PFASの食品健康影響評価結果と全国の水道水のPFAS検出状況把握へ

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ここ数週間の間に、国内のPFASに関していくつかの動きがありました。

今回は、国内でも関心が高まっているPFASについてどのような動きがあったのか見ていきましょう。

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食品安全委員会でPFASの健康影響評価の評価書が公開されました

まず最初は、2024年6月25日に開催された第944回食品安全委員会において、有機フッ素化合物(PFAS)の評価書が発表されました。

「有機フッ素化合物(PFAS)」の評価に関する情報というページに情報はまとまっています。

この評価書によると、評価した物質は、PFOS、PFOA 及びPFHxS の3 物質を中心に評価と書かれておりそれ以外の物質については、評価はほぼ行われていません。

また、健康影響評価のエンドポイントは、海外評価機関による評価書で検討されたエンドポイント別に整理となっています。

この辺りは、管理人は生物学が全く不得手ですので、評価書を読んでください。

いろいろ理由は書いてありますが、結論として、食品健康影響の指標値は、耐容一日摂取量(TDI)として

  • PFOSに対して20 ng/kg 体重/日(2×10-5 mg/kg 体重/日)
  • PFOAに対して20 ng/kg 体重/日(2×10-5mg/kg 体重/日)
  • PFHxSは、十分な知見がなく指標値の算出困難

と判断されています。

これは、従来のPFASの食品健康影響評価書(案)と変わっていません。

この案に対する約4000件のパブリックコメントの大部分は、緩すぎるという内容でしたが、反映はされていません。

欧州食品安全機関(EFSA)は2物質の合計で体重1キロ当たり0.63ナノグラムと設定されているそうでかなりの差があります。

この件は、ネット上でもニュースになっているようです。

NHK 「PFAS」の基準値盛り込んだ健康影響評価書まとまる
東京新聞 政府がPFAS摂取許容量を決定、「緩すぎる」のパブコメに耳貸さず…原案通り「ヨーロッパ基準の60倍」
日経ビジネス電子版 健康被害懸念のPFAS規制、日本が後手「脱炭素の構図」再び

管理人の感想としては、PFOSとPFOAだけで、PFASとしての評価はされていないのね。そこはまずいんじゃないという感じです。つまり、予防原則をどこまで考えてやっているのかよくわからんということです。

全国の水道水のPFAS検出状況を把握へ

もう一つの動きは、国が全国の水道水についてようやくPFASの検出状況を報告するように要請したというニュースです。

もちろん、今までもPFASの検査は行われていましtが、その実施は任意であったため、全国の水道に対して行われているわけではありませんでした。

国内のPFASに対する健康影響研究や除去技術についてでも書いたように、水道水からも水質に対する暫定目標値を超えるPFAS(PFOS+PFOA)が検出されてしまっているので、まずいと言うことなのでしょう。

管理人は、この要請した実際の文書がどこにあるのかわかりませんでした。知っている方がいたら教えてください。

ニュースによれば、

  • 上水道のほか簡易水道など小規模事業者も対象になっている
  • 令和2年度から今年度にかけての水質検査の実施の有無
  • 検出された場合はその最大の濃度の報告
  • 検査を実施していない場合はその理由や今後の実施予定
  • 1度も水道水のPFAS検査を実施していない事業者は、2024年9月30日までに1回は水質検査を実施し、報告

などが内容になっています。

ようやく全国の飲料水の網羅的なPFAS(PFOS+PFOA)の把握が行われることになります。

NHK 全国の水道水のPFAS検出状況把握へ 国が検査結果など報告要請
時事通信 PFAS、水道水の実態調査=1万超対象、目標値見直しへ―政府
ANNnewsCH 全国の水道で初の「PFAS」実態調査 国が要請(2024年6月26日)

やはり遅いと言わざるを得ませんね。

国内のPFASの動向も大きな動きがあればチェック予定

国内のPFASの規制や調査、評価の動向などは大きな動きに気が付けば、今後も記事化予定です。

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