今回のREACH 制限物質(その62)はEntry26の[No public or meaningful name is available]です。
No public or meaningful name is availableってなんだよ。一般的な名称や意味のある名称はありませんと言われてどうしろと?
ただ、このEntry26の物質にはCAS.Noが書かれています。これを頼りに調べることにします。
Entry26 No public or meaningful name is availableの基本情報
Entry26は、先に述べたように一般的な名前が無いとされています。CAS.Noを頼りに調べると以下のことがわかります。
化学物質名:A mixture of isomers of: bromobenzylbromotoluene
和名:モノメチルジブロモジフェニルメタン
別名:Monomethyldibromodiphenyl-methane、ブロモベンジルブロモトルエン、DBBT
化学式:C14H12Br2
分子量:340
構造式:
CAS RN : 99688-47-8
EC No.: –
この物質は一つ前に紹介したREACH 制限物質(その61):Entry25で紹介した、Monomethyl-dichloro-diphenyl methane Trade name: Ugilec 121, Ugilec 21の塩素の代わりに臭素が置き換わった構造をしているものになります。
ということで、性質もあまり変わらないと推定できます。
Entry26 の危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質には、調和された分類はなく、この物質に関する製造者、輸入者、川下使用者による危険有害性の通告はないとされています。
この物質は、NITEのCHRIPでは、海外法規制情報の部分に少しだけ情報が載っている程度です。ということでどのような有害性があるのかよくわからないです。
Entry26はどこに使われているのか
ECHAのSubstance Infocardには、この物質の用途は書かれていません。
ネットで用途を調べてみてもほとんど出てこないのが実態です。
制限条件
Entry26のの制限条件は、以下の通りです。
物質として、または混合物として、上市または使用してはならない。また、当該物質を含有する物品を上市してはならない。
この制限条件を書いてある文書には、
Monomethyl-dibromo-diphenyl methane bromobenzylbromotoluene, mixture of isomers
Trade name: DBBT
という名前が書いてあります。
現実には、既に生産が無いと考えるのが普通だと思います(管理人のあくまで推定です)。
コメント
還暦環境調査員より
愚痴になりますが
またまたJAPIA部会が、調査依頼を出しました。
今回はMCCP(中鎖塩素化パラフィン)の含有有無と代替品があるかどうかのようです。
すでにSCCP(短鎖塩素化パラフィン)は禁止・規制化済み
難燃性可塑剤や添加物など車載業界では使用用途が多くありそうで
調査員としては、戦々恐々の日々がすぐそこに迫ってきそうです。
今から憂鬱です。
還暦環境調査員様、いつもコメントありがとうございます。管理人です。
MCCPですか、まあPOPRC17の件を考えると分からなくはないですが、早いですね。
同業のほかの会社の方と意見交換でもして(こういうことへの対応の意見交換は競争関係になりににくいはずです)考えるのも手かもですね。
憂鬱にならずに周りの状況を見ながら淡々とやるのが良いと管理人は思います。できないものは、何処でもできないはずなんで。