今回のREACH SVHC:追加分だけゆっくり解説は、第31次SVHCであるはずだが、実際にSVHCに追加されたのは、11月に変則的に追加されたTriphenyl Phosphateです。
何せ、この物質の追加の記事は、SVHC候補物質の追加と化学物質管理ミーティングの内容という二つの内容を書いてしまった記事にあるため、わかりにくかったかもしれません。
それでは行ってみましょう。
第31次SVHC(?)Triphenyl Phosphateの基本情報
では、まず 基本情報を見てみましょう。
化学物質名:Triphenyl Phosphate
和名:トリフェニル=ホスファート
別名:TPP、りん酸トリフェニル、トリフェニルホスフェート
CAS No.: 115-86-6
EC No.: 204-112-2
化学式:C18H15O4P
構造式:
分子量:326.29
融点:約50℃
Triphenyl Phosphateの危険性は何か
この物質が、SVHCになっている理由は、Reason for inclusion:Endocrine disrupting properties (Article 57(f) – environment):内分泌かく乱性(第57条(f)-環境)です。
ECHAに企業が提出したREACH登録の分類によると、この物質は水生生物に非常に有毒であり、長期的影響により水生生物に非常に有毒です。
日本の職場のあんぜんサイトのSDSにおいても、
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に毒性
とあります。
このため、PRTR対象物質ですし、SDSの対象物質です。更には、安衛法の濃度基準値設定物質でもあります。
Triphenyl Phosphateの使用用途はどこか
この物質はREACH規則で登録されており、EUで年間100トン以上製造または輸入されています。
この物質は、広い範囲で使われています。
消費者製品でも使われています。
この物質は接着剤およびシーラント、コーティング製品、化粧品およびパーソナルケア製品に使用されています。
この物質は、放出を意図していない製品にも含まれることがあります。例えば、車両や機械類、機械器具および電気・電子製品(例:コンピュータ、カメラ、照明、冷蔵庫、洗濯機)などです。
またこの物質は、以下を材料にした製品に含まれることがあります。布地、織物、衣類(例:衣類、マットレス、カーテンまたはカーペット、織物製のおもちゃ)、紙(例:ティッシュ、生理用品、おむつ、書籍、雑誌、壁紙)、プラスチック(例:食品包装および保存容器、おもちゃ、携帯電話)。
業者による使用
この物質は接着剤およびシーリング剤、コーティング製品、実験室用化学品に使用されます。
調合や再包装においても、ポリマーおよび化粧品およびパーソナルケア製品に使用される可能性があります。
事業場においては、この物質はポリマーに使用されます(難燃剤、可塑剤)。
そして、この物質は、以下の製品の製造に使用されます。プラスチック製品、繊維、皮革または毛皮、電気機器、電子機器および光学機器、機械類および車両。
また、科学研究および開発においても使用されるとあります。
NITE-CHRIPによればこの物質の用途は、可塑剤、難燃剤です。
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