chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうの9回目です。
さて、第24次のSVHCも公表されましたし、後1か月後くらいには、chemSHERPAは、Ver.2.03になるはずです。そこで、修正される課題もあるはずなので、Ver.2.02に関しては、終わっていいかなと考えています。
スイッチの例で作成されたSCIP情報画面
Fig.1とFig.2は、今までこのシリーズでやってきたスイッチの例で作成された成分情報および遵法判断情報におけるSCIP情報画面です。
前回までにやったじゃん、というのはちょっと待ってくださいね。
成分情報画面でArticleフラグをonにした画面とスイッチの構造
次に確認するのは、スイッチの成分情報画面でArticleフラグをonにした画面(Fig.3)です。
そして、以前も載せたのですがスイッチの構造です。
Article as suchの定義とchemSHERPAの原部品
chemSHERPAのHPのツール技術情報/データ事例サンプルにあるSCIP対応ガイドライン_v1.1の説明によれば、「chemSHERPAでは、SCIPに登録するアーティクルの最小単位『Article as such』をchemSHERPAにおける『原部品』と捉えてデータ作成を行います。」とあります。原部品の定義は、同じくchemSHERPA HPの説明資料のchemSHERPA製品含有化学物質情報利用ルール(Ver.1.4)に書いてあります。
これらの説明を見ると原部品は、ある種の曖昧さを認めていることがわかります。今回の例題で出したスイッチは、これ以上分解すると目的とする機能を果たせなくなるため、原部品ということができます。
従って、chemSHERPAにおいては、SVHCの含有量の分母としては、このスイッチの例の場合、スイッチ全体の重さである0.286gが使用されます。
鉛含有率の計算式としては、
77.63(ターミナルの快削黄銅の重量)×0.02(快削黄銅中の鉛の割合)÷286(スイッチの重量)×100(%へ変換)=0.543%
となります。この場合、鉛含有量は、0.1wt%を超えるためSCIPでの報告が必要です。
一方、もしこのターミナルの重量が非常に少なかったり、ステムの重量が非常に大きかった場合は、鉛のスイッチ全体に対する重量が0.1wt%以下になってしまうことも考えられます。
この場合は、鉛の含有は報告されても、SCIP情報は報告されないということが起こりえます。
いやいや本来のArticleの定義から言えば、ターミナルもArticleだろと言っても仕方ないことです。
chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その6)を見ていただくと分かるのですが、SCIPで報告すべきArticle Categoryは、TARIC(HSコードの欧州版)以上に細かくはならないのです。
どう判断するかは、今考えてもしょうがないけど、最終的には司法にゆだねられることになるんでしょうね。
chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうのシリーズは今回で終了
冒頭に書いた理由で、chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこうのシリーズは、今回で終了です。次回のchemSHERPAに関するシリーズは、いつになるかわかりません。Ver.2.03が出たらある程度の紹介はすると思いますが、大きな変更がなければシリーズ化しても意味がないので。
もちろん、皆様からこれがわからんから解説してくれというものがあれば、わかる範囲で解説しようとは思います。
コメント
こんにちは。
きょうはエラーのお話です。
「成分情報画面の部品質量合計が、基本情報画面の製品質量を超えています。」
何度成分情報画面の質量を足し算しても画面上部(=基本情報画面も同じ)の製品質量と同じになるのに上のエラーが消えません。
どうしたものでしょうか?