2024年6月14日にchemSHERPAデータ作成支援ツールV2R1_beta3 (サンプル同梱)として一般公開されました。
今回は、前回のchemSHERPA-AI側だけでなくCI側も確かめなければということで、サンプルデータで確認してみました。
CIサンプルデータは三つ
今回同梱されているCIのサンプルデータは、以下の三つになります。
- SHCI_AIIN_V2ex_sample.shci
- SHCI_CIIN_2.09.00_V2_sample.shci
- SHCI_CIIN_V2ex_sample.shci
このうち、SHCI_AIIN_V2ex_sample.shciは、AIでの引用デモ用に揮発の宣言、管理対象候補物質を加えたものということです。
chemSHERPA-CI-V2R1.00を立ち上げてみる
では、まず同梱されているchemical.exeを立ち上げて、基本情報画面を見てみましょう(図1)。
chemSHERPA-CI Ver.2.09と比較すると、今までなかった項目が発行者・承認者情報に存在します。
それは、伝達事項の項目と管理対象候補物質の報告です。V2R1では、成分情報と全成分(FMD)が区別されるために追加されています。
一方、管理対象候補物質は、するかしないか選択できるようになっているために項目として加わっています。
次に成分情報画面を見てみましょう(図2)。
こちらにも、一番上のほうに、今までなかった成分/全成分(FMD)の区別をする欄が増えています。
それともう一つ、欄として従来の最大含有率とコメントの間に変換物質の欄が設けられています。
ここは、製品がCIからAIに変換される時に何らかの変化が生じる可能性のある物質の場合に、どの様な変化なのかを入力する場所になっています。
選択肢として、1.揮発 2.反応 3.析出が存在しています。
次に今までは「任意報告」となっていた項目の名称が、「管理対象物質(候補含む)以外」と変更になっています。これも、全成分(FMD)開示が追加されたことによる変化です。
SHCI_CIIN_2.09.00_V2_sample.shciのデータを読み込んでみる
では、実際にsampleファイルを開いてみましょう。
まずは、SHCI_CIIN_2.09.00_V2_sample.shciです。するといきなり外部リストバージョンが古いと怒られます。
警告なので、無視してウインドウを閉じます。
基本情報画面上では、外部リストバーションの部分が黄色い警告状態になっています。
成分情報画面を見てみると、この製品は、成分情報は管理対象物質を報告しているだけで、全成分でもないことから、従来とほとんど変化のない内容となっています。
SHCI_CIIN_V2ex_sample.shciのデータを読み込んでみる
では、次にSHCI_CIIN_V2ex_sample.shciを読み込んでみましょう。
何ら変わりないように見えますが、この場合警告は出ず外部リストバーションはVer.2.09ではなく、ダミーでしょうが外部リストバーションが、2.99になっていて、整合性が取れていることがわかります。
成分情報を見てみましょう(図7)。
成分情報の表示結果は、SHCI_CIIN_2.09.00_V2_sample.shciのものと変わらないことがわかります。
SHCI_AIIN_V2ex_sample.shciのデータを読み込んでみる
最後に、SHCI_AIIN_V2ex_sample.shciを読み込んでみましょう。このデータは先に説明したように物質変換も管理対象候補物質も含まれたデータになっています。
基本場本画面を開いてみると管理対象候補物質の報告はしないが選択されています。
「いやしてるやん!」と思わず突っ込みました。ということで、ここはsampleデータとしての正確性から言えば不適切です。
でも、実際は管理対象候補物質の報告しないを選択して、報告してもプログラム上はエラーになりません。
気を取り直して、成分情報を見てみましょう(図9)。
ここを見てみると、トルエンの変換物質の項目に揮発(日)が入力されています。まあ、溶剤だからそうなるでしょう。
更には、Triphenyl phosphateのCDSのところに1のフラグが立っています。
次回こそV2R1での変化部分をチェック
今回は、chemSHERPAデータ作成支援ツールV2R1_beta3 (サンプル同梱)でのchemSHERPA-CI側が、サンプルの件も含め抜け落ちていたことに気づき、その記事にしました。
次回からこそ、V2R1での変化部分を少しづつ検証していく予定です。
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