ECHAは、2024年1月30日に新しい化学物質のデータベース、ECHA CHEMを発表しました。
その背景については以下のように述べられています。
「2016年に開始されたECHAの現在の化学物質情報プラットフォームは急速に成長し、現在では36万以上の化学物質に関する情報が含まれている。2022年、ECHAは化学物質データを公表するための新しいシステムを構築すると発表した。ECHA CHEMにより、ECHAは技術の進歩を活用しながら、増大するデータの多様性と量をより適切に取り扱うことができる。」
多分、単に既存のシステムでは限界が来たんだな、きっと(^_^)。
ECHA CHEMにはどんな情報が載るのか?
今回発表されたECHA CHEMは、化学物質に関する情報を公開するための新しいソリューションなのですが、現在利用可能な最初のリリースには、すべてのREACH登録からの情報が含まれているとのことです。
ECHAのHPには以下のように書かれています。
ECHA は、産業界から提出されたデータと EU の規制プロセスで作成された情報を組み合わせた、欧州連合(EU)最大の化学物質データベースを管理しています。ECHA CHEM は、ECHA がホストする増え続ける情報を一般に共有するための新しいソリューションです。
ECHA CHEMの最初のバージョンでは、企業がECHAに提出した100,000件を超えるREACH登録のすべての情報を見つけることができます。
今年後半には、再設計された分類・表示インベントリによってデータベースが拡張され、その後、規制リストの最初のセットが追加される予定です。
ということで、現時点ではREACH登録のすべての情報のみが完全に含まれているということです。分類や規制に関しては、今年の後半だそうですのでそれまで待ちましょう。
ECHAのシステム部長さんの話も載っているのですが、「大量のデータを扱うことができる柔軟な技術プラットフォームとして設計されている」そうなので期待しましょう。
でもこういうしいステムって、何年もつのか、、、ゲフンゲフン。
今はどんな情報が載っているの?
では、現時点でのECHA CHEMにはどんな情報が載っているのでしょうか?軽く見てみましょう。すぐに分かる範囲だけなので、物質に関する全情報ではありません。
必要な情報は、皆さんご自身で検索してください。
まずは、ECHA CHEMにアクセスしましょう。
すると味もそっけもない以下のようなページが立ち上がります。
試しにEthanolを入れて検索してみましょう。
すると、検索結果は889もありました。ちなみにEthyl Alcoholで検索しても、検索結果は100あります。
今回、目的のEthanolは、たまたま上から2番目にありましたので、これをクリックします。
すると、名前やEC number、CAS number、分子式、構造式などの基本情報とREACH登録がいくつあるのかが出てきます。今回は802ですね。
REACH registrationをクリックするとどれだけregistrationしている企業団体とDossierのリストが出てきます。今回は、673のDossierがあります。リストの右横にView Dossierがありますので、クリックすると、内容を見ることができます。
リストの右横にView Dossierがありますので、クリックすると、内容を見ることができます。試しに1行目のEthanolのLeadの所のDossierを見ると以下のような画面が出てきて、公表されているすべての情報を左側のカラムで選ぶことによってみることができます。
また、REACH registrationの画面で、Registantsのタブをクリックすると、どこがこの物質を登録しているかがわかります。もちろん、Confidentialとして公開してない場合もあります。
このような登録に関する各種情報を見ることができます。
これから足される情報もあるので今年後半に再チェックしたほうがいいかも
上に書いたように、ECHA CHEMは、今後新しい情報が足されていきます。それは、分類や規制の情報なので有用でしょう。もちろん新たにREACH登録された物質情報も足されるでしょう。
もし覚えていたら、新しい情報が足されたときに見てみたいと思います。
コメント