今回は、製品含有化学物質管理の基礎(その10)です。
この記事は、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版は、お手元にあるという前提で書かれています。
今回は、前回の続きで、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版の5.5 運用の5.5.8 不適合品発生時における対応からです。
5.5.8 不適合品発生時における対応
この項目は、製品含有化学物質に関わる不適合品が見つかった場合の諸手続きを文書化しておくことと、またそれがおきた履歴(原因や対応を含む)を文書化しておくことを求めています。
また当然ですが、不適合が起こった場合は、応急処置、原因特定の後、必要な処置を実施して再発防止法を決めることを求めています。
この項目の注記には考えるべきことやるべきことが列挙されています。
ですが、実際に問題が発生すると関係者が集まってわちゃわちゃとやることを決めることになると思うわけですが、注記に書かれていることはほぼ検討されると思います。抜けている項目がないかどうかチェックするとよいかもしれません。
5.6 パフォーマンス評価及び改善
この項目は、組織が決めた間隔(通常1年とか半年とか)で評価すること。是正処置が必要なら是正すること、その結果を記録して、トップマネジメントに報告することが求められています。
トップマネジメントは、評価と是正措置をレビューすること。
これって、品質マネジメントや環境マネジメントと全く同じです。ただ、観点が製品含有化学物質になっているだけです。
6. 製品含有化学物質管理ガイドラインに基づく評価及び自己適合宣言
この項目には、
6.1 製品含有化学物質管理の評価
6.2 チェックシート
6.3 実施項目への適合の評価と管理体制の総合評価
6.4 製品化学物質の管理体制に関する自己適合宣言
があるのですが、これらの項目をきちんとやろうとすると前回の記事で書いたようにそれだけで講座を作れてしまうほどなので、このシリーズでは解説しません。
附属書A-Fについて
この製品含有化学物質管理ガイドラインにはAからFまで、6つの附属書があります。
附属書A:JISZ7201、品質及び環境マネジメントシステムとの比較
附属書B:併行生産について
附属書C:製品含有化学物質の7つの管理枠組みに該当する実施項目、附属書
附属書D:実施項目一覧表
附属書E:チェックシート
附属書F:自己適合宣言
この中で特に有用なのは、附属書Eのチェックシートでしょう。これで自社の製品化学物質管理の評価をできるだけでなく、供給者の製品化学物質管理をチェックすることも可能です。
このシリーズは、今回で終了
今まで続けてきた製品含有化学物質管理の基礎ですが、今回で終了です。以下の二つは、今回の解説には入れませんでした。
6. 製品含有化学物質管理ガイドラインに基づく評価及び自己適合宣言
及び
附属書A-F
残るシリーズ物は、法規いっちょかみだけになります。
何か書いてほしい記事がありましたら、リクエストをお待ちしています。
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