皆さま、こんにちは、管理人です。
製品化学物質管理における経験や事例シリーズの第4回目です。
このシリーズは、2002年1月(もしくは、2001年11月or12月)から製品化学物質管理に関わってきた管理人が経験したことや事例を書いていくものです。
さて、今回のお話は前回のPOPs条約への対応から、時間をかなり遡ります。そして、今回の話は、化学物質の話とは多少毛色が異なり、会社生活の話かもしれません。
グリーンパートナー制度
今回のお話は製品化学物質管理における経験や事例(その1)くらいの時期に戻ります。
当時のグリーンパートナー制度についての内容や顛末は、上の記事の中にある、日経クロステックの記事にある程度書かれているので、それを読んでください。
えっ?説明が足りない?この記事の本題はそこではありません。
どの部品がもう大丈夫なんだよ!
上の記事を読んでどう思いましたか?
カドミウムが検出されたのは、PS oneの周辺機器からです。ですけれど、その周辺機器を構成している材料は、他の部品にも使用されている可能性があるはずです。
実際に当時、XRFでいろいろな部品を測定してみると、当時のプラスチック材料や線材、着色剤など本当に色々な部品にカドミウムが入っていることが分かったのです。そして、当時は測定をしてみないと分からないのだから、測定による証拠が必要だという考え方が主流になります。
これにより日経クロステックの記事にある分析機器の特需が起こります。
当然ながら、この活動においてカドミウムが含まれている材料部品をカドミウム非含有のものへの切り替えが行われます。すると必要になるのが、どの部品は今はまだ未対応で、どの部品がカドミウム非含有のものがあるのかということを知るためのデータベースです。
管理人は、製品化学物質管理における経験や事例(その1)で製品化学物質管理に関する最初の仕事は、技術標準を作ることだったと書きました。
そして、次に言われたのが、部品の化学物質の状態(当時はカドミウム非含有に対する未対応、対応)に関するデータベースを作ることでした。
ITを全く知らないやつがDBを作る?
それを言われたときの管理人は、もうほとんどパニックでした。ITや情報処理の知識は皆無(こちとら化学は多少わかってもそんなこと知るか!)、DBってどういうもの?正規化って何?という状態です。
しかも半年で作れって、もうわけわからん状態です。これは今考えても無理難題も良いところだったと思っています。だってそんなもの今まで世の中に存在しなかったんですから。
幸い、ITやDBの知識を持っている人をチームに加えてくれたので、まあなんとなくなチームリーダーを務めることはできました。
でもね、IT業界の言葉や意味が全くわからないのですよ。そういうやつがDBを作るとこういうやり取りになるという典型的なことがこのDBを作るときに起きました(^^;。
管理人は、「こういうことがしたいんですけど」と言うと、DBの開発を請け負ってくれているメーカーの人には「何を言ってるかわからない┐(´д`)┌」という顔をされてしまいます。メーカーの人が言ってることは、管理人には「えっ?何言ってんのコイツ」ということがしばらく続きました。
チームの人にも「あれじゃわからないですよ、どういう場合どう言う処理をすればいいのか仕様に落とし込まないと!」と言われる始末。「いや、やりたいことは言ってるじゃん ( `Д´)ノ 」と管理人。
実際のことを言えば、情報処理の人は実際の業務フローをプログラムに落とし込むので、ある処理はどういう判断をするのか書かなきゃわからないわけです。それを管理人がわかってきたのは、開発もかなり進んでからでした(申し訳ないことをした)。
とは言え、最初の予定からちょっと遅れてDBがリリースされました。
いろいろ欠点はあった、でもそこまで言わなくていいじゃない(;_;)
もちろん、DBの開発に当たっては、使う人の意見をある程度聞いてやっていました。しかし、何せ製品化学物質管理に対応する世の中に無いようなDBなので、当初色々欠点を含んだままリリースされたのは事実だったと思います。
リリースしてみると、使いづらい、ここはこうしてくれ、結局役に立たないじゃないかという、罵詈雑言に近いものを使う人や関連部署から言われました。
結構つらかったですね。チームのみんなにも迷惑かけたと思います。
そこから、何回もリバイスを繰り返し、少しづつではありますが使えるシステムになっていきました。DB開発時のあるあるかもしれません。
上司の言葉に救われた
ここからの文は、製品化学物質管理そのものとは全く関係がありません。でも、管理人にとっては思い出深いことでこれなくしてはこの話は終われません。
当時管理人は、いろんな人から毎日のようにDBについていろいろ言われ落ち込んでいたと思います。
その時、自分の上司である人が言ってくれた一言が管理人を救ってくれることになりました。おかげで最後まで折れずに済んだと思います。
「なあ、DBやシステムなんてものは、結構いいものを作ったって必ず色々文句を言うやつはいるもんだ。だから、51%の人が作ってもらってよかったと思ってくれるならそれで十分だ。」
この言葉は、今でも管理人の頭にずっと残っています。
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