循環経済(circular economy)と化学物質管理(その8)

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循環経済(circular economy)と製品化学物質管理の8回目です。

今回は、循環経済対応の製品含有化学物質管理 ディスカッションペーパーの続きになります。

4.循環経済対応の製品含有化学物質管理の部分を読んでいくわけですが、1回では終わらない気がします。

では行ってみましょう。

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4.1 サプライチェーンにおける製品含有化学物質管理の再確認<対象プロセス:1>

この4章の最初として挙げられているのが、4.1 サプライチェーンにおける製品含有化学物質管理の再確認です。

この中には、以下の3項目があります。
 4.1.1 併行生産の管理
 4.1.2 リサイクル材のリスク管理
 4.1.3 循環経済に配慮した設計開発における製品含有化学物質管理

このうち、4.1.1の併行生産の管理は、従来の製品含有化学物質管理においても言われてきたことであり、循環経済に特有のことではありません。

一方、4.2.2のリサイクル材のリスク管理は、従来リサイクル材を使用してこなかった企業、事業所には大きな問題になります。

プレコンシューマー材で行われた処理などの素性がはっきりしている場合は、比較的問題は少ない(それでも汚染などの管理は必要だし、むしろ品質問題がある場合も)と思うのですが、ポストコンシューマー材となるとリスク管理は非常に大変です。

また、同一工場・同一工程内廃材の場合は、プレコンシューマーと似たようなリスク管理になると思います。

一番大変なポストコンシューマー材ですが、この文書では(1)クローズド・リサイクルと(2)オープン・リサイクルに分けているのですが、素性がはっきりしないという意味ではあまり変わりはないと考えます。

実際のところポストコンシューマー材を新規の製造品に取り入れるのは、非常に大変なのが現実です。

日本で言えば、家電リサイクル法で数量が集められる材料、企業に納入される複写機のようにメインテナンスのために状態が把握され、リースのような形式になっているものなどは、ポストコンシューマー材を利用できるでしょうが、それ以外のものは非常に厳しいでしょう。

特にプラスチックのポストコンシューマー材を利用とするとかなりのハードルになります。現時点では、そのリスクの高さから一部しか利用されていないのが現実だと思います。

PETボトルのような単純なものでさえリサイクル率は非常に高くてもPETボトルに戻る割合はわずかです。

つまり、手間がかかりすぎてお値段が高くなってしまうという本末転倒のようなことが起きるわけです。

更に、この項にはフタル酸エステルや臭素系難燃剤の混入の事例も示されています。

最後に4.1.3の循環経済に配慮した設計開発における製品含有化学物質管理の部分は、非常に重要なことは書かれているのですが、概論的で具体的な例が全く見えません。

製品の企画、設計段階で環境負荷の大部分が決まってしまうというのは全く持ってその通りです。
しかし、企画設計の段階でこの項に書かれている、部品調達から製造手法、輸送、リサイクルや廃棄物管理まで見通すことは、かなり難しいでしょう。

現在の環境アセスメントがそこまで行っているとは思えませんが、管理人は10年前に製造業を離れてしまったので最近は進んでいるのでしょうか。
従って循環経済に資する製品開発って、どこまでやられているのかは、管理人ははなはだ疑問に思っています。

と言うのも、経済的に回らないものはほぼ普及しないと思うからです。

次回は、4.2 リサイクル材の適切な利用のための管理から

今回は、4.1だけで終わってしまいました(本当は、時間がなかったとも言う)。

と言うことで、次回は4.2 リサイクル材の適切な利用のための管理の部分からです。

ただ、今回のように管理人の考えを入れてしまうと長くなりそうなので、今後は最低限にしようと思います。そして、この文書はお手元にあるものとして記載予定です。

この文書、今年中には終わらせたかったのですが、なんか無理そうな気もしてきました。


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