以前、第5回FCJウェビナー開催の案内がありましたということでお知らせしたセミナーをようやく視聴しました(遅い!)ので、その感想を述べてみたいと思います。
既に、視聴している方もたくさんいらっしゃると思いますので、今回は、管理人の感想だけです。
当然異なる意見や感想もを持たれた方もいるとは思いますが、単純にそういう感想の人もいるんだなと言う生暖かい目で見てください。
内容の4部構成は良かった
セミナーの冒頭に、FCJ(日本フルオロケミカルプロダクト協議会)の説明と活動実績の内容が話されました。
これは主催者である以上当然と言えば当然ですが、もう少し短いほうが良かったかもしれません。特に「特定PFAS」の説明がここで必要なのか良く解らないです。
セミナーの内容構成は、
- 欧州PFAS規制の最新動向
- 米国連邦・各州PFAS規制の最新動向
- 国連や日本のPFAS規制動向
- PFAS規制化の解説
となっているのですが、この構成は良かったと思います。各地域や国の規制動向がわかるとともに、その考え方の違いなども分かるようになっているからです。
欧州が予防原則によるPFAS全体に網をかけようとしていること、アメリカは、連邦政府と各州でアプローチが違うこと、POPs条約と日本の規制動向についてなど割とわかりやすく解説してあります。
PFAS規制化の解説は、フッ素系の製造工業会の考え方になっている
セミナーの最後の項目であるPFAS規制化の解説は、セミナー主催者がFCJなので当然なんですが、フッ素系の製品を製造販売している工業会の考え方になっています。
まず最初に、
PFAS言葉自体が混乱を招いている、つまりPFOS、PFOAに関する問題が、フッ素系材料全般に問題があるように伝えられていることが原因。
としています。
そこで、有害性の懸念されているPFOS、PFOAなどを「特定PFAS」と区別したいという意図があります。
ですが、これはPOPs条約でもPFOS、PFOAだけでなく、PFHxSや更なるフッ素系化合物を制限する方向にあります。「特定PFAS」とは何なのかの定義がはっきりしないことにもなりかねません。
次に、PFASの生体蓄積性や、有害性について言及しています。
ここでは、
生体蓄積性があるのはPFASの一部である、個人の健康被害が生じたという事例は、国内において確認されていない
という主張がなされています。
これは事実であると思いますが、だからと言って大丈夫だということにはなりません。
更に、環境省の発表したPFOS、PFOAに関するQ&Aから一部が抜粋されています。
最後に、FCJの考え方と行動が示されています。
端的に言えば、責任ある製造者、メーカーとして、プロダクトライフサイクルの環境負荷を最小限にとどめ、環境に配慮した生産活動を行うということです。
PFAS汚染の詳細は未だわかっていない
ここからは、より管理人個人の予想と言うか根拠があまりない思いですので、適当に流してください。
過去に、日本のPFAS汚染についていくつか記事を書いてきました。
- 日本におけるPFASに関する調査は?
- PFASに対する総合戦略検討専門家会議第4回までが終了しました
- 国内のPFASに対する健康影響研究や除去技術について
- PFASの食品健康影響評価結果と全国の水道水のPFAS検出状況把握へ
- ミネラルウォーターから水道法の暫定目標値を超えるPFAS検出のニュースについて
- 水質調査で検出されるPFASのニュースと化審法におけるいわゆるPFASの規制について
- 「PFAS農薬」欧米で増加 食品への残留も 実態解明調査進む、のニュースについて
これらの記事を書く際に調べた情報から考えると、国内におけるPFAS汚染の詳細は未だわかっていないというのが現実だと思います。
環境省の発表したPFOS、PFOAに関するQ&Aでは、
同一の測定点において 水質(河川等)、底質、大気中の濃度が全体的な傾向として年々減少傾向にあり
ます。
となっているのですが、新たな汚染地点や汚染されている物は増加していると考えざるを得ません。
健康影響に関しても更なる研究が必要でしょう。なぜなら、今まで人類が経験してきた化学物質の被害は、事前に予防できた例は少なく、事後対処のものがほとんどだからです。
と言うことで、今回は管理人の勝手な感想でした。
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