chemSHERPA講座の2回目です。これからこのchemSHERPA講座は、前置き文章はほとんどなく、淡々と記事が進んでいく感じになります。
それでは、行って見ましょう。
chemSHERPAとは何なのか?chemSHERPA HPの構成
chemSHERPAは、現在組織としてのJAMPが運営しています。とはいっても、組織の大部分の仕事は、chemSHERPAの維持と普及になります。
chemSHERPはHPを持っています。ここに、chemSHERPAのほとんどすべてのことが書かれていると同時に、必要な資料やツールもDLできるようになっています。
ですが、この膨大な資料を読むのは大変だと思います。ですので、構成を紹介しながら何からはじめればいいのか見ていきましょう。
chemSHERPA HPより引用
chemSHERPAのHPのトップは、上のような画面になっています。
ロゴがあって、その下に8個のTABがあります。
更にその下には、お知らせや最新情報が書かれていますので、ここは見ておいた方が良いです。
さて実際にchemSHERPAを使う際に必要な内容は、このTABの中に項目がありますので説明していきましょう。
chemSHERPAについて
最初のTABであるchemSHERPAについてについては、3つのサブ項目に分かれています。実際には、TABにカーソルを持っていくと展開されますので必要なものを選びましょう(他のTABも同様です)。
chemSHERPAについて
最初のサブ項目は、chemSHERPAについてとなっています。
ここには、なんで製品化学物質の情報伝達をしなきゃいけないのかとか、chemSHERPAのデータを作るためには最初何をしなければならないのかとか、使い方を知るにはどうしたらいいのかなどの情報が書かれています。
必要に応じて、項目のリンクをクリックして情報を得ましょう。
管理人的に「chemSHERPAなんぞ聞いたことがない!(キリッ!)」という方は、
- はじめてchemSHERPAを始める方へ
- データを作成しなくては!
をまず読んでいただければと思います。
chemSHERPA説明資料
実際のchemSHERPAに関する資料は、このサブ項目に載っています。ここは更に、タイトルとして以下の3つにわかれています。
- サプライチェーン・パートナーシップ基本方針 / chemSHERPA利用ルール
- 動画説明資料
- chemSHERPA関連資料
この中で必須で読まなければいけないのは、chemSHERPA製品含有化学物質情報利用ルール(Ver.1.5)(日本語版)です。
なぜなら、chemSHERPAを使うときのルールが書いてあるからです。
動画説明資料は、chemSHERPA学習動画の日英中版が掲載されています。そこからDLしてchemSHERPAの勉強を動画でできるもので便利ですが、これだけで理解するのは結構難しいかもしれません。
chemSHERPA関連資料には、chemSHERPA入門セミナーV.3テキストの日英中が置いてあり、Ver.1の時代の古い資料ではありますが、基本的考えは今でも役立つものです。
個社様式削減事例紹介
ここには、個社様式削減事例紹介や困りごとや意見を下さいというようなことが書かれていますが、現時点では、資料が多くはないので、管理人的には優先度は低いと考えています。
データ作成支援(ツール等)
ここのTABには、データ作成支援に関する項目が集められており、データ作成支援ツールもここにあります。サブ項目として以下の5つのタイトルがあります。
- データ作成支援ツール (日英中)
- 管理対象物質情報
- ツール技術情報/データ事例サンプル
- 外部リスト類利用サービス
- システム開発関連情報
これらの内、最初の3タイトルは、同一ページの中に存在します。
データ作成支援ツール (日英中)
ここには、データ作成支援ツールの最新Ver.がありますので、DLしてchemSHERPAのデータを作りましょう。日英中それぞれに対応したツールがあります。
管理対象物質情報
ここには、chemSHERPA管理対象物質説明書とchemSHERPA管理対象物質参照リストが直近の3Ver.分載っています。
しかしながら、この二つの文書は、chemSHERPAのデータ作成支援ツールをDLすると添付されている書類として付いてくるので、わざわざ別にDLする必要はありません。
ツール技術情報/データ事例サンプル
ここには複数の違った文書が置いてあります。
ただ、このタイトルの中にあるもので重要なのは、データ作成支援ツール_リリースノート集です。
クイックマニュアルもあるのですが、これは必要な方だけで良いと思います。
chemSHERPA-AI_CI_データ作成事例サンプルは、自分のデータを作る際の参考になるかもしれません。
このデータ作成事例サンプルのもう一つの役割は、セミナーなどの例題になることです(^^;。管理人がやっているセミナーでも使っています。
また、SCIP対応ガイドライン_v1.2もここにあります。成形品を取り扱っていて、最終的に自社製品が部品としてでもEUに行く方は、見ておかなければなりません。
化学品つまりchemSHERPA-CIを使用する方は、全く関係がありません。
外部リスト類利用サービス
chemSHERPAは、その中に化学物質のリストはもちろん、エリア情報、規制情報、材質情報など各種マスタを大量に持っています。
データ作成支援ツールにおいては、これらのマスタは表に出てこずに内部で動いているわけです。
しかしながら、自社のシステム開発をしたり商用のサービスに利用するとなると、これらの情報やマスタの内容を知らないとできません。
そこで、これらの情報(外部リスト類と呼ばれます)が有償(年単位)で提供されています。
これらの情報については、CAS RN® ライセンス料も必要になる場合もあるため、そこそこのお値段がします。
ですが、大きな会社にとっては、この料金を払ってでも自社内にシステム構築したほうが圧倒的に効率化できる可能性があります。
その他詳細は、当該ページをご覧ください。
システム開発関連情報
上の外部リスト類利用サービスは、chemSHERPAに関わる情報やマスタ、CAS RN® ライセンス料の有償提供でしたが、こちらは、chemSHERPAデータの入出力機能を有するシステムの開発に必要な情報の提供のページです。
chemSHERPAデータの入出力に関する要求仕様や使用しているxmlフォーマットなどについてです。
こちらも有償です。
この部分は、システム開発者の方のみに関係するページです。
管理ガイドライン
このタブには、管理ガイドライン、各種ガイダンス、CiP管理入門講座 :音声ガイダンス付きという3つのサブ項目があります。
とは言え、この3つの内容は一つのページに書かれており、実際には管理ガイドラインと呼ばれている部分には、製品含有化学物質管理ガイドラインが書かれており、一方、CiP管理入門講座 :音声ガイダンス付きはその他文書という部分に書かれています。
ここでは、実際のページ書いてある区分で紹介していきます。
製品含有化学物質管理ガイドライン
ここには、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 附属書E:チェックシート第4.01版、の日本語、英語版、中国語版とハングル語版が置かれています。更には、附属書F自己適合宣言書(様式例)の日本語、英語版、中国語版が置かれています。
まあはっきり言って、附属書Fはどうでもいいですが、chemSHERPAを使う要件として、製品含有化学物質管理の仕組みが会社内にあることが条件になっていることから、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版 附属書E:チェックシート第4.01版は、内容を理解して、自社の製品含有化学物質管理に役立てるべきです。
というよりも、chemSHERPAは、製品含有化学物質管理の仕組みの中の一項目でしかありません。この件は、過去にこのブログで繰り返し書いています。
製品含有化学物質の管理および 情報伝達・開示に関するガイダンス
ここには、製品含有化学物質管理ガイドラインをさらにブレイクダウンした、例えば、潤滑剤 (各種オイル、各種グリース編)についてはどう考えるのかとか、商社の場合は?、機械加工の場合は?などのより特化した分野でのやり方や、製品含有化学物質の管理および 情報伝達・開示に関するガイダンス「 組織の製品含有化学物質管理基準〜作成サポート〜」(第1版)」などのより具体的な管理基準の作成方法などが書かれた文書が載っています。
従って、自社に必要だと思われる文書をDLして読んで実践するのが効率化につながると考えます。RoHS指令対象フタル酸エステル4物質の汚染管理に関するQ&Aなども載っています。
他団体が作成したガイダンス文書等
ここには、JAMPというかchemSHERPAの事務局や委員会メンバーが作成したのではなく、他業界の方が作成したガイダンス文書が載っています。
自動車業界における「製品含有化学物質管理ガイドライン」(初版)や中小企業のための製品含有化学物質管理実践マニュアル(第3版)もありますので、見ていただいて必要に応じてDLして、社内の製品含有化学物質管理に役立てるのが良いと思います。
その他の文書
ここには、それ以外の文書が載っているわけですが、ここに、製品含有化学物質管理 (CiP管理)入門講座 :音声ガイダンス付きが掲載されています。
それ以外にもいくつが文書が載っています。
入門講座だけでなく、必要に応じて利用するようにしましょう。
セミナー
今まで述べてきた3つのTABでchemSHERPAを使用することと、社内で製品化学物質管理を行うことの文書は、お終いです。残りのTABに関しては、本当に重要なのは、FAQ / お問い合わせのみですが、他のTABも説明しておきます。
まず、セミナーのTABですが、ここにはchemSHERPAに関するセミナーについての案内が載っています。
chemSHERPAは、上で述べたように文書や動画による学習がサポートされていますが、これだけではなかなか難しいかもしれないです。
そのような場合は、強制的な学習であるセミナー参加を検討するのも一つの手です。
chemSHERPA(ケムシェルパ)基礎講座(JAMP主催)、chemSHERPA実務者講座(JAMP公認)がメインです。
管理人も、JAMP非公認ではありますが、製品含有化学物質~chemSHERPAで情報伝達~という講座をやっていますので、よろしかったらそちらもどうぞ。
FAQ / お問い合わせ
このTABは、chemSHERPAに対するFAQとどうしても困った場合のお問い合わせ先が書いてあるページなのでとても重要です。
何か、chemSHERPAで疑問が生じた場合は、FAQのページで同じ内容の質問が無いか確認しましょう。
もう一つ重要なのは、電話の問い合わせは受付ていないことです。
問い合わせは、クリックすると現れる問い合わせフォームに必要事項を記入して、事務局に送る方法になります。回答は、メールで来ます。
サービス事業者 / リンク集
このTABは、chemSHERPAに関する各種業務支援サービスが可能な事業者(当然有償です)のできることと、連絡先、およびchemSHERPAに関係するリンク先をまとめたページになっています。
サービス事業者は、この記事を書いた時点で14社載っていますが、可能な支援サービスの内容は各社で異なるので注意が必要です。
自社では面倒くさくてシステム開発したくない、データ作成を手伝ってほしい、人材教育してほしい等いろいろな要求があると思いますが、適切な事業者を選ぶとともに価格も適正か確認しましょう。
リンク集は、まあ見てください(^^;。
JAMPとは
ここTABには、JAMPについて書いてあるわけですが、サブ項目の議長ご挨拶、JAMPについて、沿革、組織、規約類、活動内容、会員一覧にそれぞれが独立したページになっています。
管理人としては、まあ、適当にご覧くださいです。
入会案内・変更手続き
このTABは、JAMPへの入会案内や変更手続きが書いてあります。
JAMPの会員になった場合の特典も列挙されているので、そこをよく見て必要だと思えば会員になればいいと思います。
JAMP会員にならなくても、chemSHERPAのデータ作成支援ツールは無償で使えます。
会社の規模などによって年会費が異なりますので注意しましょう。
ちなみにJAMPの会員は、HPによれば会員数 :508(2023/09/12付)、*特別協力団体:4だそうです。
コメント
還暦環境調査員より
久しぶりの投稿になります。
愚痴になりますがchemSHERPAの遵法判断情報(IEC62474)では、
今回 経済産業省のニュース(ストックホルム条約よりDP、UV-328、メトキシクロル)
の物質含有を確認出来そうにないと思うのですがどうなのでしょう?
IEC62474だけでは網羅しきれないと思うのですが、せめて経済産業省の発表する
物質は、遵法判断情報のチェックが出来る様にして頂きたいものです。
的外れな内容ですいません。
還暦環境調査員様、コメントありがとうございます。管理人です。
chemSHERPA-AI Ver.2.08の遵法判断では、DPはSG036の塩素系難燃剤で確認されるでしょうし、UV-328は、行125にあります。
メトキシクロルは判断できないと思いますが、これはIEC62474が電子電機業界の規格団体のチームが判断しているからで、電子電機機器に殺虫剤は使われないとして切り捨ているのだと思います。
遵法判断は、IECの判断ですので、電気電子業界として判断しており、日本の法律のみを見ているのではありません。
POPs条約は当然見ているはずですが、むしろ、日本の法律はあまり見ていないかと思います。
還暦環境調査員より:
適切な回答を頂きありがとうございます。
OFFICE KS先生の言う通りなんです。
chemSHERPA-AIのデータを提出しているにも関わらず往々にして
特定化学物質調査のもとスルーパスを受けます。
何でも聞けばいい的な風潮に 辟易する今日この頃です。
還暦環境調査員様、コメントありがとうございます。管理人です。えーと、2回とも本名でしたのでニックネームの方に代えさせて頂いています。
可能であれば、最初からニックネーム側でコメントしていただければと思います(^^;。
何でも聞けばいい風潮は、聞く側が楽だからですよね。
まあ、答えてるはずですよと言ってあげればよろしいのではないかと。指定フォーマットと印鑑が必要な場合はどうにもならないかもしれませんが。