chemSHERPAデータ作成支援ツールV2R1_beta3 のことがあったせいで、chemSHERPA HPのその他の項目に目が行っていなかったのですが、新しい情報がいくつか出ています。
今回は、2024年6月19日に発表された「ゴム成形製品 カイダンス」(第1版)について見ていきたいと思います。ガイダンスじゃなくてカイダンスなんだ。
英語はGuidanceが使われているから、ガイダンスだよね。以下カイダンスは全部ガイダンス表記します。英語が正なんだろうし。
ゴム成形製品 ガイダンス(第1版)とは何か?
今回、発表されたゴム成形製品 ガイダンス(第1版)は、化学物質の情報伝達に関するガイダンスの一つです。
製品含有化学物質の管理や情報伝達においては、日本では、JISが決められています。
JIS Z 7201:2017 製品含有化学物質管理―原則及び指針
必要な方は、日本規格協会から買ってください。
その下に、実は、このJISの基になった製品含有化学物質管理ガイドラインが存在します。現在、第4版です。
こちらは、chemSHERPAのHP中の管理ガイドラインのページに存在します。
更に、実際の製品含有化学物質の管理や情報伝達においては、個々の業界や分野に置いて違いがあるため、より具体的なやり方をJAMPと業界や団体の方と決めたガイダンスが存在します。
ゴム成形製品 ガイダンス(第1版)は、そのガイダンスの一つという位置づけになっています。
このガイダンスの一つの特徴は、その作成にあたってJAMP タイ分科会の方が参加しているということです。これにより、この文書の正の文書は、英語版になっています。
今までの、chemSHERPA関係の文書は日本語が正のものが大部分ですが、こちらは異なるので注意しましょう。
ゴム成形製品 ガイダンス(第1版)には何が書かれているのか?
では、このゴム成形製品 ガイダンス(第1版)には何が書かれているのでしょう。
DLして読んでもらえばそれまでなのですが、その構成要素と注意すべきポイントを見ておきましょう。今回の解説に関しては、日本語版を基にしています。
文章全体は16ページです。そのうち2ページは表表紙と裏表紙です。
更に、前書きと検討メンバー、目次にそれぞれ1ページが割かれています。実際に書かれている内容は、以下のものです。
- ゴム成形製品における製品含有化学物質管理
- 本ガイダンスの位置づけ
- 用語の定義
- ゴム製品の製品含有化学物質管理と情報伝達の現状
- ゴム成形製品の生産プロセスの概要とゴム成形製品の材料成分と製品成分
- 製品含有化学物質情報の作成事例(chemSHERPA-CI 及び chemSHERPA-AI)
となっています。
まず面白いと思ったのが、本ガイダンスの位置づけで、ゴム製品メーカーへのchemSHERPA-CI 及び chemSHERPA-AI作成の指針と記載事項の意識共有が書かれていることです。
これは、ゴムの成形プロセスにおいては化学変化があるため、実際には色々な書き方がされてしまっていたということなのかと思います。
実際に、どういう意図で書かれているのかわからない時があったんだろう、もしくは誤解して伝えたり伝わったりしていたのだろうということが推察されます。
この辺りは、4.ゴム製品の製品含有化学物質管理と情報伝達の現状にまあ、うまくまとめて書かれています。
実際に実務者が役に立つのは、5. ゴム成形製品の生産プロセスの概要とゴム成形製品の材料成分と製品成分と6. 製品含有化学物質情報の作成事例(chemSHERPA-CI 及び chemSHERPA-AI)だと思います。
5.1として、ゴム成型品までの生産プロセスの代表例が書かれていますし、5.2の材料成分と製品成分では、ISO 4097に書かれている標準配合を例にしながら、生産プロセス中で変化するのかしないのかが書かれています。
6.には5.で使った例を基にどのようにchemSHERPAが作られるのかCIの例とAIの3パターンの例が載っています。
同じCI情報から、異なった3つのAIが作られているわけですが、どれも間違いというわけではありません。
これを見るとなんでこんなに違うんだと思う方がいるかもしれません。目くじらを立てる人すらいるかもしれません。
でも、そんなもんなんです。
他の公開資料もそのうちに
6月19日には、他の資料も公開されていますので、いつかそれも見ていこうと思います。
今回の、ゴム成形製品 ガイダンス(第1版)は、実際に作られるchemSHERPA-AIの3つのパターンが書かれており、とてもいい資料だと個人的には思っています。
必ず一意に決まると思っていて、許せない人がいないか管理人はとても心配です。
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