PFASの血中濃度検査結果のニュースに関して

広告
「スポンサーリンク」

岡山県吉備中央町の円城浄水場の水から有害性が指摘される有機フッ素化合物(総称PFAS)が検出された問題で、町は28日、昨年11~12月に住民ら709人に行った血中濃度検査の結果を発表しました。

岡山県吉備中央町の該当HP

当ブログでは、昨年11月に岡山県吉備中央町で公費PFAS血液検査開始のニュースと言う記事を報告しましたが、今回のニュースはその結果が出たということです。

広告

PFOAの濃度が非常に高い

このデータを見てみると、PFOS、PFOA、PFHxS、PFNA、PFDA、PFUnA、NMeFOSAAの測定結果が書かれています。

いや、知らないPFASがあるんですけど、、。PFOS、PFOA、PFHxSまではそこそこ有名だと思いますので省略しますね。

PFNA:Perfluorononanoic acid ペルフルオロノナン酸
PFDA:Perfluorodecanoic acid ペルフルオロデカン酸
PFUnA:Perfluoroundecanoic acid ペルフルオロウンデカン酸
NMeFOSAA:N-methylperfluoro-1-octanesulfonamidoacetic acid N-メチルペルフルオロ-1-オクタンスルホンアミド酢酸

PFOAは炭素数が8個ですが、PFNA、PFDA、PFUnAは、それぞれアルキル鎖の炭素数が1個ずつ増えて9、10、11となったものです。

これらのPFASの血中濃度の平均値は以下のようになっています。

PFAS名血中濃度平均値(ng/ml)
PFOS8.3
PFOA135.6
PFHxS0.9
PFNA3.4
PFDA1.1
PFUnA2.2
NMeFOSAA0

PFOAの値がたのPFASに比べて、けた違いに高いことがわかります。

岡山県吉備中央町の円城浄水場から検出されたPFAS(PFOSとPFOAの合計)は、1400ng/L(暫定目標値 50ng/L)と言うことで問題となっていました。

血の比重は1.05程度ですがおおよそ1と考えると血中のPFAS濃度は140ppb程度です。一方、浄水場でのPFAS濃度は、1.4ppbです。従って、数値のみを比較すると血中では生体濃縮が100倍程度あることになります。PFASの難分解性が要因と考えられます。

この血中濃度は米国で指針とされる20ng/mlに比べて高いという論調のニュースがネットをにぎわせたわけです。
いや、米国の指針がどの程度妥当かという検証は、記者さんあんたしてないでしょと思わず突っ込みたくはなります。

それとは別に岡山県吉備中央町の該当HPには、住民説明会を2/16にやることやPFASと健康状態に対する簡潔な説明と対応方法などが載っています。
実際に、血中濃度が高かった方は不安でしょうが、自治体としてできることは結構よくやっているなという印象です。

国としての対応はようやく規制化される段階

一方国としての対応は、かなり遅いと言わざるを得ません。

今年の初めに水道水のPFAS検査と改善の義務化が議論と言う記事を書きましたが、昨日のニュースでようやく水道法上の「水質基準」に引き上げる、PFHxSに7種を新たに加えた計8物質を「要検討項目」に位置づけ、情報収集に努めるということになるようです。

多分実施は、2026年4月からでしょう。

広告
化学物質規制
「スポンサーリンク」
シェアする
OFFICE KSをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました