今回のREACH 制限物質(その46)はEntry9です。なんで物質が書いてないんじゃと思われる方もいるでしょう。
Entry9は、いくつかの物質の集合体になっています。ある用途のために使ってはいけない物質の集合体になっています。
Entry9の物質の基本情報
では、まずEntry9の物質の基本情報を見ていきましょう。
化学物質名:Benzidine and / or its derivatives
和名:ベンジジンおよび/またはその誘導体
別名:4,4′-ジアミノビフェニル、4,4′-Diaminobiphenyl、p-Diaminodiphenyl
化学式:-
分子量:-
構造式:-
CAS RN :-
EC No.: –
ちなみにBenzidineの基本情報は以下のようです。
化学物質名:Benzidine
和名:ベンジジン
別名:4,4′-ジアミノビフェニル、4,4′-Diaminobiphenyl、p-Diaminodiphenyl
化学式:C12H12N2
分子量:184.24
構造式:
CAS RN : 92-87-5
EC No.: 202-199-1
以下の物質については、-になってしまう項目は省略します。
化学物質名:Powder of the roots of Helleborus viridis and Helleborus niger
和名:アサギフユボタンとクリスマスローズ(フユボタン)の根の粉末
いや、そう言われましても何?
化学物質名:Soap bark powder (Quillaja saponaria) and its derivatives containing saponines
和名:ソープバークパウダー(キラヤの一種)とそのサポニン含有誘導体
別名:キラヤ根エキス、Purified quillaia saponins
CAS RN : 68990-67-0
EC No.: 273-620-4
いや、そういわれましても、、、
化学物質名:Wood powder
和名:木粉
はあ、そうですか、、
化学物質名:o-Nitrobenzaldehyde
和名:o-ニトロベンズアルデヒド
別名:2-Nitrobenzaldehyde、2-ニトロベンズアルデヒド
化学式:C7H5NO3
分子量:151.12
構造式:
CAS RN : 552-89-6
EC No.:209-025-3
化学物質名:Powder of the roots of Veratrum album and Veratrum nigrum
和名:Veratrum album(バケイソウ)とVeratrum nigrum(シュロソウの一種)の根の粉末
何言ってるのかよくわからない。
Entry9の物質の危険性は何か
これだけ色々、性質の違った物質が書いてあると一概に危険性は何かとかは、書けない状態です。
ECHAのSubstance Infocardでは、
o-Nitrobenzaldehydeについては、この物質は飲み込むと有害、深刻な眼の炎症を引き起こす、水生生物に有害で長期的な影響を与える、皮膚刺激を引き起こす、呼吸器系の炎症を引き起こす可能性があると書かれています。
また、Benzidine単体には、この物質は癌を引き起こす可能性があり、水生生物に非常に有害であり、水生生物に非常に有害で長期にわたる影響を与え、飲み込むと有害であるとあります。
植物の根は強い毒性を持っているアルカロイドが含まれていることが多々あります。
Entry9の物質はどこに使われているのか
これらの物質は、過去にはいろいろな用途に使われていると思います。特に植物の根は、民間薬としても使用されてきたことでしょう。
制限条件
Entry9の物質の制限条件は以下のようなものです。
- ジョークやだますためのものや、くしゃみ粉や臭い爆弾の成分として使用することを目的とした混合物や成形品に使用してはならない。
- ジョークやだますためのもの、または第1項の用途を意図した混合物や成形品で第1項を満たさないものは、市場に出してはならない。
- ただし、1.5ml以下の液体を含む悪臭弾には、第1項および第2項は適用されない。
ということで、Entry9は完全に用途による制限になっています。
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