今回のREACH 制限物質(その42)はEntry5のBenzeneです。
うーん、今までの中でももっとも単純な化学物質かもしれない。
Entry5 Benzeneの基本情報
では、まずEntry5 Benzeneの基本情報を見ていきましょう。
化学物質名:Benzene
和名:ベンゼン
化学式:C6H6
分子量:78.11
構造式:
CAS RN : 71-43-2
EC No.: 200-753-7
融点:6℃
沸点:80℃
引火点:-11℃
芳香族炭化水素の基本のベンゼンですね。有名ですけど実物はあまり見ないですね。
Entry5 Benzeneの危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、欧州連合の承認した調和的分類および表示(CLP00)によると、飲み込んだり気道に入ると致命的となる可能性があり、遺伝的異常を引き起こす可能性があり、癌を引き起こす可能性があり、長期または反復暴露により器官に損傷を与え、非常に燃えやすい液体および蒸気であり、深刻な眼の刺激および皮膚の刺激を引き起こす。
職場のあんぜんサイトによれば、更に、生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、眠気又はめまいのおそれ、水生生物に毒性、長期的影響により水生生物に毒性があるとされています。
結構やばい奴ですね。
どこに使われているのか
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、欧州域内で年100万トン以上、製造輸入されています。
この物質は、成形品、専門家による使用(広範囲な使用)、製剤または再包装、工業現場および製造において使用されます。
一般消費者用の成形品に使用されているというデータは、ありません。
この物質は、実験用、燃料、pH調整剤、水処理製品などに使われます。また、医療サービス、科学的研究開発で使用され、他の化学物質を作るためや、混合物を作るために使用されます。また、別の物質のさらなる製造において、中間体や製造するための材料として使われます。
この物質は、実験用化学品、コーティング製品、充填材、パテ、プラスター、モデリング粘土、および非金属表面処理製品に使用されています。
職場のあんぜんサイトによれば、「本物質の主な用途は、純ベンゼンでは合成原料として染料、合成ゴム、合成洗剤、有機顔料、有機ゴム薬品、医薬品、香料、合成繊維(ナイロン)、合成樹脂(ポリスチレン、フェノール、ポリエステル)、食品(コハク酸、ズルチン)、農薬(2,4-D、クロルピクリンなど)、可塑剤、写真薬品、爆薬(ピクリン酸)、防虫剤(パラジクロロベンゼン)、防腐剤(PCP)、絶縁油(PCD)、熱媒、溶剤級ベンゼンでは塗料、農薬、医薬品など一般溶剤、油脂、抽出剤、石油精製など、その他アルコール変性用である」とあります。
管理人も合成原料や他の物質を作るために利用されるというイメージがあります。
制限条件
Entry5 Benzeneの制限条件は以下のようなものです。
- 玩具や玩具の部品において重量の5 mg/kg (0,0005 %) を超える遊離したベンゼンの濃度のものを玩具や玩具の部品に使用してはならない
- 第1項に適合しない玩具および玩具の部品は、市場に出してはならない。
- 以下の場合は、上市、または使用してはならない。
ー物質として
ー他の物質の構成要素として、または混合物において、0.1重量%に等しいかそれ以上の場合 - ただし、第3項の規定は、以下のものには適用しない。
(a) 指令98/70/ECの対象である自動車燃料。
(b) 既存の法律で規定されている量を超えるベンゼンの排出を許容しない工業プロセスで使用するための物質および混合物。
(c) 消費者が使用するために上市される天然ガスで、ベンゼンの濃度は0.1容量/容量%未満を維持するもの。
コメント