今回のREACH 制限物質(その49)はEntry12の2-naphthylamine and its saltsです。
この項目は、4つの物質及び群に展開されています。
Entry12の物質の基本情報
では、まずEntry12の物質および群の基本情報を見ていきましょう。
化学物質名:2-naphthylammonium acetate
和名:2-ナフタレンアミン酢酸
別名:β-Naphthylamine Acetate
化学式:C12H13NO2
分子量:203.237
構造式:
CAS RN : 553-00-4
EC No.: 209-030-0
化学物質名:Salts of 2-naphthylamine
和名:2-ナフチルアミンの塩
化学式:-
分子量:-
構造式:-
CAS RN : –
EC No.: –
化学物質名:2-naphthylamine
和名:2-ナフチルアミン
別名:β-ナフチルアミン
化学式:C10H9N
分子量:143.19
構造式:
CAS RN : 91-59-8
EC No.: 202-080-4
融点:111-113° C
沸点:306° C
化学物質名:2-naphthylammonium chloride
和名:2-ナフタレンアミン·塩酸塩
化学式:C10H10ClN
分子量:179.65
構造式:
CAS RN : 612-52-2
EC No.: 210-313-6
最初の2-naphthylammonium acetateと最後の2-naphthylammonium chlorideは、2-naphthylamineの塩ですので、実際には2番目に書かれている物質群に含まれてしまいます。
Entry12の物質の危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、2番目の群扱いされている物質以外には以下のような同じ危険性が書かれています。
この物質は、欧州連合によって承認された調和された分類および表示(CLP00)によれば、癌を引き起こす可能性があり、水生生物に毒性があり、長期的な影響を与え、飲み込むと有害である。
Entry12の物質はどこに使われているのか
WEB上で検索すると以下のような経緯が出てきます。
アゾ色素の合成中間体やゴム工業における抗酸化剤として利用されてきたが、ヒトに対する発がん性があり、毒性の低い化合物にほとんど代替された。
ということで、現在はほぼ使われていない物質と判断されます。
日本においても安衛法で製造等が禁止される有害物等に分類され、厳しく規制されています。
制限条件
Entry12の物質の制限条件は以下のようなものです。
0.1wt%を超える濃度の物質または混合物として上市、または使用してはならない。
まあ、発がん性物質ですからね。
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