直近の2024年11月25日あたりから、岡山県吉備中央町で公費PFAS血液検査開始というニュースが世間を騒がせているようです。
今回は、どういう経緯でそうなったのか見ていきましょう。
浄水場の汚染が公表されたのは2023年10月
岡山県吉備中央町の円城浄水場においては、2020年の調査からPFASの濃度が国の暫定目標値を超過していたにも関わらず、初期には保健所にさえ報告していないという事態が起きていました。
2022年10月の調査結果で、1400ng/L(暫定目標値 50ng/L)という値となり、これは暫定目標値の28倍です。
直近のニュースで流れているのはこの値です。
この値が出たことにより、保健所から迅速な対応が必要との指摘がされています。しかしながら、この汚染の事実が公表されたのは、1年後の2023年10月17日になってからでした。
そして、ようやく今年の11月になって住民の血液検査が公費で行われることになりました。直近のPFASのニュースを参照してください(例えば、NHK岡山の”吉備中央町PFAS問題 全国初の公費による血液検査始まる”)
要は、住民の方は、PFAS濃度が暫定目標値より何十倍も高い水を長年にわたって飲んでいたことになるのです。
対応があまりに遅い
この一連の時系列の見ると、住民の健康に関係あるかもしれない事象であるのに、行政の対応があまりにも遅いと感じられるのは、管理人だけでしょうか?
規制値がないということかもしれませんが(暫定目標値だけ)、初期には保健所に報告さえしていないことを考えると、ほとんど意識していないもしくは重要視していないことが伺えます。
汚染源はほぼ確定している
この、岡山県吉備中央町の事例は、汚染源がほぼ確定しています(いろいろ言う人はいるかもしれませんが)。
浄水場の水源近くの資材置き場(同町上田東)に多数置かれていた大型梱包(こんぽう)袋「フレコンバッグ」の一つから1リットル当たり450万ナノグラム(ナノは10億分の1)の濃度のPFASが確認されています。
フレコンバックの中身は活性炭でそこに吸着されていたPFASが雨など影響で溶出したことが原因です。
活性炭は、吸着剤として有害物の除去などにも頻繁に使われます。
活性炭の再処理業者は、「PFASが含まれているという説明は受けておらず、通常の再生用の活性炭として受け入れた。この問題が発覚して初めて知った」と述べているということです。
PFASの除去は高温燃焼処理、他にも事例がありそう
このPFASを根本的に除去するには、高温燃焼処理くらいしかないでしょう(他にあるなら教えて欲しい)。
やれば、大きな費用が掛かるのは確実です。
そして、活性炭による吸着で有害物質を除去する手法は、それなりに行われると思いますので、吉備中央町だけでなく他で起こっても何ら不思議ではありません。
PFASに対する規制は強化される?
全国各地でPFASによる汚染が指摘されていますので、少なくとも水質に対してはPFASの規制は強化されていくだろうと考えます。
コメント
フレコンバック自体は粒状の物体を500kg, 1tの単位で封入して運搬・保管するもので、
普通に取扱・保管していれば中身が流出するものではないと思いますが、2008年から置
かれていたそうなので、恐らく野ざらしで破損・流出したのでしょうか。
身近に有りそうな事例なので、PFASに限定しなくとも怖い話ではあります。
パンチ様、コメントありがとうございます。管理人です。
確かにフレコンバックは、普通中身が流出するものではありませんが、しょせんプラスチックなので野ざらしによる経年劣化などにより内容物に全く雨がしみ込まない、流出しないという保証もないでしょう。
PFASに限定しなくても怖いというのはその通りですね。
どぉも。
熱があったら医者に行けば良いし、お腹が空いたら食堂へ。
で、PFAS濃度が濃かったら、どこに行けば良いのか?
ということも、行政内では侃々諤々のやり取りがあったのでは?
(とすれば、どこまで国と情報共有出来ていたか? という結論でしょうか。)