REACH 制限物質(その25)は、Entry45のDiphenylether, octabromo derivative C12H2Br8Oです。
Entry45 Diphenylether, octabromo derivative C12H2Br8Oの基本情報
まずは、Entry45 のDiphenylether, octabromo derivative C12H2Br8Oの基本情報を見ていきましょう。
化学物質名:Diphenylether, octabromo derivative
和名:オクタブロモジフェニルエーテル
別名:Octabromodiphenyl ether、Octabromo derivative of phenoxybenzene、フェノキシベンゼンのオクタブロモ誘導体
化学式:C12H2Br8O
分子量:801.38 (ほかの値が書いてあるデータもあるけど一応これで)
構造式:
CAS RN : 32536-52-0
EC No.: 251-087-9
実際には、x+y=7~9の混合物で8が多いというものだと思います。
こんだけ分子量が重いと融点、沸点は日常ではあまり意味をなさないですね。
Entry45 Diphenylether, octabromo derivative C12H2Br8Oの危険性は何か
次にEntry45 Diphenylether, octabromo derivative C12H2Br8Oの危険性について見ていきましょう。
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、胎児にダメージを与える可能性があり、生殖能力にダメージを与える疑いがあると書かれています。要は、生殖毒性があるんですね。
更に、日本の職場のあんぜんサイトにおけるSDSでは、他に、長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(肝臓)、長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(肺)、長期継続的影響により水生生物に有害のおそれも書かれています。
一番の影響は、胎児と生殖能力にダメージかあるようです。
ですが、
どこに使われているか
では、この物質はどこに使われているかを見ていきます。というより、今はほとんど使用されていないと思います。以前は、樹脂用の難燃剤(フェノール、エポキシ樹脂、ABS、PP、PS、PBT、PET等用難燃剤)として多く使われていました。
他の用途はほとんどないと思います。
PCBがポリ塩化ビフェニルですので、その塩素が臭素に変わった物質の種類の一つになります。
実は、日本では規制の対象になっていません。x+yが、4~7の化合物は、化審法の第一種特定化学物質になっています。まあ、x+yが8だけ100%なんてことはないんだろうし、いいのか?
制限条件
Entry45 の制限条件は以下のようなものです。
- 以下のような条件で市場に出したり、使用したりしてはならない
ー物質として
ー他の物質の構成要素として、または混合物として、0.1重量%を超える濃度で使用してはならない。 - 成形品またはその難燃部品が、0.1重量%を超える濃度でこの物質を含む場合、成形品を上市してはならない。
- 適用除外として、以下の場合、第2項は適用しない。
ー2004年8月15日以前に欧州共同体で使用されていた成形品。
ー指令2002/95/ECの範囲内の電気・電子機器に適用される場合。
指令2002/95/ECは、RoHS指令なのですが、その中の適用除外でPBDEが認められているものは、現在一つしかありません。それも付属書IVのクローズドループで機器を追跡できるものだけですので、実質、欧州では禁止物質と考えて差し支えありません。
コメント