皆さま、こんにちは、管理人です。
製品化学物質管理における経験や事例シリーズの第2回目です。
このシリーズは、2002年1月(もしくは、2001年11月or12月)から製品化学物質管理に関わってきた管理人が経験したことや事例を書いていくものです。
管理人は、2013年には30数年勤めた会社を辞めています。当たり前なのですが、辞めたら会社の物や文書はおいてこなくてはなりません。持ち出したらえらいこっちゃ。
ですので、すでに記憶が曖昧なところもあります。ただ、外部に発表した文書などはある程度分かっているので、それらの情報をつなげて書くことになります。
ですので、今後もこのシリーズで書く内容は、管理人の記憶違いもしくは思い込みによる間違いはある可能性があります。そんなに昔のことは覚えちゃいねえよ(^^)。
さて、今回のお話はRoHS指令への対応です。
RoHS指令6物質への対応は2004年から本格化
RoHS指令の施行は、2006年7月からなのですが、当時制限されると分かっていた6物質に関する対応は、2004年から本格化し始めました。その前は主に無鉛はんだを含む鉛のコントロールが主に行われました。
このように対応が本格化したのは実際の指令の施行の2年以上前です。
当時は、RoHS指令の説明をしても、まだまだ「何ですか、それは?」というメーカーさんもいたのです。
現在は、規制情報もすぐ手に入るし、化学物質管理の仕掛けも関係ある業界の中では全くやらないというところはほぼない状態になっているので、化学物質の情報の入手も当時に比べれば圧倒的に早くなっています。
2004年当時は、今とは全く違う状況でした。
どのようにRoHS指令6物質の制限へ対応していったのか
管理人のいた会社は、最終製品のメーカーでもあったので、2006年7月施行のRoHS指令に対しては以下のような対応が取られました。考え方だけです。
- 2006年7月に欧州で上市される製品は、全てRoHS指令に対応しなければならない。
- 船便でのアジアの工場生産品の輸出や在庫期間を考えると2006年1月1日以降に生産される製品は、RoHS指令対応品でなければならない。
- 順次RoHS指令対応品に切り替えるためには、部品は更に前にRoHS指令対応してもらう必要がある。そうでなければ、部品在庫や切り替えを考えると製品としてのRoHS指令対応はできない。
このような考え方により、当時の化学物質管理に関する技術標準(部品・材料における環境管理物質 管理規定(SS-00259))にはRoHS指令で制限された6物質を含まない(適用除外を除く)部品の納入は、2005年1月1日以降納入禁止ということが記載されました。
会社単位、部品単位での確認作業が行われる
しかし、技術標準に書いたから納入される部品がそうなるというものではありません。まだ、RoHS指令に対応できていない部品を切替えてもらう、根拠となる文書やデータのないものに対して、それを確認するという作業をしなければなりませんでした。
新規に発注する部品に対しては、技術標準に対応してもらうことをお願いするので、それなりに順調に進んでいきました。
しかしながら、既に定常的に購入していたり、過去に買って在庫品を使っている部品ではそうはいきません。
このために、部品を納入してもらっている取引先の会社単位で、部品を確認し、対応しているかどうかを確認する作業が始まりました。つまりは、既存部品に対する調査です。
この作業は、当時はまだ業界全体に対応が完全に広まっていなかったので難航を極めました。
2005年1月1日の期限が迫っても、まだ確認できないものや、切り替えが期限以降なってしまうので何とかしてくださいというものも現れました。
この対応に対する特別チームが作られ、最後の最後まで未対応部品をなくすための努力が続けられました。多くはないものの、切り替えが期限までに間に合わないものは特別管理下に置かれ、切り替えの確認が終わるまでフォローすることが実行されました。
部品をRoHS対応させた後は製品の対応
このようにして部品をRoHS指令対応に切り替えることを行いつつ、自社で生産する製品をRoHS指令に対応にしなければなりません。
その際の話は、どの程度書いていいのかわからないので、ここでは書きません。
ただ、ここで書いたような対応は、新たに規制物質が追加される際に起こります。例えば、RoHS指令にフタル酸エステル4物質が加わると分かった際に起こったはずです。
切替えにあたっては、品質のチェックなどを伴う場合も多いので、時間がかかる場合もあります。ですが、フタル酸エステル4物質の際は、既に業界に化学物質管理が浸透していた時期なので、最初の場合よりはやりかたがわかっていた分、楽ではあったかもしれません。
それでも大変だけどね、フタル酸エステルは移行問題もあったし。
それではまた次回。
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