今回の条約、法規いっちょかみ（その30）は、REACH（その17）です。
今回は、前回の制限の説明の続きで第70条からになります。
いつものことですが、正確な内容は、当然ですが原文を参照してください。
第70条 Agency opinion: Committee for Risk Assessment（ECHAの意見：リスクアセスメント委員会）
第70条は、リスクアセスメント委員会について書かれています。
第69条(6)で記される公表日から9か月以内に、リスクアセスメント委員会は、提案された制限が人の健康及び／又は環境に対するリスクを低減する上で適切であるかどうかについて、一式文書の関連部分の検討に基づき意見をまとめなければならない。この意見は、加盟国の書類、または欧州委員会の要請によりECHAが作成した書類、および第69条(6)(a)で言及された利害関係者の意見を考慮するものとする。
第71条 Agency opinion: Committee for Socio-economic Analysis（ECHAの意見：社会経済分析委員会）
第71条は、社会経済分析委員会について書かれています。
- 社会経済分析委員会は、第 69 条(6)に規定する公表日から 12 か月以内に，文書の関連部分及び社会 経済的影響の検討に基づき、提案された制限に関する意見をまとめなければならない。同委員会は、第 69 条(6)(b)に従った分析又は情報がある場合はそれを考慮し、提案された 制限及び関連する社会経済的影響に関する意見案を作成しなければならない。ECHAは、遅滞なく、意見案をウェブサイトに公表するものとする。同庁は、意見案の公表から 60 日以内に、意見案について意見を述べるよう利害関係者に求めるものとする。
- 社会経済分析委員会は、設定された期限までに受領した更なる意見を必要に応じて考慮し、遅滞なく意見を採択するものとする。この意見は、第69条(6)(b)及び本条第1項に基づいて提出された利害関係者の意見及び社会経済分析を考慮するものとする。
- リスクアセスメント委員会の意見が提案された制限から大きく乖離する場合、ECHAは、社会経済 分析委員会の意見の期限を最大 90 日間延期することができる。
第72条 Submission of an opinion to the Commission（欧州委員会への意見書の提出）
第72条はECHAの制限に関する欧州委員会への意見書提出について書かれています。
- ECHAは、物質単体、混合物又は成形品に含まれる物質について提案された制限に関するリスクアセスメント委員会 及び社会経済分析委員会の意見を、遅滞なく欧州委員会に提出しなければならない。委員会の一方または両方が、第70条及び第71条(1)に定める期限までに意見をまとめない場合、同庁は、理由を記載した上で、委員会にその旨を通知しなければならない。
- 第118条及び第119条を損なうことなく、ECHAは、2つの委員会の意見を遅滞なくそのウェブサイトに掲載するものとする。
- ECHAは、要請に応じて、欧州委員会および／または加盟国に対し、同庁に提出された、または同庁が検討したすべての文書および証拠を提供するものとする。
第73条 Commission decision（欧州委員会の決定）
第73条は、欧州委員会の決定について書かれています。ここで、制限案が決まります。
- 第68条に定める条件が満たされた場合、欧州委員会は、社会経済分析委員会の意見を受領してから3ヶ月以内、または同委員会が意見を述べなかった場合は第71条に基づき定められた期限の終了までのいずれか早い日までに、附属書XVIIの改正案を作成しなければならない。
改正案が最初の提案から乖離する場合、または、同委員会の意見を考慮しない場合、欧州委員会は、その理由の詳細な説明を付記しなければならない。 - 最終決定は、第133条(4)に規定する手続に従って行われるものとする。欧州委員会は、投票の少なくとも45日前までに、改正案を加盟国に送付するものとする。
制限の部分は終わりで次回から簡易説明です
今回で制限の部分については終了です。
次回からは、手数料や欧州化学品庁についての条項なども出てくるので簡易な説明にする予定です。
以下、免責事項
このシリーズわかり易くするために砕けた表現などを使っていますが、規制にそんなものはあるわけがありません。正確性が欠ける場合があります。
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