REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説ですが、2021年7月8日に新たな物質(物質群)が8個足されたので少しずつやっています。
というわけで、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(12)は、新たに足された物質のうち、4,4′-(1-methylpropylidene)bisphenolです。
第25次SVHC 4,4′-(1-methylpropylidene)bisphenolの基本情報
では、まずいつものように、4,4′-(1-methylpropylidene)bisphenolの基本情報から行きましょう。
化学物質名: 4,4′-(1-methylpropylidene)bisphenol
和名:4,4’-(ブタン-2,2-ジイル)ジフェノール
別名:4,4’-(1-メチルプロピリデン)ビスフェノール、ビスフェノールB、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-Bis(p-hydroxyphenyl)butane
化学式:C16H18O2
分子量:242.31
構造式:
CAS RN:77-40-7
EC No.:201-025-1
融点:124 – 127 °C
4,4′-(1-methylpropylidene)bisphenol の危険性は何か
これらの物質が、SVHCに入れられた理由は、
内分泌かく乱作用(第57条(f)-環境)
内分泌かく乱作用(第57条(f)-人の健康)
です。
ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、目に深刻な刺激を与え、飲み込むと有害であり、水生生物に長期にわたる有害な影響を与える可能性があるとされています。
更には、日本メーカーのSDSによれば、アレルギー性皮膚反応を起こすおそれがあるとされています。
どんなところに使われるのか
ECHAのSubstance Infocardには、 この物質は、この物質の用途は記載されていません。
日本のNITEのCHRIPによれば、有機合成中間体の用途のみが記載されています。更に、日本メーカーのSDSによれば、試験研究用と書かれています。
ですので、この物質をこのままの形で使うのは、試験研究や測定のため以外はほとんどないと考えられます。
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