製品含有化学物質管理の基礎(その4)

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今回は、製品含有化学物質管理の基礎(その4)です。

今回からは、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版の5. 製品含有化学物質管理の実施項目に入ります。

実務上は、一番メインの部分になりますね。

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5. 製品含有化学物質管理の実施項目には何が書いてあるのか?

この部分には何が書いてあるのでしょうか?目次を見ると、

5.1 組織の状況
5.2 リーダーシップ
5.3 計画
5.4 支援
5.5 運用
5.6 パフォーマンス評価及び改善

となっており、更にこれらの下に小項目がそれぞれ書かれています。ページとしてはP.16-30まで附属書を除いたこのガイドライン全体、全33ページのうちの約半分を占めています。

また、この5. 製品含有化学物質管理の実施項目の中で、5.5の運用の部分が、P.22-29と半分を占めています。

それでは、組織の状況から行ってみましょう。

5.1 組織の状況

5.1 組織の状況は、その下に4つの小項目があります。それは、

5.1.1 組織及びその状況の理解
5.1.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
5.1.3 製品含有化学物質管理の適用範囲の決定
5.1.4 製品含有化学物質管理の実施

実際の内容は、DLした文書を読んでいただくとして、管理人が考える注意点を記載していきたいと思います。

5.1.1 組織及びその状況の理解
においては、自分の組織の状況というときは、内部の状況だけでなく外部の状況も含むということです。

5.1.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
においては、利害関係者として、顧客や供給者はすぐ思いつくのですが、それ以外にも外部の委託先や行政なども含まれます。例えば、外部の加工委託先やOEM先などもその範疇に入ります。

5.1.3 製品含有化学物質管理の適用範囲の決定
においては、組織が行う製品含有化学物質管理の適用範囲を決めることになるわけですが、実際には、製品含有化学物質管理を行う組織範囲を決めることも重要な要素です。

特に大きな会社の場合、事業部門が異なると作っている製品も異なり、規制されてている法規制も異なる場合があります。このような場合、どの様に製品含有化学物質管理の適用範囲を決めるのかは問題になります。

事業部門ごとに異なる製品含有化学物質管理を行うのか、基本は同じ製品含有化学物質管理の仕組みを作っておき、そこから異なる部分のみ事業部門に任せるのかなどいくつかのやり方があると思います。会社にとってどれが一番効率的なのかは考える必要があります。

適用範囲ということでは、もう一つ、どこまでの物を管理するのかという問題点もあります。

実際の製品に含まれていないはずの物でも汚染の原因になる場合や、製品に含まれていても従来管理してこなかったものなどは、注意が必要です。

例えば、包装材や保護シート、グリス、離型剤、治工具、文具などです。

5.1.4 製品含有化学物質管理の実施
については、5.5 運用のところに更に具体的な内容が書かれているのでその部分は省略します。

ここには重要なこととして、品質管理や環境管理などのマネジメントシステムが構築されている時は、既存の仕組みを活用したり、その中に組み入れることで、実施できることが書かれています。
つまり新たにまた、化学物質管理だけのマネジメントシステム(CMSと呼ばれる時がある)を作る必要はないことになります。

5.2 リーダーシップ

5.2 リーダーシップには、その下に小項目として

5.2.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.2.2 方針
5.2.3 組織の役割、責任及び権限

があり、これは品質管理や環境管理などのマネジメントシステムなどと同様です。
しかしながら、このガイドラインの上位であるJIS Z 7201:2017 製品含有化学物質管理―原則及び指針には、ISO-9000やISO-14000のシリーズのように、トップマネジメントに対して○○しなければならない(つまり認証を取るための条件)という文言は存在しません。

とはいえやるべきマネジメント項目は同じです。

この部分には、それと同等のことが書かれているので非常に重要です。

5.3 計画

5.3 計画には以下の小項目があります。

5.3.1 リスク及び機会への取り組み
5.3.2 目標及びそれを達成するための計画策定

この部分もほぼ他のマネジメントシステムと同等なので特に述べることはありません。

次回は5.4 支援から

次回は小項目が多くなってくる5.4 支援の説明に入りたいと思います。一番ボリュームの多い5.5 運用は、更にその後に複数回記述することになるでしょう。

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