ふと調べたら、PFAS規制に関する動向については、昨年の8月18日が最新(ECHAのPFAS規制に関する動向)でそれ以降更新されていませんでした。
いや、さすがにその後の情報を書いてないのはまずいだろということで、今回記事にしました。とはいえ、REACH規則の制限に関する情報は、まだほとんど出ていませんので、動きだけになります。
REACH規則制限物質へのPFASの追加に関する時系列
REACH規則の制限物質へのPFASの追加に関しては、2022年段階からいろいろと情報が飛び交っていたように思いますが、実際にPFASの制限提案がなされたのは、2023年2月7日です。
再度の掲載になりますが、提案された制限案は、
Submitted restrictions under consideration
に書かれています。
この制限案に関する6カ月のコメント期間は、2023年3月22日から9月25日までに行われました。既にかなり前に終了しています。
その後、大きな動きがあったかと言えば、ない状態が続いています。
何せコメント(意見提出)は5600件以上寄せられています。
PFASの制限提案に対するコメント数が半端ない!
PFASの制限は、産業界に大きな影響を与えるために今までに比べて数多くのコメントが寄せられているのでしょう。
5600件という数字をECHAが出すということ自体、インパクトの大きさを示しています。また、4400以上の団体、企業、個人がコメントを提出したとあります。
では、実際にどこの国やどんなセクターがコメントを出しているのでしょう。
国としては上位5カ国をあげると以下のようになります。
- スウェーデン 1369 24%
- ドイツ 1298 23%
- 日本 938 17%
- ベルギー 303 5%
- 中国 262 5%
この5カ国で全体のほぼ3/4を占めています。
ただし、注意書きが書かれており、
スウェーデンからのコメント数が多いのは、国内キャンペーンの結果としてECHAに提出された個人コメントのためである。
となっています(管理人は、細かいコメントの中身まで見てはいません(^^;)。
次に、どんな立場の組織などがコメントを出しているかというかと以下のようです。
- 会社 3313 58.7%
- 個人 1543 27.3%
- 業界団体 552 9.8%
- その他 234 4.1%
この中の個人の大部分は、スウェーデンからのものですね。そのことを考えるとやはり会社や業界団体からのコメントが非常に多いことがわかります。
Submitted restrictions under considerationのページで下のほうを見ると
Comments submitted to date on restriction reportにいつ誰がコメントしたかのリストのExcelへのリンク
Link to comments submitted to date on restriction reportにLinkがあって、コメントのワードドキュメントが貼りつけられているページへのリンクがあります。
会社名などは伏せられている場合があるもののコメントすべてオープンになっているので、読もうと思えば読むことができます(とてもそんな気になりませんが)。
今後の予定など
ECHAにおいては、リスク評価専門委員会(RAC)、社会経済分析専門委員会(SEAC)が開かれてこれらのコメントを検討して、独立に意見をまとめることになります。そしてそれらが議論されます。ECHAは、その結果を基に可能な限り短期間で最終的な意見を欧州委員会に提出することになります。
その後も欧州委員会が規制するまでのプロセスがあるわけですが、5600のコメントを精査して意見をまとめるだけでとんでもなく大変ですよね。
ということで、今はあんまり動きが見えないというか、精査してるのか議論してるのか、どのくらいの期間がかかって次の情報が出てくるのかよくわかりません(管理人が知らないだけかもなので、知っている方がいらっしゃいましたら教えてください)。
PFAS規制に関する動向、次回はアメリカの予定
REACH規則の制限物質へのPFASの追加に大きな動きがないのとは異なり、昨年からPFAS規制の動きが活発なのはむしろアメリカのほうです。
ですので、PFAS規制に関する動向については、3月中にはアメリカのについて記事化できればと思っています。
コメント