不使用証明書、不使用保証書とは?
製品化学物質の情報伝達に良く用いられる書類として、不使用証明書とか不使用保証書とかいうものがあります。これはいったい何でしょうか?
今はネットである程度何でもわかる時代なので、検索エンジンで”不使用証明書”と入れて検索し、サイトではなく、画像で検索してみるといくつか実例を見ることができます。
とはいえ、検索されて出てくる画像は、RoHS指令物質不使用証明書とか不使用確認書とかの名称が多い気がします。また、分析の結果報告書もちらほら確認できます。
管理人の頭の中では、納入先の顧客がどのような化学物質の管理を行っているかによって、要求される書類は変わるのですが、単に不使用証明書(不使用保証書、不使用確認書等の名称もあります)と言われる文書は、顧客の提示した化学物質に関する規定(グリーン調達基準に含まれるのが一般的)を満たして禁止されているような物質は使用していないことを示す書類と考えています。そしてその対象は一つ一つの納入品(自社にとっては製品)であって、会社から顧客に納入される全製品ではありません。
RoHS指令に関しては、 電気電子業界の場合、顧客から提示される規定に含まれる場合がほとんどです。ですので、普通は○○社向けに不使用証明書を出す場合は、RoHS指令より広い範囲を含む場合がほとんどです。
RoHS指令物質不使用証明書とは
RoHS指令物質不使用証明書は、不使用確認書とか不使用保証書とか対応確認書とか色々呼び方はあるようですが、どれも意味は同じです。
これらは、RoHS指令の対象10物質に対してその制限値以下であることを確認したという書類になります。
対象10物質は
- 鉛およびその化合物
- カドミウムおよびその化合物
- 六価クロム
- 水銀およびその化合物
- デカブロモジフェニルエーテル(PBDE)
- ポリブロモビフェニル(PBB)
- フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)
- フタル酸ブチルベンジル (BBP)
- フタル酸ジブチル (DBP)
- フタル酸ジイソブチル (DIBP)
どんな内容が不使用証明書には書かれるのか
不使用証明書は、顧客側から形式が示される場合もありますが、RoHS物質不使用証明書などは、発行する側が用意しておく場合も多いので、書式は色々です。
ただ、以下のような項目はほとんど書かれている場合が多いはずです。
- 宛先(納入先名)
- 発行日時
- 書類番号
- 対象となる製品
- 対象とする化学物質
- 不使用であること確認したという旨の文章
- 会社及び発行した部署の名前とその責任者の名前(所在地、連絡先を含む)
- 印
もちろんその他に、お問い合わせ先を書いていたり、製品や調査の範囲や条件などの付帯事項を書いてあったりします。
不使用証明書と分析結果報告書は異なる
不使用証明書は、分析結果報告書と同じようなものだと思っている方がいるかもしれません(いないか)。ところがこの二つは、かなり性質の異なるものです。次回は、分析結果報告書の解説と不使用証明書との違いを見ていきましょう。
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