REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(27)です。
今回は、第28次SVHCの七つ目、Melamineです。
第28次SVHC Melamineの基本情報
では、まず 基本情報を見てみましょう。
化学物質名:Melamine
和名:メラミン
別名:2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-Triazine-2,4,6-triamine、2,4,6-Triamino-1,3,5-triazine、Cyanurotriamideなど
化学式:C3H6N6
構造式:
分子量:126.12
CAS RN:108-78-1
EC No.: 203-615-4
融点は300度以上で、融解するとアンモニアを発生しながら分解する。
Melamineの危険性は何か
ECHAのSubstance Infocardによれば、REACH登録において企業がECHAに提供した分類によると、この物質は生殖能力または胎児を損傷することが疑われています。
この物質がSVHCになった理由は、人の健康に重大な影響を与える可能性がある懸念レベルに相当するもの (Article 57 f – 人の健康)および環境に深刻な影響を与える可能性がある懸念レベルに相当するもの (Article 57 f – 環境)です。
日本の職場のあんぜんサイトにおけるSDS情報によれば、この物質は、発がんのおそれの疑い
長期にわたる、又は反復ばく露による泌尿器の障害という危険性が示されています。
またメーカーのSDSには、吸入すると有害、眼刺激、アレルギー性皮膚反応を起こすおそれも記載されています。
化管法においては、令和5年度分以降の排出量等の把握や令和5年度以降のSDS提供の対象の物質になっています。
Melamineの使用用途はどこか
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、REACH登録はされており、欧州域内で年間100,000トン以上1,000,000トン未満製造もしくは輸入されています。
この物質は、結構いろいろなところに使用されています。例として、床材、家具、おもちゃ、建築材料、カーテン、履物、革製品、紙・段ボール製品、電子機器、金属、木製、プラスチック製の建築・建材など、
他にも洗濯機洗浄液/洗剤、カーケア製品、塗料やコーティング、接着剤、香料、芳香剤など
複雑な成形品にも使用されます。例として、車両(自家用車、配送バン、ボート、列車、地下鉄または飛行機)、プラスチック(食品包装及び貯蔵、玩具、携帯電話)。
表面積の大きなものの金属(例:屋根板、パイプに使用される建設及び建築材料)、繊維、テキスタイル及びアパレル(例:床または壁に使用される建設及び建築材料:カーペット、ラグ、タペストリー)、家具
更には、実験用化学品、コーティング製品およびポリマーを製造するためにも使われます。
NITEのCHRIPでは、用途としてメラミン樹脂・接着剤・医薬原料が挙げられています。
という感じでいろいろなところに使用されているわけですが、モノマーとしてではなく大部分がメラミン樹脂や接着剤としての使用だと思います。
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