今回は、2025年1月21日に発表された第32次SVHCの追加分だけゆっくり解説の2回目です。
今回の追加分だけゆっくり解説は、O,O,O-triphenyl phosphorothioateです。
第32次SVHC O,O,O-triphenyl phosphorothioateの基本情報
では、まず 基本情報を見てみましょう。
化学物質名:O,O,O-triphenyl phosphorothioate
和名:トリフェニルホスホロチオエート
別名:トリフェノキシホスフィンスルフィド、チオりん酸O,O,O-トリフェニル、Triphenyl Phosphorothioateなど
化学式:C18H15O3PS
構造式:
CAS RN:597-82-0
EC No.: 209-909-9
分子量:342.35
融点:48℃
O,O,O-triphenyl phosphorothioateの危険性は何か
この物質が、SVHCになっている理由は、PBT (Article 57d)に該当する物質だからというのが理由です。
ECHAのSubstance Infocardによれば、REACH登録において企業がECHAに提供した通知では、この物質は、水生生物に非常に有害であり、その影響は長期にわたるとあります。
その他には、ChemialBookのサイトでは、生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い (生殖毒性)が記載されています。
O,O,O-triphenyl phosphorothioateの使用用途はどこか
この物質はREACH規則で登録されており、EUで年間100トン以上1,000トン未満、製造または輸入されています。
この物質は、広い範囲で使われています。
消費者の使用もあります。
この物質は以下の製品に使用される:潤滑油、グリース。
また、密閉系の加工助剤として使われています。例えば、冷蔵庫の冷却液、油性電気ヒーター、自動車サスペンションの作動液、モーターオイルやブレーキ液の潤滑油などです。
業者による広範な使用
この物質は次の製品に使用される:潤滑油とグリース、油圧作動油、金属加工油。
事業場や再梱包においても、この物質は以下の製品に使用される:潤滑油、グリース。
日本においての情報はほとんどありませんでした。
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