REACH 制限物質(その53):Entry16 

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今回のREACH 制限物質(その53)はEntry16のLead carbonatesです。

今回の物質は、展開するとTrilead-bis(carbonate)-dihydroxideとNeutral anhydrous carbonate2物質が示されています。

では、その物質について見ていきましょう

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Entry16 の基本情報

まずEntry16の2物質の基本情報を見ていきましょう。

化学物質名:Trilead-bis(carbonate)-dihydroxide
和名:塩基性炭酸鉛(II)
別名:Lead(II) Carbonate Basic、Dicarbonato(dihydroxy)trilead、炭酸水酸化鉛、鉛白、Lead carbonate (white lead)など
化学式:2PbCO3·Pb(OH)2
分子量:775.63
CAS RN : 1319-46-6
EC No.: 215-290-6

化学物質名:Neutral anhydrous carbonate
和名:炭酸鉛(II)
別名:Lead(II) carbonate、セルサイトなど
化学式:PbCO3
分子量:267.21
CAS RN : 598-63-0
EC No.: 209-943-4

無機化合物なので構造式は書いていません。

Entry16 の物質の危険性は何か

ECHAのSubstance Infocardによれば、Trilead bis(carbonate) dihydroxide、この物質は胎児に障害を与える可能性があり、生殖能力を損なう疑いがあり、水生生物に対して非常に有毒であり、長期的に影響を及ぼす、飲み込むと有害、吸い込むと有害、長期または反復暴露により臓器を損傷する可能性がある、とあります。

もう一方のLead(II) carbonate(こっちのほうが普通だろと思う管理人)は、生殖能又は胎児に障害を与える可能性があり、水生生物に非常に有毒で長期的な影響があり、水生生物に非常に毒性があり、飲み込むと有害で、吸入すると有害で、長期的又は反復暴露により臓器障害を引き起こす可能性があるとされています。

まあ、両方とも同じような毒性ですね。

日本においては、両物質とも安衛法の鉛中毒予防規則の対象になるほか特定第1種指定化学物質であり、Lead(II) carbonateは、劇薬になっています。

Entry16の物質はどこに使われているのか

ECHAのSubstance Infocardによれば、Trilead bis(carbonate) dihydroxideは、欧州域内での製造もしくは輸入量は10t/y以上100t/y未満となっています。

この物質は、成形品中や工業的な事業場で使用されます。使用されているものとして、半導体、他の物質への中間体、窯業があげられています。

NITEのCHRIPでは、用途として陶磁器・塗料等用顔料、電子材料原料があげられています。

もう一方のLead(II) carbonateは、ECHAのSubstance Infocardでは、金属製造や、中間体としての用途があげられています。

NITEのCHRIPでは、用途として顔料、釉薬原料が書かれています。

分野によっては、まだ完全になくなっているというわけではない材料だと思います。

制限条件

Entry16の物質Lead carbonatesの制限条件は、以下の通りです。

物質または混合物が塗料としての使用を意図している場合、物質として、または混合物として上市または使用し てはならない。
ただし、加盟国は、国際労働機関(ILO)条約第13条の規定に基づき、美術品、歴史的建造物及びその内部の修復及び維持のための物質又は混合物の自国内での使用を許可することができる。
また、その用途のために市場に出すことを許可する。加盟国は、この適用除外を利用する場合、その旨を欧州委員会に通知しなければならない。

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