少し前に岡山県吉備中央町で公費PFAS血液検査開始のニュースを取り上げたのですが、それも含め、急に、PFASのニュースがあふれてきてる状況になってきています。
理由の一つは、2024年11月29日に国がPFASについて国が全国の水道水の検出状況を調査した結果を初めてまとめて公表したことによると考えられます。
今回の調査対象事業者数は3755事業で、回答があったのは3595事業、そのうち検査実績があるのが2227事業となっています。
ニュースとして例えば、PFAS水道水の検出状況調査 暫定目標値を超えた自治体や水道事業者は?や
水道水のPFAS、24年度は目安の超過ゼロ 国が初の調査結果公表
今年度の調査では、暫定目標値を超えるところは無かった
PFASの現時点での水質の国の暫定目標値は、PFOSとPFOAの合計値が50ng/Lになっています。この値は、PFAS全体のうちの特定の2つの化合物PFOSとPFOAのみが測定値が出されているということになります。
PFAS自体は4000とも言われる化学物質を指す総称ですので、PFOSとPFOA以外のものは考慮されていない状態にあります。
今年度(2024年度)、国(環境省と国土交通省)は水道事業者に対して、9月末までにPFOSとPFOAの測定を行い報告するように指示を出しました。
その結果、今年度の測定(1745か所)では、暫定目標値を超えるところは無かったということです。
過去にも測定されていて、暫定目標値を超えるものがあった
これらの物質に対する安全性への懸念は、かなり前から言われています。
POPs条約において、PFOSは2009年からPFOAは2019年から規制対象物質になっています。
PFOAについては、ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男という映画にもなっています。アメリカでは2019年、日本では2021年に公開されています。
そして、PFOSとPFOAの測定は、実は過去から行われています。今回の報告では、2020-2023年に測定されたPFOSとPFOAの結果も公表されています。
ただし、毎年測定されているかと言えばそうでもなく、未だに測定してない事業者も存在します。今年度も100%ではありません。
その中で、多くニュースで取り上げられているのが、2020-2023年に測定結果において、国の暫定目標値を超えた14事業の場所です。
岡山県吉備中央町も当然入っています。
今回の公表内容は水道水のみ
もう一点注意しなければならないのは、今回の発表は水道水のみの結果だということです。
いわゆる井戸水や地下水、河川水は対象になっていないはずです。
実際のPFASによる汚染は、水道水だけでなく多分もっと広範囲に及んでいると考えられます。
以前記事化した農薬もそうですし、汚染された水の近くで育った動植物も汚染はされているでしょう。
ただ、怖いと考えるだけでなく、時間は多少かかるでしょうが生態学的研究なども取り入れ、きちんと解析していくことが重要でしょう。
現状は汚染源を特定し、広がらない対策をすることが最初の課題かもしれません。
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