2025年1月21日に第32次のSVHCが発表されました。追加されたSVHCは5物質です。
実のことを言うと前回のREACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(36)で解説していたのは、2024年1月に発表された第30次のSVHCの物質です。
その後、2024年6月27日に第31次のSVHC候補物質1物質が発表され、2024年11月7日にイレギュラーなケースとして普段とは異なる時期にTriphenyl PhosphateがSVHCに追加されました。
それゆえ、この追加分だけゆっくり解説をどうするか迷ったのですが、第32次のSVHCを最初にすることに決めました。
第31次SVHCのBis(α,α-dimethylbenzyl) peroxideとTriphenyl Phosphateについてはその後に書くということにしたいと思います。
また、さすがにこれ週1回の更新で行うと、実際に解説しなければならないのは32次SVHCだけでも6物質なため、1ヵ月半もかかってしまいます。ちょっとだけペースを上げて解説が1か月以内で終わるようにはしたいところです。
今回は、まず6-[(C10-C13)-alkyl-(branched, unsaturated)-2,5-dioxopyrrolidin-1-yl]hexanoic acidについてです。
第32次SVHC 6-[(C10-C13)-alkyl-(branched, unsaturated)-2,5-dioxopyrrolidin-1-yl]hexanoic acidの基本情報
では、まず 基本情報を見てみましょう。
化学物質名:6-[(C10-C13)-alkyl-(branched, unsaturated)-2,5-dioxopyrrolidin-1-yl]hexanoic acid
和名:6-[(C10-C13)-アルキル-(分岐, 不飽和)-2,5-ジオキソピロリジン-1-イル]ヘキサン酸
いや、和名にしても意味わからんし。
CAS RN:2156592-54-8
EC No.: 701-118-1
Reason for inclusion: Toxic for reproduction (Article 57c):生殖毒性 (Article 57c)
この化学物質、(C10-C13)とか(branched, unsaturated)と書かれているので、1種類の化学物質だけを指すのではなく、複数の物質が含まれますので分子量、分子式などは一意に決まりません。
ただ、ECHAのページに代表的な構造が例として載っていましたので掲載しておきます。
もちろん、これ以外の構造も存在します。
6-[(C10-C13)-alkyl-(branched, unsaturated)-2,5-dioxopyrrolidin-1-yl]hexanoic acidの危険性は何か
この物質が、SVHCになっている理由は、生殖毒性 (Article 57c)に該当する物質だからというのが理由です。
更に、ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、胎児に障害を与える可能性があり、深刻な眼の炎症を引き起こすとあります。
6-[(C10-C13)-alkyl-(branched, unsaturated)-2,5-dioxopyrrolidin-1-yl]hexanoic acidの使用用途はどこか
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、REACH登録はされており、年間10トン以上100トン未満製造もしくは輸入されています。
消費者製品としては、登録データはありません。
成形品についても登録データはありません。
この製品は、業者においてやいわゆる事業場、製造現場は使用されています。
使用目的は、油圧作動油、潤滑油、グリース、金属加工油などです。
この物質の環境への放出は、オイル系に含まれていますので、それから出てくる可能性はあります。
この物質の日本においての情報はほとんどありませんでした。
コメント
どぉも
別の話題です。
1月16日に発行されたました『製品含有化学物質管理におけるコミュニケーション』ですが、読んでびっくり玉手箱(笑)。
利用手順『chemSHERPA製品含有化学物質情報利用ルール(Ver.1.6)』の特に9項には全く触れられておらず。
管理人様にも、お時間がありましたらご一読を。
ステップ様、コメントありがとうございます。管理人です。
管理人もこれはDLして読んで記事化しようとしているのですが、SVHCが出ちゃったので、そちら優先にしております。
もうしばらく(かなり)お待ちくださいね。