REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(42)

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今回は、2025年1月21日に第32次のSVHCが発表されました。

今回の追加分だけゆっくり解説は、Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphiteです。

これは、第32次のSVHCとはみなされていませんが、以前にSVHCとされていた物質が書き換わったので、解説します。つまり、更新されたわけです。

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何がどう更新されたのか?

Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphiteは、以前はTris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphite (TNPP) with ≥ 0.1% w/w of 4-nonylphenol, branched and
linear (4-NP) という名称で、2019年7月16日付でSVHCに加えられています。

このトリス(4-ノニルフェニル、分岐および直鎖)ホスファイトは、すでに「4-ノニルフェノール、分岐および直鎖(4-NP)を0.1重量%以上含有する」という条件付きの部分が無くなりました。

この物質の内分泌かく乱特性は、物質の組成に4-NPが存在するかどうかに関わらず、REACH規則第57条(f)に従って、同等の懸念レベルであるとみなされるということからこのような修正が行われています。

そしてその下に、これに包含される5つの例示物質も収載されています。

更新されたTris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphiteの基本情報

では、まず Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphite基本情報を見てみましょう。

化学物質名:Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphite (TNPP)
和名:トリス(4-ノニルフェニル、分岐と直鎖)フォスファイト 
これは単なる直訳です、以下あえて和名は記載しません。
CAS RN:ー
EC No.: 799-976-5
分子量:689.01

この物質は、いくつかの物質の混合物でもよいので、構造式は示すことができません。そしてこの下に5つの例示物質が書かれていますのでそちらも見てみましょう。
とはいっても、物質名とCASとECの番号、わかるものは構造式というだけのものです。

Phenol, 4-nonyl-, phosphite (3:1)

化学物質名:Phenol, 4-nonyl-, phosphite (3:1)
CAS RN:3050-88-2
EC No.: ー

Tris(nonylphenyl) phosphite

化学物質名:Tris(nonylphenyl) phosphite
CAS RN:26523-78-4
EC No.: 247-759-6
構造式

Phenol, p-isononyl-, phosphite (3:1)

化学物質名:Phenol, p-isononyl-, phosphite (3:1)
CAS RN:31631-13-7
EC No.: ー

Phenol, p-sec-nonyl-, phosphite

化学物質名:Phenol, p-sec-nonyl-, phosphite
CAS RN:106599-06-8
EC No.: ー

tris(4-nonylphenyl, branched) phosphite

化学物質名:tris(4-nonylphenyl, branched) phosphite
CAS RN:ー
EC No.: ー

これらのものは、構造異性体なので分子量は、同じです。

Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphiteの危険性は何か

この物質が、SVHCになっている理由は、内分泌かく乱性(第57条f)(環境)に該当する物質だからというのが理由です。

そして、ECHAのSubstance Infocardによれば、Tris(nonylphenyl) phosphiteは、欧州連合が承認した調和分類および表示(ATP03)によると、水生生物に非常に有毒であり、長期的影響により水生生物に非常に有毒であり、アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性があります。

そして、tris(4-nonylphenyl, branched) phosphiteは、REACH登録において企業がECHAに提供した分類によると、この物質は水生生物に非常に強い毒性があり、その影響は長期にわたる。水生生物に非常に強い毒性があり、重度の皮膚火傷および眼の損傷を引き起こす。飲み下すと有害であり、生殖能力または胎児への悪影響の疑いがあり、アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性があると書かれています。

Tris(4-nonylphenyl, branched and linear) phosphiteの使用用途はどこか

実際のところ、REACH登録が書かれている物質は、tris(4-nonylphenyl, branched) phosphiteだけです。

ECHAのSubstance Infocardによれば、この物質は、REACH登録はされており、年間1,000トン以上10,000トン未満製造もしくは輸入されています。

消費者製品としては、接着剤および密封剤、コーティング製品およびポリマーに使用されているとあります。

この物質は、業者の方、調合、再包装の際、事業場においても、接着剤および密封剤、コーティング製品やポリマーに使用されているとあります。

事業場においては、この物質は、プラスチック製品およびゴム製品の製造にも使用されているとあります。

この物質の環境への放出は、それらの用途で使われた状態の物から放出されていきます。

日本においての情報はほとんどありませんでした。

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