのデータを顧客に渡す場合に関するものです。
何せ現時点では、chemSHERPA-CIのデータをchemSHERPA-AIでは読み込めません!
顧客に渡すデータは自社の製品に含まれる化学物質のデータ!
まず、最初に認識しなければならないのは、顧客に渡すchemSHERPAのデータは、自社の製品に含まれる化学物質のデータだということです。
「そんなの当たり前だろ!」という声が聞こえてきそうですが、現実にはそうではない場合あるということを、管理人はセミナーや相談で聞いています。
例えば、自社の製品に塗膜を塗る場合や、インクを使って型番などを印字する場合、自社の製品上に塗り終わった状態は、購入した塗料やインクの状態と異なっているのが普通です(溶剤部分は揮発するとかね)。
しかしながら、材料を購入の際にもらうchemSHERPAのデータは、塗料やインクのchemSHERPA-CIデータのはずです。当然溶剤などの塗布したらなくなってしまう成分も書かれています。
このchemSHERPA-CIデータを何も考えずに丸ごとコピーして入力するため、自社製品を顧客に渡すchemSHERPA-AIデータにも本来入っているはずのない溶剤のデータまで含まれてしまっているデータになることがあるようです。
一方で、メッキメーカーに対しては、メッキに使用している薬剤のchemSHERPA-CIデータまで要求される場合もあったようです(今は無くなってるかな)。
メッキメーカーとしては、メッキ膜を形成して製品を納入するわけで、付加されるものは、金メッキなら金でしかありません。
このように、現実にはいろいろと理解不足による問題も起きます。
自社の出荷する製品に含まれている化学物質の情報を伝達するのが、chemSHERPAであると覚えておきましょう。
chemSHERPA-CIデータの受取りがpdfやExcelなんだけど
chemSHERPA-CIでデータをもらい、AIで出力する場合において、聞く話がもう一つあります。
それは、chemSHERPA-CIのデータが、データファイルであるshciファイルではなく、EXCELやpdfで届くというものです。
「いやなんの為に電子化したんだよ!」という話になりかねないのですが、現実には現時点では、あまり障害は生じないはずです。
その理由は、chemSHERPA-CIのデータをchemSHERPA-AIでは読み込めません!だからです。
つまりどちらにしろchemSHERPA-CIのデータをプログラムで開いてそれをchemSHERPA-AIに手動で書き写すか、pdfやEXCELで出力して、それをみてAIを作成するかということになります。
システム的に変換するプログラムなどを導入している場合は別でしょうが、そうでなければ、現時点では、CIデータを基に自社製品のAIデータを作成する場合は、とても面倒な工程を経なければなりません。
皆さん、色々な工夫をして省力化していることとは思いますが、本質的な部分は変わりません。
CI→AI変換ツールの要望は高い
上記のようなことがあるので、JAMPが行う普及度調査においては、その自由意見のなかで、⼊⼒⽀援ツールの要望(CI→AI変換ツール、EXCEL簡易⼊出⼒など)は、ぶっちぎりのトップになっています。
現時点においては、工程上の化学品から成形品への変化工程においてはいろいろな成分変化、化学変化が起きるため、CI-AIの自動変換を作ってしまうと誤りが多くなってしまうという(上に例を出しました)懸念のため、CIとAIは互換性が無いと聞いていました。
ですが管理人は、これほど要望が高いので事務局は考えざるを得ない、次の大きな改定時には実装されるか、単体でリリースされるのではないかと思っています。
ただ、この際にはやはりきちんとしたサプライチェーン全体の理解が無いとうまくは行かなくなってしまうでしょう。
原材料メーカーにおいては、未だに電子データなんか出したくない(改ざんされる)とか、川中企業がCI-AIの変換の際に間違える、川下側が必要以上の要求をするなどが起こると、情報伝達精度は落ちてしまいます。
その教育というか力量形成もセットになったプログラムが望まれます。
コメント
chemSHERPAを逆にpdf(紙)で提出してくださいという客先もあるのですが、どういう使われ方をするのか知りたいです。
弊社ではpdf(紙)提出がデフォルトと決めてしまったので、何も指定しないと紙提出になるのですが特段の苦情は頂きません。
ですので、pdf・ファイル双方を準備するため改訂の際は丸2日作業で更新を行います。
パンチ様、コメントありがとうございます。管理人です。
chemSHERPAをpdfですか?管理人判りかねます(^^;。
それは、多分、パンチ様の会社が原材料に近いかなり上流側にある会社だからなのだろうと推測します。
川中以降でそれをやられたら、データ集積上たまったものではありません。