今回のREACH 制限物質(その45)はEntry8のPolybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)です。
Entry8 Polybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)の基本情報
では、まずEntry8 のPolybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)の基本情報を見ていきましょう。
この物質は、単一の物質ではなくいろんな数の臭素が置換したビフェニルになります。ECHAのページにおいては、9個の物質に展開されています。
化学物質名:Polybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)
和名:ポリブロモビフェニル、ポリ臭化ビフェニル(FireMaster BP-6(臭素数5-7のポリ臭化ビフェニルの混合物))、ヘキサブロモビフェニル
別名:FireMaster BP 6、ファイヤマスター BP6、ファイアーマスターBP-6
化学式:-
分子量:-
構造式:
CAS RN : 59536-65-1
EC No.: –
目茶苦茶いっぱい名前があるじゃないですか!もともとは、FireMaster BP-6(臭素数5-7のポリ臭化ビフェニルの混合物)という商品なんですね。主な臭素の置換数は6です。
化学物質名:Polybrominated biphenyls (PBB) except hexabromo-biphenyl
和名:
別名:
化学式:-
分子量:-
構造式:-
CAS RN : –
EC No.: –
6置換臭素のビフェニル以外ということですね。何のことやら、よくわからない表現になっていますが、管理人の推測では、上のCAS RN : 59536-65-1以外であっても臭素化ビフェニルは対象だよということを言いたいのかなと思ってます。
これ以降の化合物に対しては-になってしまう項目は省略します。
化学物質名:4-bromobiphenyl
和名:4-ブロモビフェニル
別名:p-Bromobiphenyl、p-ブロモビフェニル
化学式:C12H9Br
分子量:233.1
構造式:
CAS RN : 92-66-0
EC No.: 202-176-6
化学物質名:4,4′-dibromobiphenyl
和名:4,4’-ジブロモビフェニル
別名:
化学式:C12H8Br2
分子量:312.0
構造式:
CAS RN : 92-86-4
EC No.: 202-198-6
化学物質名:Hexabromo-1,1′-biphenyl
和名:ヘキサブロモビフェニル
別名:六臭化ビフェニル、ポリ臭化ビフェニル、ヘキサブロモ-1,1’-ビフェニル
化学式:C12H4Br6
分子量:627.58
構造式:
CAS RN : 36355-01-8
EC No.: 252-994-2
化学物質名:Decabromo-1,1′-biphenyl
和名:デカブロモビフェニル
別名:ペルブロモビフェニル、Perbromobiphenyl、十臭化ビフェニル、2,2′,3,3′,4,4′,5,5′,6,6′-デカブロモ-1,1′-ビフェニル、
化学式:C12Br10
分子量:943.17
構造式:
CAS RN : 13654-09-6
EC No.: 237-137-2
この分子って水素を持たないんだね。
化学物質名:Nonabromo-1,1′-biphenyl
和名:ノナブロモビフェニル
別名:ノナブロモ-1,1′-ビフェニル、Nonabromobiphenyl
化学式:C12HBr9
分子量:864.27
構造式:
CAS RN : 27753-52-2
EC No.: 248-637-5
この物質は、Hの位置によって3つの異性体が存在しますが最も多いであろう異性体の構造式を書いてあります。
化学物質名:Tetrabromo(tetrabromophenyl)benzene
和名:オクタブロモビフェニル
別名:Dow FR-250、ar,ar,ar,ar,ar’,ar’,ar’,ar’-Octabromobiphenyl、八臭化ビフェニル
化学式:C12H2Br8
分子量:785.38
構造式:
CAS RN : 27858-07-7
EC No.: 248-696-7
化学物質名:3-bromobiphenyl
和名:3-ブロモビフェニル
別名:
化学式:C12H9Br
分子量:233.1
構造式:
CAS RN : 2113-57-7
EC No.: 218-304-9
ということで、Polybromobiphenylsとは書かれているものの、臭素が1個しか置換していない化合物も含まれています。
Entry8 Polybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)の危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardでは、危険性分類がきちんと書かれているのは、4,4′-dibromobiphenylくらいで、そこには、この物質は、CLP 通知書において企業が ECHA に提供した分類によると、水生生物に非常に有毒である、水生生物に非常に有毒で効果が長く続く、飲み込むと有害、深刻な眼の損傷を引き起こす、発がんの疑いがある、皮膚刺激を引き起こす、呼吸器刺激を引き起こす可能性がある、とされています。
一方日本の職場のあんぜんサイトでは、Hexabromo-1,1′-biphenylに対して発がんのおそれ、
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、Tetrabromo(tetrabromophenyl)benzeneに対して、飲み込むと有害、皮膚刺激、眼刺激、発がんのおそれ、生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、Decabromo-1,1′-biphenylに対して、軽度の皮膚刺激、眼刺激、発がんのおそれと記載されています。
Entry8 Polybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)はどこに使われているのか
Polybromobiphenylsは、その用途はほとんど難燃剤もしくはその前駆体です。
制限条件
Entry8 Polybromobiphenyls, Polybrominatedbiphenyls (PBB)の制限条件は以下のようなものです。
- 皮膚に接触することを意図した衣服、下着、リネンなどの繊維製品に使用してはならない。
- 第1項に適合しない物品は、市場に出してはならない。
この内容は、Entry7 Tris(aziridinyl)phosphinoxideと同じです。
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