少し前に、ミネラルウォーターから水道法の暫定目標値を超えるPFAS検出されたというニュースが流れてきました。
ペットボトルのミネラルウォーターが汚染されていたことが発覚!1年以上販売されていたが神戸市は公表せず
記事の内容を読んでみて、やはり日本のPFAS規制に関する今の状況は、もう少し何とかすべきなのかもしれません。
それでは記事の内容を確認してみましょう。
事実は情報公開請求により発覚
この事実が発覚したのは、兵庫県明石市です。市議の方が、情報公開請求したことによって明らかになりました。
明石市においては、水源の明石川の上流で高濃度のPFASが検出されています(明石市のHP参照)。なので、汚染源を探ろうとして、隣の神戸市に「PFASへの対応について市の担当部局と市長が協議した内容と結果がわかる文書」を求めたようです。
この際、想定外の上記状況が発覚しました。
事の経緯は
- 2022年12月、厚労省から神戸市の食品衛生課に連絡:神戸市内で製造するペットボトルを検査したところ、PFASが1リットル中、57.6ナノグラム検出
- ミネラルウォーターの製造業者に連絡
事業所内にある井戸から汲み上げた地下水を商品化:PFASについての認識なし - 2023年1月、市で検査したところ、ミネラルウォーター中に100ng/L検出
水源の地下水からは100~270ng/L検出
市が濃度を下げるように要請したが、2023年12月になってようやく活性炭による除去フィルターが取り付けられた。その後、目標値の50ng/Lを下回ることが確認された。
PFAS(PFOSとPFOA)に濃度規制はない
PFAS(PFOSとPFOA)に関して言えば、ミネラルウォーターは、清涼飲料水として食品衛生法の範疇に入るが、同法にはPFAS規制はありません。
また、米環境保護庁(EPA)PFOSとPFOAの飲料水基準を新たに決定!日本への影響は?で説明したように、日本では、2020年に設定された水質管理目標設定項目に目標値(暫定)は以下のようになっています。
PFOS+PFOAの合計値として 50ng/L
また、PFASの食品健康影響評価結果と全国の水道水のPFAS検出状況把握へで示したように、
食品健康影響の指標値は、耐容一日摂取量(TDI)として
- PFOSに対して20 ng/kg 体重/日(2×10-5 mg/kg 体重/日)
- PFOAに対して20 ng/kg 体重/日(2×10-5mg/kg 体重/日)
- PFHxSは、十分な知見がなく指標値の算出困難
となっています。
いずれも目標値や指標値であって規制値ではありません。
従って、ミネラルウォーター中にPFASが100ng/L PFAS入っていても、お役所に報告はする必要はあるかもしれませんが(多分それも任意)、公表する必要すらありません。
そのため、少なくとも1年以上もPFASが目標値を上回ったものが出荷されたわけです。
この事実をどう判断するのか?
現時点で、上記のような状況が起こったからと言って、誰も責めることはできません。少なくともだれも規制に対して違反しているわけではありません。
ところが、PFASの汚染自体は全国各地に広まっており、不安を増大させている国民が増えているのも事実です。
PFASは、絶対安全とも絶対安心とも言えず(全ての物質がそうですが)、リスク評価的には一部のPFAS(PFOSやPFOAなど)は問題があるとされており、世界中で規制方向になっているわけです。
ここから後は、管理人の意見ですので、別の意見を持たれるかともいると思います。
管理人は、なんでも規制するのは嫌いな人ですが、PFASの場合、日本に置いて現状のように規制が全くないというのは、それなりに問題な気がします。
少なくとも、日常生活でそれなりの量、体内に取り込まれる可能性がある場合は、ある程度規制しても仕方ないかなと思います。
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