前回から、いくつか管理人が見聞きしたというか質問を受けた内容も含め、特定される部分は除いて書いています。
対応方法は、様々だと思うので具体的には書けませんが、多少でもヒントになればよいかなと思います。
今回の疑問(?)は、「取引のある会社から見妙に(もしくは大きく)違う要求が来る!」です。
みんな同じ事を聞いてくれれば楽なのに
だれしも思うのが、「みんな同じ事を聞いてくれれば楽なのに」ということだと思います。
管理人が講師をしているセミナーなどでも、「いろんな要求が来るんですよねー。」という話はよく聞きます。
曰く、
- chemSHERPAでデータを下さい
- IMDSもしくはJAPIA統一シートでデータを下さい
- RoHSの適合宣言、もしくは保証書を下さい
- 第○○次のSVHCについて聞かれる
- PIP(3:1)とかPFOA関連物質とか個別物質について聞かれる
- etc
これとは別に顧客のグリーン調達基準を満たしているかどうかの担保の書類を出してと言われることもあると思います。
特に微妙に違う要求は、グリーン調達基準がもとになっていることも多いです。
これに関して言えば、当ブログでは、2年半ほど前の古い記事ですがグリーン調達基準の読み方(その1)はじめにからグリーン調達基準の読み方(その20)内容編その8まで20回にわたって記事を書いていますので、参考にしてみてください。
あまりにも色々違うせいか、ある方は「法律でこれだけ出せばOKとしてくれればいいのに」とまで言っていました。いや、さすがにそれは違うだろ、、、。
なんで同じことを聞いてくれないのか
みんな同じ事を聞いてくれない理由は、いくつもあります。
一番大きい理由は、「業界によってかかっている規制が異なる」ことがあります。
自動車業界では、欧州の廃自動車指令(ELV指令)に対応しなければなりませんが、電気電子業界はRoHS指令です。また、食品関係では、食品衛生法で食品用器具・容器包装に対してポジティブリストが決められています。
このように、法規制が異なるために自社の製品はどの規制にかかるかを考えるとおのずと違いが出てくるというのがあります。
だったら、同じ業界くらい統一してくれたっていいじゃないかと思うかもしれません。
これは、ほぼ出来ている業界があります。それは、自動車業界です。自動車業界は世界中(中国を除く)でIMDSというシステム、フォーマットとGADSLという宣言するべき物質が統一されています。
みんな同じ事を聞いてくれない理由は、 まだあります。
突然、問題となるような物質、今年でいえばPFOA関連物質やPIP(3:1)のような今まで管理範囲に入っていなかった物質が出てきた場合、その対応をどうするのかは各社によって異なるので当然違いが出てきます。
更には、上にリストしたような聞き方(もしくは聞かれ方)は、各社が自らの考えで決定しているのですからなおさらです。
それらが、サプライチェーン上を流れてくる間にいろいろ足されたり変形したりするので、同じにはならないわけです。
結局、どうすればいいの?
管理人は、「取引のある会社から見妙に違う要求が来る!」 については、今のところ解決はできないと思っています。
これを解決するには、全ての企業が全成分開示すればいいのかもしれませんが、知的財産の関係でそんなことは絶対にできません。
このようなことを多少たりとも解決するために、IMDSやchemSHERPAなどの標準フォーマットが決められているわけですが、それでは複雑すぎると思う業界もあるかもしれません。
聞かれる方々は大変だと思いますが、人と工数と金を無尽蔵にはかけられないわけですから、自社にとって最善の方法は何か考えて対応する必要があると思います。
コメント
こんにちは。
微妙に異なる要求・・・確かに困りますが、100歩?1000歩くらい譲って仕方ないとしても
この時期に【緊急】等のタイトルがついてTSCAの調査依頼が来たりするのは何故なんでしょうね。。。
まぁ、添付されている資料も2月時点とかだったりするとあちこち巡ってきたのかなぁ、と感慨深くもなりますが・・・
ドン様、コメントありがとうございます。管理人です。
この時期に【緊急】等のタイトルがついてTSCAの調査依頼、うーん、忘れててせかされたとかですかね。
サプライチェーン上の情報のやり取りって、自分と付き合っているところしか一般にはできませんからね。
推測の域でしかないですよね。