あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします
あけましておめでとうございます。本年もブログ「化学物質管理の話」をよろしくお願いします。
昨年末に書きましたが、今年から記事の更新は、おおよそ週1回になる予定です。
それでは、昨年もやりましたが、管理人が勝手に考える今年の成形品に関する化学物質管理における注目内容を記載したいと思います。
今年の内容の前に昨年の振り返り
今年の管理人の好き勝手な注目内容の前に、昨年1年間で当ブログで読まれた記事Top10(Homeページやカテゴリーページは除き記事のページのみで順位付け)は、以下のようなものです。
第1位 shaiとかshciという拡張子のファイルを開くにはどうするの?chemSHERPA超入門(その1)
第2位 chemSHERPA(ケムシェルパ)で化学物質情報くれと言われたら
第3位 chemSHERPAとは何ですか?
第4位 REACH認可候補物質への追加5物質(第30次SVHC)が2024/1/23に公表されました
第5位 遵法判断情報画面にはどんな情報が書かれているの(1)?chemSHERPA超入門(その6)
第6位 chemSHERPA物質リスト(Ver.2.10.00)の改訂とchemSHERPA V2R1.00.0公開予定が発表されました
第7位 chemSHERPAでCIデータをもらいAIで出力する場合どうするのか(QA3)
第8位 shciという拡張子が付いたファイルが開けない:chemSHERPA Tool
第9位 TSCAとは何か?(その1)
第10位 chemSHERPA V2R1.00.0を見ていこう(1)
こう見てみると、例年と同じくchemSHERPA関係の記事が、8記事もTop10に入ってきています。
基本的な内容の記事は、例年通り上位にあるのですが、それ以外にchemSHERPA V2R1が昨年リリースされたために、その記事にも結構アクセスがあることがわかります。
昨年の管理人の予想はいまいちかも?
昨年の年初めに管理人がやった予想では、以下の項目をあげていました。
- フッ素系化合物(PFAS)についての動向は、今年も引き続き注意
- 欧州の化学戦略による各種規制見直しについて
- 労働安全衛生法については実行あるのみ
- その他の規制について(POPs条約、東南アジアやトルコ、インドなどのアジア系の国々、南米や南半球の国々)
これらの項目は、まあ当たっている部分はあるものの、思いのほか進捗は遅かったというのが印象です。
ですが化審法にデクロランプラス及びUV-328が追加されたことによる影響が、業界において結構大きいことは予想外でした。
また、日本におけるPFASの報道や、循環経済(CE)の議論も管理人が考えるより盛り上がっていた印象です。
またTSCAのPIP(3:1)の取扱いについても規制内容は確定しましたが、解釈については注意が必要です。
それでは、今年の予想を考えてみます。
フッ素系化合物(PFAS)についての動向は、今年も引き続き注意
フッ素系化合物、PFAS(PerFluorinated Alkyl Sulfonates)の動向は、今年も注意が必要です。
EUのREACH規則における制限物質への追加プロセスは、意見出しに対する対応が思ったより全然進んでいません。そりゃ5600以上あればね。ですが何らかの情報が当局から出るはずです。対応を考える必要があるでしょう。
その他にアメリカのEPAの動きや各州法の動きだけでなく、各国の動きにも注意が必要と考えます。
欧州の動きに追随する国があってもおかしくありません。
欧州の化学戦略による各種規制見直しと今後
欧州の欧州の化学戦略による各種規制見直しは、今年も進捗があるはずです。CLPは、昨年末に改正する最終規則が欧州連合官報で公布されました。
更には、持続可能な製品のエコデザイン規則(EU) 2024/1781:ESPR1も成立しています。
欧州の化学戦略は、今後も「1 つの物質、1 つの評価」という概念のもと各種規制の見直しや評価が行われていくことでしょう。
進捗が早いわけではありませんが、EUは遅くはなっても確実に実行してくるので気を付けておく必要があるでしょう。
POPs規則は、要注意かも
POPs規則については、POPs条約残留性有機汚染物質検討委員会第20回会合(POPRC20)の結果についてでも述べましたが、
- 長鎖PFCA、その塩及び関連物質
- 塩素化パラフィン(炭素数14~17で塩素化率45重量%以上のもの)
- クロルピリホス
- ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフラン
が検討対象になっています。
今年は、締約国会議(COP)が行われる年で4-5月にジュネーブで開催されますので注意しておきましょう。
その他の規制について
TSCAの影響は、成形品への規制や報告など範囲が拡大しており、今までのように知らないでは済まない状況になってきています。TSCAは、非常に分かりにくい(管理人も良く解らない)構造をしているので、内容を正確に把握する努力が必要です。
その他にも、オーストラリアや南米などでも化学物質規制が活発になると予想されます。
どれほどの影響があるかわかりませんが、取引のある国についての情報収集は怠らないようにしましょう。
もう一点、PFASの件は、日本でも今後も話題になるでしょう。水質に関する規制化は確実に行われると言ってよいでしょう。
ただ、国内においては、それ以上のことは起こらないかもしれません。化審法で既に規制しているというのが入り口側に対する国の言い分になりそうです。ただ、ストックと使用に関する規制はどうなるかよくわからないのも事実です。
いつものお願い
今年は更新頻度は、特別なことがなければ、基本週1回の予定です。更新頻度は、昨年の1/2程度ですが、読んでいただければ嬉しいです。
最後にいつものお願いです。当ブログはリンクフリーです。サプライチェーン上の化学物質管理や情報伝達は、ものの売買をするお互いの理解と協力が不可欠です。その点において当ブログが少しでも役に立つのと思われた方は、皆様のサプライチェーン上に当ブログの拡散をお願いいたします。
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